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真っ昼間から飲む酒が最高なのだ!!

平日休みの昼間。このときに、自宅で飲む酒が一番テンションが上がる。

私は酒好きだが、一人でふらっとお店に入るのは苦手。勝手がわからなかったり、常連さんがたくさんいたりするとソワソワするのだ。一人で何軒もハシゴできてしまう友人には、「飲めるのにもったいない」と言われるけれど、できないものはできない。そんな性格上、家でゆっくり飲むのが定番。

夏のお決まりメニューは、ビールと焼き鳥。家で串に刺した鶏肉を焼ける機械も販売されているけれど、面倒くさがり屋な私は百貨店で好きなものを物色して買ってくる。選ぶのもまた、楽しい時間。

買い出しという一仕事を終えて家に帰るや否や、冷蔵庫で冷え冷えにしておいたビールの缶をぷしゅっと開け、ゴクゴクと喉に流しこむ。そして、お皿に盛った焼き鳥をほおばりながら、居酒屋気分を味わう。

そもそも、夜よりも昼飲みが好き。きっかけは、初めて社会に出た二十年以上も前のこと。

初めて就職したのは、縁もゆかりもない場所で友達がいなかった。同僚とは仲良くなったものの、シフト制なのでほかの誰かと休みがかぶることはなし。さらに、田舎で遊びに行く場所が少ない上に、車を持っていなかったので、行動範囲はさらに狭く……。

また、当時、就いていたのは接客業。仕事柄、お客さんから理不尽なクレームを言われることがあったとしても、「何を言われても頭をさげろ」と指導されていたので、ストレスはたまるばかり。

そんなこんなで、インターネットなどまだなかった新社会人のころ、だいたい外にも出ず、家でテレビを見ながら酒を飲んで過ごしていた。だけど、いくら飲んでもまったく酔わないことに気づく。

ビールや酎ハイの缶がどんどん空いていく様子を見て、こんな甘っちょろいものでは満たされないのだと知り、アルコールの度数が高い酒類に切り替えた。けれど、焼酎やブランデーのロックを飲んでも、記憶なんて飛びやしない。瓶の中の液が、これまたみるみる減っていくだけ。そう、私は酒豪だったのだ。

それでも昼間に飲むことをやめなかったのは、アル中になったわけではない。アルコールに酔っていたわけでもなく、多くの人が働いているであろう平日にお酒を飲める背徳感に心酔したのだ。

若いころの勢いはないけれど、相変わらず酒は好きだし、それなりの量を飲める。同じような属性を持つ友人は毎日のように晩酌をしているようだが、私は夜はめったに飲まない。

ときの流れと共に、20代のころとは働く環境も生活拠点も様変わりし、中年になったいま、飲みの回数はぐっと減っている。それでも尚、平日休み、自宅での昼飲みがお気に入り。もっとも気分良く飲めることに関しては、二十数年経ってもまったく変わっていない。

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