帯広訪問記 「トヨニシファーム」編
三ッ輪ホールディングスグループ広報のK です。
少し前の話になってしまいますが、昨年当社グループでは「⽣産者・消費者応援キャンペーン」を実施しました。
コロナ禍でともに当社グループのエネルギー供給先である「⾷品⽣産者」と「消費者」を繋ぎ、⽣産者のダメージとフードロスを軽減するとともに、地域のみなさまにおいしい⾷材をお届けすることで会社の理念でもある「ゆたかなくらし」の実現に貢献できればとの思いから企画されたキャンペーンです。
国連⾷糧農業機関(FAO)の推計によると、コロナ禍でなくても世界全体では⽣産された1 年間の⾷料の3 分の1 にあたる13 億トンもの⾷料が捨てられており、⽇本だけで年間600 万トン、1 ⽇あたり10 トン(トラック約1,700 台分)の⾷品が廃棄されているとのこと。
初期のコロナ禍で特に深刻なダメージを受けた⽣産者のサポートになればと企画されたこのキャンペーンでは、厳選された産地直送の⾷材を多数扱わせていただき、各地の⾷品⽣産者さまとの素敵な出会いもありました。
昨年北海道の帯広に出張に⾏った際、ブランド⽜である豊⻄⽜や加⼯⾷品を⽣産されている「トヨニシファーム」さん、⼗勝平野の中⻄部で18 軒の農家が集まって野菜作りをする「なまら⼗勝野」さんを⾒学させていただける貴重な機会がありました。
今回はトヨニシファームさんを訪問した際の様⼦をお届けできればと思います。
昭和63 年から法⼈を設⽴し、畜産業を営まれているトヨニシファームさん。専務の⼩倉さんが⽜舎を案内してくださいました。
飲⾷店や⼩売店、イベントでの販売など全国に販路を拡⼤されているトヨニシファームさんですが、コロナ禍初期では外⾷産業でのニーズが落ち、出店を予定していた物産展やイベントが中⽌になるなど⼀時厳しい状況もあったそうです。
通常、オンライン販売やイベント以外でお客さまへの直売はされていないそうですが、地域新聞などをはじめとした地元の媒体が多数取り上げてくれたことで反響があり、地元の⼀般消費者の⽅からの問い合わせを受けて急遽加⼯場で販売するなどの対応もされていたとか。
たくさんの⽜たちを愛情込めて育てている皆さん。
スタッフ1 ⼈あたり約500 頭(!)もの⾯倒を⾒ているとのこと。たくさんの⽜をケアしていても、それぞれの性格や体調などはしっかり把握できていて、変化があればすぐに気づけるんだそうです。
⽜の出産も、獣医さんの⽴ち会いはなく基本的にスタッフだけで対応します。
(※2020年取材時。現在は獣医さんを雇用され、牛の健康・体調管理に更に注力されているとのことです)
出産が近くなった⽜の⼦宮に専⽤の機器を⼊れ、破⽔すると発信機が知らせてくれるので急いで⽜舎に駆けつけるそう。出産が近づいても昔のように「いつ⽣まれるかわからないので毎晩泊まり込みで家に帰れない…」ということがなくなっていたり、妊娠のタイミングもデータ統計に基づいて計画を⽴てていたりと、畜産業もIoT の恩恵を多分に受けているというお話を興味深く聞かせていただきました。
出荷されたお⾁は、まず⾻がついたままの枝⾁に解体され、その後⾻を取ったブロック⾁の状態になり、加⼯されてお⾁屋さんや飲⾷店・スーパーなどに卸されます。
また、内臓は枝⾁とは別に専⾨の業者さんに引き渡され、ホルモン屋さんやお⾁屋さんへ。
通常ホルモンには個体識別番号がついておらずどこの⽜のものかわからないことが多いそうなのですが、トヨニシファームさんではホルモンまでロット管理されているとのお話を伺い、⾷品⽣産者としての強い責任感を感じました。
約20 ヶ⽉もの間、⼿塩にかけて育てた⽜を出荷するときはどんな気持ちですか?とお伺いすると「いいお⾁になってほしいという気持ちで⾒送ります」とおっしゃった専務の⾔葉が印象的でした。
基本的に消費者の顔が⾒えないことが多いため、当社グループの「⽣産者・消費者応援キャンペーン」への参加を通じて、お客さまからの反響や感想を聞くことができ励みになったと⾔ってくださいました。
また、未曾有のコロナ禍を少しでも前向きに切り抜けるための取り組みとしても⼼強く、意義を感じてくださったとのことで、プロジェクトチーム⼀同とても嬉しく思っています。
「⾷べる喜びを多くの⼈に感じてもらいたい」「⼈と⼈が繋がるきっかけになれるようななおいしいお⾁を作りたい」との思いで、責任を持って畜産業に取り組まれているトヨニシファームさんの⾒学を通じて、⾷べもの以外にも⾃分が⽇々消費しているものはどのような背景で作られているのか興味を持ち、なるべく作っている⼈の顔が⾒えるものや、思いのこもった⽣産者やメーカーの製品を選ぶようにしていきたいと、微⼒ながら消費者としての責任についても考え直すきっかけをいただきました。
ありがとうございました!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?