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瞑想すると、思いどおりの人生になるらしい。

働くって、いいかも。Vol.5

グローバル企業が能力開発研修として導入したことや、世界の起業家たちがこぞって習慣化していることで注目される瞑想(マインドフルネス)。実際、なにがそんなにいいのか?ひとりでもできるのか? 愛知県名古屋市・白壁のヨガスタジオ『Shine-Grant(シャイングラント)』代表の久村先生に、体験を通して瞑想について教えていただきました。

Shine-Grant(シャイングラント)代表 久村安津子
長年の悩みからの解放を求め、1冊の本をきっかけにヨガ・瞑想と出会う。インドの瞑想のグルの直系の弟子による瞑想グループで修業しヨガ講師に。セドナ、ハワイなどでヒーラー、セドナヒーリングセラピスト、催眠療法の認定資格を取得。エアリアルヨガ創始者のミシェル・ドーティニァック氏からも直接指導を受ける。2017年ヨガスタジオ『Shine-Grant(シャイングラント)』オープン。NHKドラマの瞑想シーンの監修・出演のほか、企業でのマインドフルネス研修実績も多数。

リラックスや集中力UP、だけじゃない。

カルテを記入し動きやすい服装に着替えて、スタジオへ。体験に入る前に、先生から瞑想についてレクチャーいただきました。そもそも「瞑想」とは何なのでしょうか。

「瞑想はもともと、宗教における行いのひとつです。自分を内観して煩悩を見つめ、悟りの境地へ向かうためのもの。そこから宗教的なものを取り除き、一般の人にも広く実践できるようにしたのが、マインドフルネス瞑想です。リラックスやストレスの軽減、集中力の向上などの効果が得られるため、最近では1〜5分間の短時間でカジュアルに体験できる瞑想が広く認知されるようになりました」

しかし、先生いわく、瞑想の本来の価値はもっと長時間、長期間取り組むなかでこそ得られるものだそう。

「瞑想には、大きく3つの種類があります。集中する瞑想と言われる『サマタ瞑想』、気づきの瞑想と言われる『ヴィパサナ瞑想』、そして想像力を働かせてビジュアルを思い浮かべる『観想瞑想』です。カジュアルに取り組まれているものは、最後の『観想瞑想』が多いですね。

それぞれの関係をスポーツで例えるなら『サマタ瞑想』は筋トレ、『ヴィパサナ瞑想』は技術の向上、そして『観想瞑想』はイメージトレーニングと言うことができます。お気づきのとおり、イメージトレーニングだけでは試合には勝てませんよね。同じように、実は『観想瞑想』だけでは、瞑想の価値を本当に享受したことにはならないんです。」


瞑想とは、本来の自分になる訓練。

ストレスの軽減や集中力の向上も、瞑想から得られる効果のひとつ。しかし『観想瞑想』はカジュアルに取り組めるぶん効果も限定的で、すぐに取り組む前の状態に戻ってしまうそう。『観想瞑想』だけでは「自転車操業から抜け出せない」と先生は言います。では、どうすればいいのでしょうか。

「アメリカ・マサチューセッツ大学とハーバード大学の脳科学の共同研究によると、約27分間の瞑想を8週間続けることで普段から瞑想の効果を実感できるようになると言われています。関連性については諸説ありますが、瞑想を続けることで、学習と記憶に重要であることが知られている海馬、不安やストレスに重要な役割を果たすことが知られている偏桃体の灰白質密度の低下といった変化が見られるそうです。」

約27分の瞑想を約2ヶ月──なかなか習慣化に苦労しそうな時間と期間ですが「普段から瞑想の効果を実感できるようになる」というのは、具体的にどういう状態のことを指すのでしょうか。先生は「環境に左右されないニュートラルな自分になり、自分の人生を自分でつくりあげていける状態」だといいます。

「瞑想って、自分についている(余分な)ものを、玉ねぎを剥くようにひとつひとつ剥がしていく作業とも言えます。人は、本来はそうじゃないのに、まわりに合わせていい人でいようとすることで苦しむようなことが多々ありますよね。それらをひとつひとつ手放していくことでニュートラルな自分になり、自分で自分の人生をつくりあげていけるようになる。それが、リラックスや集中力アップの向こうにある、瞑想の本当の価値だと私は思います。」


自分が変わるから、環境が変わる。

実際、先生自身も、そしてスタジオに通う会員さんの多くも、自分の思うような人生を生きられるようになっているそう。

「若い頃はずっと人間関係で悩んでいて、泥沼化したこともありました(笑)しかし、瞑想と出会ったことでそれを引き起こしていたのは自分だと気づき、その悩みを手放せるようになったんです。瞑想に取り組む会員さんは経営者の方が多いのですが、長く通われるなかでヒット商品が生まれたり、いい人が採用できるようになったりするなど、会社の業績が目に見えて変わるケースがたくさんあります。」

瞑想をすることで思いどおりの人生を生きられるようになる。やや飛躍に感じるかもしれませんが、それはとても理にかなっていることだと先生は言います。

「環境は、自分の鏡なんです。瞑想を通して自分が置かれている状況を客観的に見られるようになり、その状況をつくっているのは自分自身であることに気づきます。そうすることで、言動が変わり、行動が変わることで、結果として環境が変わるのです。類は友を呼ぶという言葉があるように、本来の自分に戻ることで、その自分にふさわしい人間関係が構築されるという側面もあります。」


数ある瞑想から自分に合うものを。

瞑想について一通り教えていただいたあと、いよいよ体験へ。その日は、強く手を叩いたあとの感覚に集中する1分の瞑想をしたあと、呼吸に集中する3分の瞑想、そして「マントラ」と呼ばれる言葉を唱えながら行う7分の瞑想を体験。

はじめはまわりの音や雑念が気になって仕方がありませんでしたが、1回目より2回目、2回目より3回目のほうが瞑想に集中できるようになり、3回目が終わったときは、まわりの音が何も聞こえない、世界に自分と先生しかいないようなものすごい静かな感覚になっていました。

もちろん、それは一時的なもの。でも、これまでにない感覚を体験したことで、先生のいう27分間を8週間つづけた先の世界にもより興味が湧いてきました。ただし、その状態になるまでに挫折してしまう人も多いそう。

「はじめは27分もじっと座っているのは暇だし(笑)、すぐに自転車操業に戻ってしまう人が多いです。私もそうでした。でも、だからこそ先生や仲間の存在が大切なんです。瞑想は、すべての人にとって有効なものだと私は思っています。瞑想と一口に言っても、種類は無数にあります。必ず自分に合ったものが見つかるはずですので、いろいろと試していただくと良いかと思います。」

厚生労働省の令和2年「労働安全衛生調査(実態調査)」によると、現在の仕事や職業生活で強い不安やストレスを感じる事柄がある労働者の割合は54.2%と半数を占めている日本。瞑想によって「今ここ」に集中する時間を持つことで、一人でも多くの人のストレスが軽減し、自分の人生を生きられるようになればいいなと思いました。


YOGA STUDIO『Shine-Grant(シャイングラント)』
〒461-0011名古屋市東区白壁2丁目1-18 石川シラカベビル3F
https://www.shine-grant.com/73037/


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