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【書評】『知的生産術』を読んでみた

みなさん、こんばんは。
みちおです。2か月ぶりの更新です。
日中はだいぶ暖かくなってきて、春の訪れを感じる今日この頃ですね。

本日は『知的生産術』という本の書評を書きました。
著者は、ライフネット生命創業者・現APU学長の出口治明さんです。

卓越された経営者として有名な方ですね。
自分自身、仕事の生産性について思い悩むことがあったので、読んでみました。生真面目な姿勢で仕事に取り組んでいる方・旧き良き日本企業体質の環境で働いていらっしゃる方は、今後の仕事の姿勢を見直すのにおススメです。

≪要約≫

0.導入
・イノベーションは「サボりたい」という気持ちから始まる。
 最小の労力で最大の成果を出す発想こそが、この時代に求められている。


・知的生産性の向上=「自分の頭で考えて、成長をすること」であり、それこそが真の意味での成長である。
1.日本の生産性が低い理由
・日本の労働生産性(≒実質GDP成長率)は先進諸国の中でも最も低い水準。

・高度成長期の経済成長率は7%/年(現在は0.9%/年)と、高い水準にあった。その理由は下記の3つ。
└冷戦構造(米国からの自由交易保障や資源提供)
└キャッチアップモデル(米国の産業構造の模倣、製造業の発展モデル)
└人口増加

上記の製造業を主とする産業構造では、工場勤務の単純作業が主となるため、黙々と長時間働く協調性の高い人材が最も重宝されていた。

・しかし現在は、日本の産業は4分の3がサービス業であり、サービス産業の生産性向上こそが国全体の生産性の向上に繋がる時代に、産業構造そのものがシフトしている。

・この産業構造においては、労働時間ではなく「成果」とそれをもたらす「アイデア」が最も重要である。すなわち、サービス産業モデルにおける評価軸は「労働生産性」になる。

・労働生産性向上のためには、「飯・風呂・寝る」の従来の生活から、下記のようなクリエイティビティを養う生活にシフトをする必要がある。
└「人」:様々なヒトと交流し多様な考え方を学ぶ
└「本」:様々な本を読み知識を習得する
└「旅」:様々な場所に足を運び感性を磨く

・加えて、「女性活躍」も国の生産性向上には必要不可欠である。その理由は、サービス産業の購買主は女性であり、その視点を深く理解できるのは女性だからである。
2.新しいアイデアを生み出す「考える技術」
・知的生産性を高めるには、「社会常識を疑い根底から考える」ことが必要。そのために役立つ視点が下記の5つ。
└無減代を考える
└「なぜ」を3回繰り返す
└「枠」や「制約」の中で考える
└「数字、ファクト、ロジック」で考える
└考えても仕方ないことは考えない

・モチベーションが続かず行動出来ないのは、「腹落ちするまで考えていない」からである。自分ルールを決めて「腹落ちするまで考える」と良い。腹落ちするために、紙に書きだす・他人に宣言する等アウトプットをすると良い。
3.最小の労力で最大の成果を上げる「インプットとアウトプットの技術」
仕事が上手くいかない(良いアウトプットが出ない)のは、たいていインプット量が少ないからである。腹落ちするまでインプットを行うことが重要。

・加えて、インプットしたことを人に話したり、文章化し他人に評価してもらう(アウトプットをする)ことで思考力が高まり、生産性向上に繋がる。

・影響力=仕事量×スピード。仕事において、スピードこそ非常に重要な要素である。

・身近なロールモデルが成長の起爆剤になりうる。
4.チームの力を引き出す「マネジメントの技術」
組織生産性の向上のためには「適材適所」が最も効果的である。つまり、マネジメントは一人一人のメンバーの適性をよく見て、どういう分担をするのかを考え抜くことである。

・その適材適所のポイントは以下4つ。
└部下の適性や意欲把握
└短所は無視して長所を伸ばす(小さい丸より三角四角)
└全員を管理職に育てる必要はない
└サボる社員がいても良し(2-6-2の法則)

・会議の生産性向上のポイント5つ。
└会議室を減らす
└会議の時間を区切る
└会議の資料をペーパーレスに
└検証可能なデータ(ファクトやロジック)を出し合う
└資料に事前に目を通しておく

・多様な人材がいるからこそ、多様なアイデアが生まれる。そのためプロジェクトを進める際には「素人」を入れると新たな視点、ブレイクスルーに繋がる。
5.明るく楽しい職場をつくる「コミュニケーションの技術」 
仕事の生産性を向上させる、イノベーションを起こす起爆剤は「楽しい」という感情である。

・リーダーが持つべき3つの鏡。
└真実の鏡(自分の表情が見える鏡)
└歴史の鏡
└人の鏡(耳の痛いこともFBしてくれる鏡)

・人生で一番大切なのは正直であること。自分の考えを正直に表明した方が楽。嘘を付くと自分自身が苦しくなる。

・人脈は結果としてできるモノ。来るもの拒まず&偶然の出会いを大切にすれば、おのずと広がっていく。


≪所感≫

高度成長期より経済成長率が鈍化していることが、産業構造や労働人口の変化によるものであることがよく理解出来ました。また、昨今叫ばれている「働き方改革」に通ずる話であると思いました。

今まで自分は、成果を上げるために「人より時間をかけて、勤勉に努力をする」生き方をしてきました。勉強も部活動も何もかも、24年間そういう姿勢で生きてきましたし、それが正しいとして評価されてきました。

そのため【短時間で要領良く成果を上げること=生産性を高めること】が、自分自身のスタンスとして染みついていないなあと実感しています。

変化の激しい市場環境下では、今までの姿勢「時間をかけて勤勉に働くこと」が是ではなくなってきています。社会人3年目に入り、任される仕事の量的にも質的にも従来のやり方で限界がきています。時代に適応し、真の意味で成長するには、自分の生き方やスタンスそのものを見直す必要があると感じました。

・労働生産性向上のためには、「飯・風呂・寝る」の従来の生活から、下記のようなクリエイティビティを養う生活にシフトをする必要がある。
└「人」:様々なヒトと交流し多様な考え方を学ぶ
└「本」:様々な本を読み知識を習得する
└「旅」:様々な場所に足を運び感性を磨く

「無限大」から「無減代」の考え方を取り入れ、仕事もほどほどに自身の自由な時間も大切にします。僕は黙っていると勤勉に働いてしまうので、意識はもちろん具体的な改善行動も定める必要があると思いました。また、(読書は一定しているので)もっと多様な人との交流や旅にも注力していきたいです。

僕のような生真面目な方は、ぜひ御一読下さい!
本日はここまで。


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