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甘野充のお気に入り

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僕が気に入ったnoterさんの記事を集めます。
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#詩

同級生S君の夢《Dream Diary 32》

xxxx年/05/27(x)  大型の宇宙船の船内で、大勢の女性達が沢山のお菓子と一緒に無重力遊泳をしていた。プカプカ浮かぶスイーツの中を、フワフワと上下左右に進んだり、斜め方向にクルクル飛び回ったりして、彼女達は皆何かが始まるのを待っていた。私も無重力遊泳をしながら、小学校時代の同級生のS君を探していた。色とりどりのスイーツをかき分けて、私は数人の女性にS君を見掛けなかったか尋ねてみた。彼女らは皆エクスタシーに達した表情をしていたが、S君の名前を聞くと急に顔をしかめたり、

黄色い月 《詩》

「黄色い月」 春が終わりに近づいた夜  空気は漠然とした湿り気を帯び 薄靄に包まれた 黄色い月がふたりを見ていた 僕の隣りで不規則に美しく揺れる 君のスカートの裾  僕は自分を失ってしまうほど 激しく君を求めていた はぐらかす様に微笑む君の唇に 静かに指先で触れた 少しの間の沈黙  其れは彼女の同意を意味している 全てが再び現実の位相に服すまで 彼女の長い睫毛が 僕の心の均衡を突き崩す 唇から漏れ出る無音の熱い吐息 其れは僕を深く濃密に凝視し続け

写真詩「ときめき」

本当は気になって仕方ないくせに 声をかけることも 名前を呼ぶことすらできなくて ただ妄想ばかり働かせて 悶々といていたあの頃 振り返ると 切なくて 微笑ましい日々 そんな胸のときめきも はるか遠い昔のこと あの子は今 どうしているだろう 会ってみたい気もすれけれど やっぱり会わないほうがいい あの時のときめきが 消えてしまわぬために

菜の花の|詩

陽の眩しい田んぼの水路を囲んで あどけない菜の花の群れが 風に揺れている 柔らかな黄色が揺れている 春の空に透けて 胸いっぱいの朝日を吸い込んで 悪戯な風が水の上を吹き流すと 岸辺に向かい合う花同士 くちづけするように顔を寄せ合う じっと見るには眩しすぎるよ 水面の煌めきのせいか 幼げで無垢なその色のせいか 渋滞する車の列の真ん中で ハンドルを握るだけの私が 眩しい車窓の景色に取り残される なにかを落としてきたようで ただ毎日に目を背けているようで 心を侘しく縛るの

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【詩】心旅行

通り過ぎる青空を 通り抜ける感情を 追えば小さな心の隙間 残る寂しさでは埋まらない 風穴が寒いだけ 望む私を なれない私を そっと忘れる心旅行 私は一人だけでいい 眺める青空の眩しさに ただ心打たれる そんな私だけでいい

〈花と少女〉詩6428

誘惑

甘い匂いのチョコは あなたに出会い 恋を知った 抱きしめられて あなたの体温でとけながら 愛を知る 甘い匂いで あなたに絡みつき 甘い匂いで あなたを魅了して あなたを虜にしてみせるわ あなたは チョコの甘い匂いに 翻弄されて 逃げれなくなる

再掲【詩】「period」

言うべき言葉が見えないまま君を見つめた 君はただ僕を見つめ返してそっと笑ったね 手を小さく振りながら「バイバイ」とそれだけを 僕に聞かせるのではなく自分に言い聞かせるように つぶやいて静かに僕に背を向けた 永くは続かない恋だと知っていた 理屈じゃなくそう感じていた それでも震えてしまう心はそれだけ君が好きだったからだろう 別れを最初から予感しながらどうして僕たちは恋に落ちたのだろう 君と交わした言葉君と歩いた景色君と過ごした時間 君とともにあった僕の全てはもう増えることは

【詩】葉桜

さらさらと過ぎる春風に 流される花びらの 儚さに立ち止まる 見上げれば青空に 背伸びしている葉桜が もう次の季節を歩いている 慌ただしさに埋もれたままに 過ぎるより 樹々たちに 花々たちに 連れられて先へ行く そんな心地でありたいと 若葉の緑に笑いかける

詩 「庭」

空と君 それだけでよかった

朝の光にナイフを入れて(詩)

朝の光はピチピチはじく きっと不純物の無い はちきれんばかりのそれに ナイフを入れたら 酸味の効いた飛沫で 思わず顔をすぼめてしいたくなるほど嬉しい 朝の光は産声をあげたばかりで 目に入れても痛くない 朝の光に罪はない 朝の光に闇はない

【炭酸刺繍】 星と太陽

☀️ イイコトしよう きみとぼく 生まれたままの姿で ソーダ水の海の中 太陽が嫉妬するくらい イチャイチャしよう ⭐️ イケナイコトしよう 夜のとばりに縫い留められた 星たちが騒いでる 月に言いつけようったって あいにく今夜は新月さ ☀️ ⭐️ イイコトしてたら怒られた? 構わないさ 自由なきみとぼく イケナイコトって誰が決めたの? 太陽は身悶え輝いて 星はほどいて流れ星 💫 #炭酸刺繍 企画に二度目の参加させて頂きます。 藤家 秋

自作詩 心の詩

桜吹雪舞い散って 葉桜になった大きな木 風に揺られて そよそよと 穏やかに流れていく 暖かな陽射しが 木漏れ日に 目を閉じ 空気の音や風の子守唄 全身に染み込ませる 風が止んだ時 私の心は詩うだろう 言葉にならない 心の詩を

「幸せのかたち」-詩―

幸せは どんな形 誰か 見たことがある?? いつも 後姿ばかりだよね 風と同じで 感じるものなの? 季節のように 色を 変えるのかな? 幸せは きっと 沢山の名前を もってるね 幸せは 形がなくて 人の 熱い思いの中で 生まれて 大きくなる 幸せの ものさしは 人によって 違う まず ほんの小さな幸せを 朝の光の中で 探していけば いつのまにか 幸せ鳥が 心の中の森で 鳴き始めるだろう 胸が熱くなり 笑みが浮かべば 幸せ鳥の 卵が 孵化したあかしだ 🐱🐱🐱🐱 最