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スタンドバイミー 違和感

”青春映画の傑作”と言われるロブライナー監督の『スタンドバイミー』1986年公開アメリカ映画。そう言われると違和感を覚える感覚は、何十年経っても消えることはない。

それは、ベンEキング『スタンドバイミー』の曲から耳に入った。その切ない歌声とコントラバスの一定のリズム…伸びやかなヴァイオリン。当時中学生だった私と同世代の子供たちが活躍する青春映画。前評判の高かった映画。

私は期待に胸を膨らませて、映画を見る前に先にスティーブンキングの原作を読んでしまった…

そこには子供たちが荒廃した街で、街の負のサイクルに呑まれてゆく様が書かれていた。キラキラした少年たちが兄のように不良になり、イカレ親父になる様が書かれていた。

映画『スタンドバイミー』は少年時代のそのキラキラな部分だけを描いていた。だから映画だけを見れば青春映画なのかも知れない。

私は原作を先に読んで全体像を知っでしまった後に、映画を見てしまったので、映画自体が希薄に思えてしまって、どうやら味気なく感じたのを覚えている。そして、青春映画と言われる違和感。

当時は気に留めなかったが、スティーブンキングはやはり『キャリー』『シャイニング』『デッドゾーン』『IT』の作者。ホラーの大御所。上手く読書の恐怖や不安を引き出させる天才。

例えば『IT』は不安や恐怖などの支配を子供に実際に見える姿のペニーワイズという存在に具現化しているけれど、『スタンドバイミー』の街全体を支配している不安や恐怖は目に見えないけれど、たしかにそこに存在し子供たちを変化させていく事実をかいている。まさに現実のホラーだ。

そう考えると『スタンドバイミー』も恐怖映画だと、私は関連づけてしまう。そもそも、少年たちが死体を探しに行く話だし…

『IT』のキャッチコピーが

”子供が消える町に、それは現れる”

だったし、まさに『スタンドバイミー』もまさに”それ”だと思う。

原作と映画の狭間に苦悩した一本。映画を先に見て、純粋に映画を先に楽しみたかったかも…そうしたら、また違う価値観を持てたのかも知れない。

違和感…最近の私の違和感…

フットワーク軽く出掛けるのが好きな私がイラストや文章をかくために机にがじりついている。…爪に染みた絵の具がとれないのでは…運動もせず3食しっかり食べ不用意に太った。足が退化してしまうのでは…お尻が椅子にめり込んでしてしまうのでは…

、とプティホラーを感じている。






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