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政治家が『科学』を語り、科学者・研究者が沈黙するのは何故か?

 これほど『科学的根拠に基づき…』と語られる場面が近来に無く多いのである。
 しかし、このように『科学的根拠に…』と主張しているのは、ほとんど政治家や(意味は不明だが)一部の政治評論家を自認する人達ばかりなのである。
 諸外国から見れば(遠方にあって影響をほぼ受けない国は除いても)、
IAEAなる事務局長が語るだけで、日本国内の研究者達、科学者を標榜する人達の発言が表向きの報道に現れることは極めて稀であり、このような事態こそ、純粋に科学をベースに議論できる人達が大いに論ずるべき時であろう。
 さもないと、政治家を数十年、いやもっと長期間政治にしか携わっていない人達ばかりが『科学的根拠…』と力説するのを聞いていると、日本人ならずとも、『(単なる)受け売り知識』の政治家やいささか怪しい評論家の人達が勇ましく主張している国は異様であろう。
 基礎科学や地味だが研究を積み重ねてきた研究者に与えられる研究費は長期にわたり削減されて、一部の限られた研究者にしか配分されない『怪しい予算』に嘆くだけであろう。
 怪しい予算に応募しても、決定権は『政治・行政』に委ねられているので当然に選択基準は(一見中立を装う選定基準の分からない)『有識者会議』なるもので、ロンダリング(選定洗浄)が行われて手続に違法性は無いとばかりに、結果的には恣意的な研究テーマが選ばれる。
 有識とは有色としか見えないのである。
 研究者にはタマッタものでは無いのである。
 敢えて、政策に異論を唱えることを勇気を出しても、
 『モノ言えば唇寒し…』
となる。
 こうなると、ご都合主義の研究者たちが言葉巧みに、政治に『真摯に寄り添った』結果として主役になる。
 長年にわたり日の目を見なかった研究者や研究テーマが時流に合うとばかりに『図に乗る』のである。
 すでに我が国も科学や未来指向の研究には出る幕が無く、テーマはともかく、科学や研究の根本的思考や理想を持たないサラリーマン研究者によって占められてきた。
 まさに、『悪貨が良貨を駆逐した国』となった。


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