掌編小説「十五歳の僕は」
懐かしい仲間たちとのおしゃべりもひと段落がつき、僕は会場を出てロビーのソファーに腰を沈めた。中学校を卒業して三十年目の同窓会だった。当時とあまり変わらない者もいれば、どこの誰だったかと首をひねりたくなる奴もいる。自分とて、彼らの目にどう映ったかは分からないし、そこはお互い様だろう。いずれにせよ、その語らいは楽しいものだ。
勢いにまかせて飲んだせいか、酔いが一気に回ったようだ。僕はソファーに背をもたせ、眼を閉じた。やがて暗いスクリーンに一つの顔が浮かび上がった。同級生だっ