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ミトカラ#1

過疎地域の救世主「とくし丸」に迫る

- 美都から始まる地域の未来 -
全国各地では高齢化や人口減少が急激に進み、生活の維持が難しくなっている地域がたくさんあります。
「過疎」発祥の地、益田だからこそ考えられる地域を持続可能にするアイデアを、ぜひ、あなたも一緒に考えてみませんか?
美都町出身の高校生が取り組む地域活動「ミトカラ」START!


取材を始めたきっかけ

私は市内中心部から約15km、車で15分程度の距離にある中山間地域で生まれ育ちました。
全国各地にある中山間地域では高齢化や人口減少が深刻で、生活必需品を取り扱う商店は廃業し、公共交通機関の不便さや高齢者の免許返納などにより、「買い物難民」と呼ばれる買い物に困っている高齢者の存在が問題となっています。

私が暮らす地区には幸い国道沿いにコンビニがあり、車で通行中に立ち寄る人や地域の人が弁当や日用品の買い物に利用することができます。しかし隣の地区では商店が廃業になり、ちょっとした買い物にも困っていると聞きます。また公共交通機関はバスが1日10本程度しか運行されていないため不便で、そもそもバス停から離れた場所に住んでいる高齢者はバスを利用することは難しい状況です。

高校の課題探究活動で「過疎」について学んでいた私は、祖父母が公民館だよりを見ながら移動スーパー「とくし丸」が移動販売を始めるとの記事をみて話をしているのを聞き、買い物に困る高齢者が多いこの地区にとって非常に助かる仕組みなのではないかと興味を持ち、取材を始めることにしました。

「とくし丸」とは…

「とくし丸」は、近くに生活必需品(食料品・日用品)を販売する商店がないような地域へ生鮮食料品や生活必需品を専用の軽自動車に積み込み巡回する小さなスーパーマーケットのような移動販売の仕組みです。

この仕組みは、2012年、徳島県で設立された株式会社とくし丸によって開始されました。「とくし丸」と提携を結ぶ地域のスーパーマーケットと販売パートナー(=個人事業主)が協力して指定された地区へ巡回販売を行います。販売パートナーは提携するスーパーマーケットでその日販売する商品を自分で選び、冷蔵庫を備えた軽自動車に積み込んで、あらかじめ指定された地域で各家々を巡回して販売します。

商品の値段はスーパーマーケットでの値段に一品につき10円から20円を加算して販売されます。この加算された金額が販売パートナーの売り上げになります。

買い物をする地域の方々は、市内へ買い物へ出掛けるための交通費を考えるとそんなに高くない負担で、自分の目で見て選んで買い物ができ、販売パートナーはスーパーマーケットの商品を借りて販売し、売れ残った商品があってもすべて返品できる仕組みのため、売れ残りのリスクがありません。また商品を提供するスーパーマーケットにとっては移動販売を行ってもらうことで、自分の店舗の売上が上がることになり、三者ともにうれしい仕組みになっています。
「とくし丸」は全国に急拡大しており、株式会社とくし丸のホームページによると2023年8月時点で1100台を超える「とくし丸」が稼働しています。

「とくし丸」を探せ

「とくし丸」に密着取材をしよう。
そう思った私は、地域に移動販売に来る「とくし丸」をどうやって探そうかと考えました。チラシや公民館だよりで私の住む地域にも移動販売に来ることは知っていましたが、実際にいつ来るか、どこに来るのかわかりません。
さすがにずっと待っているわけにはいかないので、公民館を頼って情報収集に出かけました。

幸運にも公民館の方から「とくし丸」の販売パートナー和井元さんにコンタクトを取ってもらうことができ、私は取材のお願いをするため、恐る恐る連絡先の携帯番号に電話をすることになりました。
お忙しい中で、取材を承諾していただき、私が住む地区へ販売に来られる際に密着取材をさせていただくことが決まりました。

さぁ、何を質問しようかなぁ?
質問用紙をつくり、買い物に来られる方に質問する内容もアンケート用紙にまとめて取材の準備を進めます。
次回は取材した内容をまとめてみます。

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