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いろいろな夫婦のカタチ

母が約2週間前に医療保護入院をした。
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母は躁転してるため、自分自身はいまが絶好調で最高に気分がいい状態で、周りを傷付けたり振り回したりしているのことに全く気付かない。専門書には自尊心が肥大化する、と書いてあるが、まさに肥大化した自尊心は神のような最強な存在なのだ。

亀さんペースで生きていた人が、突如としてチーターに変異したと思うほど、見た目にも言動にも大きな変化が現れる。

早朝からスッキリと目覚め、夜ご飯まで準備を済ませ、アイデアが次から次に浮かびどんどん思いつくままメールや電話、どんなに極寒の日でもお構いなしに外に飛び出す。突然ペースが猛スピードになるものだから、日常を送っている家族は当然振り回され、ただ明るく元気なだけならいいのだが、苛々が強く攻撃的になり次から次に問題が勃発。

人と人の間にある見えない思いやりという名の暗黙のルールなどお構いなしで、言ってはいけない事を言ってはいけない相手に発してしまう。金銭感覚や社会の常識などももはや凡人ではない為、ぶっ飛んだ発言と物凄い行動力で推し進めてしまう。

そんなわけで、躁転スタートから3週間後に同居の父と医師の判断で入院となった。

父が定年してから恐らく5回ほどこのような波が起こっている。昔から何かトリガーとなる出来事があるとぶっ飛んだ行動をする母であったが(家族は何がトリガーになったのか憶測でしかわからない)、社会的な役目(育児や家事、仕事)があった為か今ほど大きなものではなかったと思う。父が定年し毎日家にいる生活で変化に弱い母のようなタイプの人はストレスが大きかったかもしれないし、長年続けていた仕事(週一程度)を辞めた事、子供達が巣立った事、単純に母が歳をとった事なども複合的に絡み合ってるのかもしれない。母が自分の気持ちや困っている事を言わないので、あくまで憶測になってしまうのだが。

以前も書いたが、母が元々、自閉症スペクトラムの傾向があるのではないか、ということはあくまでも私の推察である。
ただ、もしそうであれば全てが納得がいく、という話だ。それと同時に、納得がいくからといって決め付けてはいけないとも思っている。(現在、母の主治医の先生の診断を静かに待っている状態だ。まだ時間がかかるようだし、母の精神状態やタイプを見極めて段階を踏んで色々と調べてくださるようだ。)

父と母。恋愛結婚でお互いに好みのタイプの人だったようだが、性格は真逆で、側からみれば補い合っている2人。

父とは娘時代はほとんど深く話した事がなかったので、母の件で父の事を知る時間になっている事は、私にとってはいい事ではないだろうか。

母から冷たい、ケチだと聞かされてきたが、実はとても責任感があり母想いであることを知る。今回もそうだが、きっちりすぎるほど母のお世話をしている。もちろん今はまだ会えないので、看護師さんを通してだが。決して見捨てない一貫した姿勢はとても頼もしい。

変わり行く妻を悲しむ父の姿に老いを感じると共に、父に心があった事を知ってホッとする私もいた。それくらい、娘時代に父と関わることが少なかったし、母が意図的に関わらせないようにしていたようにも思う。

40年以上生きて、やっと10代の頃悩み苦しんだ私の心の糸が解けていく。

そう、みんな今を懸命に生きているのだ。


過去と他人は変えられない。
変えれるのは未来と自分だけ。


この言葉は結婚して、仕事や夫婦関係に悩んだ時に本で読んだのだが、まさに私が大人になった事(自立した事)で物の見方が180度変わったのだ。

子供時代の父が母に不評だったのは、企業戦士だった父は心身共に疲れ果てていて、家庭に安らぎを求めていたのだが、母はそれを理解せずに自分への態度が冷たい、と受け止め心乱されていたのだろうと推察。

相手の立場や心情が分からない母と、それくらい言わなくてもわかってくれよの父。噛み合うはずもなく、そのストレスは1番弱い立場の子供に向かう、、という負のループ。

実は私の知人の子供に、自閉症スペクトラムの子がいるのだが、その子は2歳で診断され、適切な教育を受けている。周りのサポートを受けながら、成長しているのだ。知人も隠さずにオープンにしているところも素晴らしいと思う。

私は、自分自身もメンタルクリニックにいったことがあるので、心身に異変を感じたり不安定な時は、絶対に一人で抱え込まず専門家のところに足を運んでもらいたい、と思っている。(母の入院が決まった時に不安で泣いてしまったが、2週間経った今、これでよかったと思えている。母の様子や薬の調整のことを聞くと、やっぱり専門家にしかできない領域があると思った。)

何故なら、現代は様々な価値観があり、誰かにとっての当たり前がまた別の誰かにとっては当たり前ではなくなってきてるからだ。従来の考えに固執してしまう傾向の人や変化に対応するのが難しい人は、心を痛めやすいのかもしれない。情報が溢れすぎているし、受動的にそれを浴びすぎてしまうと疲れてしまうと思う。

今日も母の回復と、お読みいただいた皆さんの心身の健康を祈って。肩の力を抜いて深呼吸をしていこう。



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