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【 経営 / マネジメント 】改善活動の一手目はコレ!すぐ改善に動くのは悪手!

基本的に仕事は放っておくと増える。特にリーダーが革新派ではない組織ではその傾向が高いというのが私の今までの経験則。なぜ仕事が増えていくのかと言えば改善活動をするから。「え?会社は何かあれば改善しろって言うじゃないか!」という声も聞こえそうだけどその改善活動の一手目が悪いために仕事が増えるのだ。

1 仕事を増やしくたくなる人がいる

仕事の量が多いと嫌だというのは共通認識だと思う。だが逆に仕事が全く無くなることも恐ろしい。会社の商品が全く売れない、これは怖い。それが続けば会社は倒産。では個人レベルで自分の仕事が全くない。これも想像すると結構恐ろしいことだ。(蛇足の話:大前提に仕事は与えられるものではなく生み出すものだという感覚はもっておくべき)実はこの自分の仕事が無くなるという心理で仕事が増えることもある。当然会社員は自分の仕事が無くなればリストラを想像するだろう。いてもいなくても成果が変わらない人なら人件費分が無駄だと会社も考える。何も貢献していないという判断だ。このようなマイナス面に焦点を当てると改善活動が突き抜けて進まない。

そもそも改善とは業務が今より楽になったり短い時間でできるようにすること、そして失敗が減る、クレームが減る、教育が早くなる、などの効率化や合理化を図ったその結果として会社の利益が出るようにするやりかたを生み出すことだ。だからこれを突き詰めると仕事量がゼロになったにもかかわらず利益が出るという状態が最も改善が進んでいるということになる。

すると、自分の仕事が無い⇒いらない社員と思われる⇒リストラされるかもしれない恐怖という流れが生まれる。たぶん多くの人はここまで理論的に考えていないと思うが直感的にわかっているはずだ。すると改善は突き抜けて進まない。改善案が出ても小手先の改善が大半、抜本的な改革に繋がるような改善案が出てくることはない。そしてその小手先の改善案によって「同じミスが起きないようにチェックリストが必要」「引継ぎで抜けが起きないようにミーティングが必要」「お客様への連絡のための新たなチームが必要」などという話があがりはじめる。問題がある⇒解決するためにこうしよう⇒それいいね、となればそれをやるための準備の仕事も増える。帳票作ろう、チェックする人を決めよう、フロー図をわかりやすく・・などと。

2 改善の目的をぶらしてはいけない

このような状態が社内に起きていたらもう一度改善の目的をトップが明確に伝える必要がある。社員が真面目で一生懸命やればやるほど仕事を増やすだろう。そしてしばらく放っておくとまた同じことを繰り返す。リーダーは定期的に業務中の社員に今やっていることに対して質問を投げかけてみよう。「それをすれば利益が増えるのか?」「それをすれば成果は同じままで仕事量が減るのか?」「それをすればお客様からのクレームが減るのか?」ここでの回答が「突き詰めてそう言われるとちょっとわかりません・・」という回答ならばその業務や改善案自体に疑問符をつける必要がある。ここで方向性を見失わないようにすることが大切だ。

3 改善で成果を出すための正しい順番

私が思うに改善活動をするには正しい順番がある。当社はここで紹介する順番で改善するようにしている。

✅改善活動をする順番
①改善すべき仕事の作業工程を全て出す
②その工程の中でやらなくても影響が出ないことを見つけ消す(止める)
③残った工程で合体できるところがないか見つける
④残った工程の一つ一つを道具や知恵を駆使して短時間でできるようにする

この順番が改善活動の肝だ。ほとんどの場合①~③をやらずにいきなり④にいくから改善しなくていいことまで改善するという現象が発生する。やらなくていいことを改善する時間が一番無駄な時間。まず捨てる⇒残ったものを短時間でできるようにする、これをリーダーがぶらさないようにしないといけない。当然各個人もこの順番で改善業務をする風土にすることは大事。

4 改善後の行動でさらなる副産物を生む

改善によって成果を出しつつ仕事量が減って自分のやることが無くなったとしてもあなたがいらない人材になると恐れてはいけない。ここからの一手が改善でさらに大きな効果を生み出す。やることはその空いた時間でお客様や取引先、また同僚が喜ぶことをやればいい。改善案を実行して組織に根付かせた後は究極のところ自分が何もしなくても今まで同様の成果が出る状態ができているということ。だから暇なはず。暇なのだから誰かに手紙を書いたり、ほっこりする何かをしたりするとよい。これでお客様からのリピートやご紹介が増え、取引先は良い会社だと好感を持ち、社内の雰囲気はよくなる。ここまでやれば改善自体によって時間や経費が減っただけでなく、営業活動以外の自然な思いやり活動で周囲の満足度が上がり収益が上がるチャンスが生まれる。これを現実にすることは本当に難しいことだが、この理論に近づく会社運営ができれば、働きやすく高収益企業を創ることができると私は思う。




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