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なぜスモールM&Aアドバイザーを起業したのか?

こんにちは。スモールM&Aアドバイザーをしております北林です。
これからスモールM&Aの実務・現場などについてお伝えしていく前に、そもそもの経緯を説明させて頂きたいと思います。

スモールM&Aアドバイザーになったきっかけは大きく以下3つです。
 1)会社員時代の事業再編プロジェクト:「おもしろい」
 2)労働組合専従時代の出来事:「もったいない」
 3)資格と某M&Aアドバイザー養成講座:「やるしかない」

では、これらについて簡単に説明したいと思います。
(多くの起業家の方のような、かっこいいストーリーではありません。地味です。ご了承下さい。。)

1)会社員時代の組織再編プロジェクト:「おもしろい」
 就職氷河期といわれた2002年、面白いほど就職が決まらず諦めかけていた時に、奇跡的に神戸の車部品メーカーに就職させて頂き、まずは経理部に配属されました。そしてこの部署で、ひとつめのきっかけを体験することになります。(余談ですが、配属希望は営業希望でした。車好きだったので。。安易。。)

配属されてから3年目ぐらいに、グループ内の事業組織再編プロジェクトが発足し、経営企画から2名(担当役員、若手社員)、経理から私の1名が選ばれました。(先輩達は皆PJを持っているので、何もPJがない私が選出されました。)
 内容としては、同業他社を買収した直後だったため、買収後のグループ内の会社や組織を効率化するために、再編案を当該メンバーで企画、実行するというものでした。(M&Aでよく使われる「PMI」という買収の統合作業に近い内容です。)このときはM&Aの意味すら知らなかった私ですが、このプロジェクト業務の全てが「おもしろい」と感じてしまったのが、第一歩です。例えば・・

・複数の事業部を統合・分割するにはどれぐらいの投資やコスト・時間が必要になるのか計画に落とし込んで。。
・売上やコストがこんな感じで変化するからPLで数値化して。。
・人材の過不足による配置転換案を考えて指示系統をはっきりさせて。。
・キーパーソンの管理職の方と密に連絡をとって少しでも信頼して頂いて。。
・事業譲渡などの契約書やIR情報のたたき台を考えて。。
・突然社長室に呼ばれてプレゼンに行ったり。。などなど
 
 仕訳入力などの業務中心だった私としては、スピード感・内容の幅広さ&目新しさなどが非常に刺激的で、「会社や事業を丸ごと何とかする」ことに対して強い衝撃と興味をもったことを覚えています。
(余談ですが、このPJにはまりすぎて、通常の経理業務を疎かにし上司から厳重注意を頂きました。。)

2)労働組合専従時代の出来事:「もったいない」
 入社5年目前後に経理部から労働組合専従役員(以下、専従)に異動(特別休職)することになりました。経理部から専従に異動するルートは最もよくあるのですが、経理業務が楽しくなってきただけに、当初は気が乗りませんでした。が、やるからには何か変えてやるという気持ちで6年間勤めました。
(余談ですが、当時の専従の仕事を少し具体的に言うと、会社のルールや給与・賞与・手当などを会社への改善・要求、従業員さんのご親族の慶弔関係に出席、従業員の相談対応で逆恨みをかったり、社内悪戯の犯人捜しをしたり、などなど。社内のトラブル全般対応の「何でも屋」と思ってます。)

その専従時代に、同業の各労働組合の役員が集まる機会が毎年1回あります。参加社数は約50社前後ぐらいたったと思います。同業他社の方々と話をすることはあまりないので、実は毎年かなり楽しみにしていた行事です。

ただ毎年1社ぐらいですが、労働組合を解散するという会社(おもに従業員1桁~2桁の会社)が出てきたのが気になっていました。
理由としては「会社自体の清算、解散」です。
なので自動で労働組合も解散です。オーナー高齢化・後継者不在がらみの理由が多かったと記憶してますが、どちらにしても毎回思うことが「もったいない」という気持ちでした。
「1円でもいいから、誰か引き取ってあげる会社・人はいないのか?そもそも中小規模の会社を他の会社が引き継ぐことは少ないのか?」という思いがずっと心に残っていたのが2つめのきっかけです。

そしてインターネット・本などで調べても、あまり中小規模のM&Aに関する記事等が少ないこと、会社の代表の高齢化などが進んでいることに気づきました。

3)資格と某M&Aアドバイザー養成講座:「やるしかない」
 上記のきっかけからよりM&Aに詳しくなるために、ドラマや本などを色々読み、業界への気持ちがさらに強くなっていきました。とはいえ自分は普通の会社員(当時は専従)で、実績も資格もない状態では難しいと判断し、M&Aでも重要な要素となる会計の資格に挑戦することにしました。そして約3年かけて苦労の末取得しました。(余談ですが、かなりの時間とお金をかけて、大学受験ばりに勉強しました。)

 その後すぐに、(一社)日本M&Aアドバイザー協会が主催している「M&Aアドバイザー養成講座」(現在は「M&A実務スキル養成講座」)の存在をしり、直近講座に申し込みました。2日間16時間、現場・実務の実際の資料やノウハウ等をみっちり学び、すべての項目が私を刺激します。そして講座が終わった頃に、スモールM&A市場の可能性と必要性を感じて、
「やるしかない」
という感覚がめばえ、M&A業界への挑戦をほぼ固めました。
 
で、なんで転職ではなく起業なのか?
 通常はリスクも考えると、業界への転職を考えるのが普通です。が、その時「35歳。職歴はメーカー経理と労働組合専従。」という状態です。普通の会社であればもう中堅です。その状態で、色々とM&A絡みの会社をみても、そもそも会社数や募集も全くなく、あっても条件が該当しないのが現実です。そりゃそうです。そんなにやりたい業界に行けたら、皆苦労しません。
なので、M&Aアドバイザーを本気でやるなら、起業しかないとすでに思っており、当時はまだM&Aアドバイザー専任会社がない神戸の地で、2014年6月に、顧客もコネも何もない「0」からスタートしました。

以上、大変地味な内容で恐縮ですが、読んで頂きありがとうございます。
次回からは不定期ですが、スモールM&Aアドバイザーの現場・実務や、起業後の出来事について、お伝えしていきたいと思います。ではでは。

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