見出し画像

食べる苦難

3年半患っている摂食障害に関する話をします。

高校2年生の冬に、痩せて可愛くなりたいという思いからダイエットを始めて、1ヶ月で6キロ落としたことがありました。毎日食事をほとんど摂らず、有酸素運動をしたらあっという間に数値が変わりました。
体重自体は減ってすごく嬉しかったのですが、望まない貧相な体になってしまい、その上本当に痩せてほしいパーツは一切変化がありませんでした。

そこで一旦少しずつ体重を戻そうと試みましたが、急激にリバウンドする数値に恐怖を覚えました。なんとか太らぬよう食事をダイエットメニューに変え始め、Twitterでダイエット情報の収集を始めました。


そこからはもう取り返しのつかない日々が始まりました。

太っている見た目を変えたくて、色んなことに取り組みましたが中々効果が出ず。食事の記録を取り、カロリー計算を始め、毎日1kcal単位で計算して毎日1000kcal程度に抑えました。ストレスが溜まり一食食べすぎてしまうだけですごく落ち込んでいました。
そこから栄養バランスについて知り、糖質単位での記録も追加し、糖質も脂質も怖くて取れなくなってしまいました。
生理はずっと止まっていたし便秘も酷かったです。可愛くなりたかったのに全然なれなくて、訳も分からなく辛くて放課後の教室で号泣したことがありました(笑)


高校3年生になっても毎日痩せるため、毎日コツコツ情報の収集と実践を繰り返し、それでも思うようにいかず苦しい日々が続きました。
次第に写真を撮ったり脚を出すことがすごく怖くなって、写真を見返しては落ち込んでいました。
この頃から予備校に通っており、夕飯をコンビニで済ませることが増えたのですが、カロリーに囚われていた自分はまともなご飯を買うことができず、毎日ダイエットメニューを買って記録していました。
コンビニで30分ほど悩んでも何も買えないことも多く、食べたくもない低カロリーな食事を選んで勉強を頑張っていました。

様々な栄養の情報を得てしまったせいで、だんだんカロリーやPFCバランスに限らず食品添加物が怖くなってきます。
サプリメントを何種類も飲み、添加物とカロリーと栄養バランスをクリアしたものだけを口にしたかったのですが、あまりにも難しくて自分の理想通りにはいきませんでした。
外で買えるものが何も無くなってしまいました。その頃とっくに外食はできなくなっていて、よく誘いを断っていました。そのくせどうしても甘いものが食べたくなって置き換えたり、決して良いとはいえない食生活を送っていました。
そんな日々でしたが、受験勉強とダイエットを頑張って、毎日必死になんとか過ごしていました。


ある日1人で出かけ、外で昼食を済ませようと思った際に、何も買えなくてコンビニを1日で13件巡ったことがありました。
その日を境に張り詰めていたものがぷつりと切れてしまって、予備校に通うことが困難になりました。
泣きながら抜け出して一回家に帰ってからもう一回行く、などとにかくめちゃくちゃな日々を過ごしていました。死ぬ気で夏期講習は通い切りましたがどうやって過ごしていたのかもう思い出せません。

受験勉強のストレスと自分が太ること・太っていることへのストレスが相乗効果を産んで、どうしようもなく何も手につかなくなっていました。


進学先が秋には決まり、一旦ストレスが少し減ったのですが、痩せて可愛くなりたいという気持ちは治らず、高校3年生の10月ごろから過食嘔吐が始まりました。ここから3年以上過食嘔吐を続けることになるとはまだ思ってもいませんでした。
ずっと前からこの行為の存在自体は知っていたのですが、ある時ふと試してみたら気持ちが楽になることに気付きました。
空腹に耐え切れずに夜中に沢山食べてしまうことが多く、毎回シャワーの音を流して誤魔化しながら吐いていました。基本いつも2〜3Rの腹筋吐きでした(わからなかったら調べなくて大丈夫です)。チューブは怖くて使ったことがありません。

チューイングも数え切れないくらいやりました。正直吐くより辛いのではないかと思います。血糖値だけが上がっていき満たされない感覚が苦しかったです。
また下剤が好きで、半日何もない日を作って時々飲んでいました。これはそこまで長く依存しなかったので本当に辞められてよかったです。

あまり良い話ではないのでこれ以上の詳細は割愛しますが、ほぼ毎晩夜中にドカ食いして、もちろん吐けない日もあって、どんどん体重は増えていきました。


高校を卒業しても続いたのですが、理解されづらいことは十分わかっていたので、大学では誰にも話したことがありませんでした。
所属していた団体の特性上、体型についてやんわりからかわれることが何度もあって、相手にそこまで悪気がないことは十分わかっていましたが、それでも耐えられないほど落ち込みました。
卒業して2年経ってようやく一部の高校の友人に話すことができたほどです。


ただ、そんな自分にも転機がありました。

特にきっかけはなかったのですが、突然「これ以上努力することをやめよう」と思い立ちました。急に完璧主義な自分に嫌気が差して、全てをやめようと考えました。
何をしても過食嘔吐をやめることができなかったため、いっそのことそんな自分ごと受け入れようと思った瞬間があり、その時頑張っていたことの全てを一旦辞めました。毎日計画を立てることを辞め、学校は誰にも連絡せず1週間休んで、教習所もしばらく休みました。
ただの怠惰だったのかもしれませんが、この行動がかなり効いてそれ以降はかなり楽になって、また動き出せるようになりました。
過食嘔吐という行為に及んでしまう自分自身のことを受け入れることで、敢えて「ストレス発散の行為」として昇華させました。
案外それがうまく働き、以前よりも断然自分の中でのコントロールが利くようになりました。


また、高校卒業間近に出会った全く同じ境遇の友人のおかげで、お互い励まし合いながら乗り越えようと頑張ることができました。
大学2年生の1番辛かった時期には摂食障害の病院を紹介してもらうなどしていて、結局病院に行く勇気はなかったのですが心強い存在でした。


本当に少しずつですが頻度が減っていき、執念も前ほどはなくなり、大学3年生になってしばらく経った今、ようやく全てを手放せたように思えます。

ただ高校生の時から体温調節が上手くできなくなってしまい、異常なほど寒がりになってしまったり、数ヶ月に一度割り切って「この日は食べるぞ!」というリセットの日を設けないといけなくなりました。どうしようもない突発的な過食で腹痛や吐き気に襲われ休んでしまうことも多かったです。

未だに外食が本当に苦手で、慣れていない人の前で食べるご飯は全く味がしないです(笑)これは摂食障害とは別問題なのかもしれませんが、以前までは気にしたことすらなかったです。
何とか元気に楽しく生きれるようになり、本当に辛かった日々の「痩せたい」という一心で行っていた無闇な努力も、きちんと認めてあげたいなと思いました。


拒食、非嘔吐過食、過食嘔吐、チューイングの全てを経験しました。食の苦難はずっと続いていきますし、完治はすでに諦めました。
それでもここ数ヶ月はようやくまともに過ごせているので、食に限らずさまざまな面でも追い込まない生き方ができるようになりたいです。

同じような事で悩んでいる方がいたら、一旦頑張ることを思い切って諦めてみてほしいなと思います。案外執念が消えて、解放されるものがあるかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?