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「活躍人財」

みなさん、こんにちは。
採用担当の糸井です。

今回のテーマはまた・・・なんと言いますか悩ましいですねえ~。

採用活動を行っておりますと、多くの方から「御社で活躍される人財の特徴は?」「御社でどういった人が活躍人財と呼ばれていますか?」などといったご質問をお受けします。

「わかりません(キッパリ)」

そう言いたいというのが正直本音です・・・

恐縮ながらキャリアコンサルタントでもあり、管理職でもあり、また人財開発といった部門におりますと、この定義に関しては非常に悩ましく感じるところです。

活躍・・・うーん。

例えばですが、物凄い稼いでいる営業の方がいるとしましょう。ただ、その人は周囲と協力もせずに、ご自身との結果を比較して他者をあざ笑うような人柄だとします(現実、そういう人いますよね)。
その方を、組織の上の方が見れば、利益をもたらす存在として活躍人財と位置付けるかもしれませんが、同じチームや周囲で働く人たちは煙たがるかもしれません。

では、総じてこの営業の方は活躍人財?

「営業なんだから、稼ぐのが当たり前だろ。それができている人が有能なんだよ、活躍人財なんだよ!」

そうなんですかねえ。
もう少し、はたらくことそのものも含めて、広く捉えていきたいところではないか、と私は考えます。

そこで、活躍人財とは何か、を考えるに際して以下のような問いにどう答えていくか、が重要であると提起したいと思います。

あなた自身は、組織や社会においてどう貢献していこうと思いますか?

敢えて「活躍」という言葉を「貢献」に置き換えております。その方がご理解や定義いただき易いかもしれません。

一会社組織のみならず、広く社会という視点で見ても、職業における一人一人が持つライフスタイル(ここでは性格や人格含む)もポテンシャルも役割も全く異なります。従って、何をもって「活躍(貢献)人財とするのか」という尺度を単純に定義することは難しいと私は考えています。

ここに通ずる一つ重要な観点として、キャリアアンカーの提唱者である、エドガーH.シャイン博士の見解を挙げます。

「成功を(ここでは“活躍”や“貢献できている状態”と読み替えても差支えないかもしれません)判断するために使用される重要な基準の一つとして、個々人が、どのくらい当人の属する組織または職場の中枢に突き進んだと感じるかということが挙げられる。
(中略)
(しかしながら)しばしばそれとは無関係に達成される場合もありうる。例えば、昇進はなく、地位は横ばいではあるが、当人の経験、自分の組織でどれだけ長い時間を過ごしてきたか、または人柄の魅力のために、より高い地位にいる先輩や上司からしばしば相談を受けるような従業員は、依然として会社の方針に影響を保っていると言える」

つまり、会社組織という共同体において、直接的にも間接的にも、更には地位などに関わらずとも利益(ここではお金の意味合いではなく会社組織を維持向上したり、円滑に運用していくために必要なエッセンス)をもたらす人も、結局のところ「活躍(貢献)人財」と言えるのではないか、ということです。これは、私自身も経験則にてとても実感しているところです。
平たく申し上げるならば、「自分を共同体で活かし、共同体に貢献する人が活躍人財である」と定義付けができそうです。

その実現に向けては、当たり前のように聞こえるかもしれませんが、シンプルに次のようにまとめられるのではないかと私は思います。

更に、自分にとってのこれらは一体何なのかに関しては、自分自身をよく理解し、自分なりの人生の(職業キャリアの)意味を見出すことである、と考えます。

従って、例えば有名企業に入って稼いでいる人が凄いなどと周囲が言ったりすることは、その方の努力と実績という点で否定されるものではありませんが、だからと言って、同じように実現できていない自分を卑下することは全く意味がありません。つまり、あなたにはあなたなりの活躍の仕方があるのです。

最後に、恐縮ながら本SNSの別のマガジン「これまでの道、これからの道」の第7回「“この仕事を辞める”ということ」に記載の内容を一部抜粋させていただきます。

「人はそれぞれに有する能力、興味関心事、価値を感じるものが異なっていることを今一度考えたいところです。他者にとって良い仕事であっても、自分に合わないこともあれば、自分にとって良い仕事が、他者にとって良い仕事にはならないことは往々にしてあります。」

自分自身をよく知り、何をもって社会に貢献するのかを徹底的に考え目的としつつ、自分を活かす道を探し続けていきましょう。
その選択を取れる人が本当の意味で「活躍人財」なのです。


~Profile~
キャリアコンサルタント/ミツイワ株式会社 人財開発部 人財開発課長
糸井 圭吾(Keigo Itoi)
学習院大学 経済学部卒。外資系IT企業入社後、大手銀行向けSEを経験。
その後、外資系並びに国内系IT企業において人事職に転身し、企業制度
設計、評価システム導入、採用、人材教育等、人事業務全般に携わる。
2016年7月ミツイワ株式会社入社。人財開発部にて採用並びに教育責任者として現在に至る。
主な有資格は国家資格キャリアコンサルタント、キャリアデベロップメントアドバイザー、行動心理士、メンタルヘルスマネジメント など。

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