見出し画像

私は三島につくられた

この記事は「三島に関わる人達アドベントカレンダー2020」12月1日の記事です。
静岡県東部の三島市の魅力を伝えるべく、三島に関わる人達24名が、『私の三島での2020年』というテーマで綴っていきます。
杉崎亮慈
株式会社三島美装 代表取締役社長
NPO法人みしまびと 副理事長
三島商工会議所青年部 監事

絶対という言葉はない。

ただ、この数年、地域活動をしていて、絶対と思えることは、「まちづくりは人づくりだ」ということである。言い換えると、人が成長することによって、まちも成長するということでもある。

R2.12.1涅槃像的写真

突然だが、私は寝ることが大好きだ。家にいるときは20時には就寝することもあり、お酒が入れば、すぐ寝てしまう。人の成長に睡眠は欠かせないが、私は45歳で、すでにおじさん、、、。この睡眠が私を成長させたのではない。

三島のまちづくりに関わることで、私自身が成長し、つくられたのだ。

三島で生活をしていて、地域活動をするということは、私の生活スタイルの中の一部であり、それなしでは考えられない。また、地域活動において、所属する「NPO法人みしまびと」と「三島商工会議所青年部」の団体での活動をなくしては、語れない。

▼ NPO法人みしまびと

▼ 三島商工会議所青年部


NPO法人みしまびとでの2020年

2020年、新型コロナウィルス感染拡大に、日本中、世界中が翻弄されながらも、私たちは生活していく中で、いろいろな決断をしていく。自身の会社やまちづくりにおいても、行動こそが一番の価値を生むと思っていたが、行動をしないことを決断しなくてはならなくなった。

自粛期間中は、所属している「NPO法人みしまびと」の活動拠点である「みしま未来研究所」においても、活動しないことを決断しており、ただ単に、行動しないことを決断するということにも、人それぞれ意見があり簡単ではなく、様々な多様性に触れる機会にもなった。

画像3

また、活動自粛期間が解けたあとどう行動するかにおいても、難易度の高いいくつもの問題を、正解がわからない中、答えを出すという難しい作業があった。

感情論にならず、でも思いも交差させながら、論理的に客観的にリスクヘッジしながら、答えを出していく、その仲間たちとの意見交換が、学びの多い時間となった。

「みしま未来研究所」では、こんなにも素晴らしい仲間に出会え、その拠点にはいつも恒常的に仲間がいる。そんな状態を当たり前に感じている自分がいるが、それはもっとも贅沢であり、他のまちを知らないので比較できないが、すごく良いまちなのではないかと感じる。

画像6

地域活動によって、事業をしつらえること、理事会において課題を解決すること、新たなことを打ち出すこと、これらのことによる成長や、会社での悩みや課題があってもすぐに相談できる多種多様な仲間がいる状態を作れているこの拠点があることは、私の成長になくてはならないものである。

先日も、月並みではあるが学生との交流事業が行われた。

最近、みしま未来研究所の「Café & Bar Blooming」にちょこちょこと顔を出す学生達がいる。

▼Café & Bar Blooming

コロナの影響下で大学が開かれず常にウェブ上で講義が行われ、彼らは大学生活で最も楽しいであろう仲間とのキャンパスライフができない状態である。その学生に「交流事業をやってみなよ」と声をかけたところ、快諾してくれて、3人程で企画を始めた。

ちょっと大きい飲み会を開くという感覚だが、みしま未来研究所がある意義を理解しながら、実施する「目的」を明確化し、声をかける参加者に意図を説明し、参加を促す。そしてコロナの感染対策をし、お好み焼きを焼いて食べるという交流会の企画である。

その中で参加者集めや、材料の購入、下ごしらえ、会計処理、司会進行と、小さな成功体験を感じてもらいながら、単なる交流会に、意義あるしつらえをするという大変さがあり、良い達成感を味わっただろうと感じる。

画像2

最近では、学生達もみしま未来研究所の会員になり、同じ仲間として、運営に関わり、大学生がすでに地域づくりに関わっているのである。私の遊びほうけていた学生時代とは雲泥の差であり、本当にこの地域の未来をつくる人だと思う。

このみしま未来研究所では各人がいろいろな体験をしながら成長し、いろいろな「こと」が起こっていく。それに携わりながら、また側面で応援しながら、各人の各企業、学校など目に見えない世界でそれが役立たれていくのであろうと思う。

みしま未来研究所には「地域のベースアップ」と「トップランナーの輩出」という二軸の実現したいことがあるが、トップランナーになりえる人材が出てくるためには、こういった小さなことからどんどんと行動に移していくことの必要性を感じた。

三島商工会議所青年部での2020年

もうひとつ、本年経験したことは、コロナの影響が色濃く、世の中はまだまだ未知の情報だらけであった5月の初旬、「ドライブスルーマーケット」を企画運営したことである。

特に打撃の大きかった飲食店の友人から「ドライブスルーマーケット」をやりたいと相談があった。各個店がお弁当を持ち寄り、大きな広場で車に乗ったまま、感染リスクを軽減できる形式で購入を可能にするというものだ。

画像5

結果的には構想から5日後の日曜日には実施され、18店舗が参加し800食が完売した。その後も、2回開催され、参加店舗も増やし販売個数も増えていった。

この企画のすごさは、なんといっても構想から5日後には、実行されていることだ。これはまさにこの地域の強さである。

多くは、「三島商工会議所青年部」で培った関係性があったからこそできた産物である。電話一本で、何十人もの仲間へ参加について問い合わせ、飲食店以外の人へ販売・交通整理などの協力を要請し、テント・カラーコーン・机・細かな備品など様々な物を借入れ、SNSでの発信、行政への相談・手続きを行うなど、一つの企画を実施するには、意外と労力を使う。

しかしながら、最初3名ほどで中心的にやっていたことだったが、関わりが広がり、それぞれができることを責任もって主体的に事を進めていくようになり、勝手に中心が広がり、また変わっていったのである。結果的に、いとも簡単に無理なく運用されていった。もちろん中心的にやった方々の労力は大変なもので、過去のまちづくりで培った能力が高く、それらが活かされたのだが、やりきったあとの達成感は、何物にも代えがたいものだった。

画像6

地域で困ったときに、やろうと思ってやれる仲間がいる。やるにはどうすればよいかの方法がわかり、また、それをやろうとする自分が今ここにいる。そんな状態は、この5~6年の地域活動を始めてできた状態である。言い換えれば、5~6年前はそんな状態でなく、仕事でも何かの課題を解決しようとしても方法がなく、どうしたらよいかわからず、もっというとそんな考えをえがく土壌すらなかったのである。

まちづくりは人づくりだ

今では、私にとっては「三島商工会議所青年部」や「NPO法人みしまびと」というすばらしい器がある。そして大切なのは、その器の中身である素晴らしいさまざまな能力のある人と活動でき、いつでも情報をもらえ、また相談ができる状態にあることだ。

今後も、その一人一人が、仲間のために、地域のために動こうとするか、そう思う人をいかに増やしていけるかが、その地域の強さになるのだと思う。そういう若い人が大勢いる状態であれば、「ドライブスルーマーケット」のような緊急性・重要性の高い地域課題をも、いとも簡単に実行でき、必然的にもっといいまちになっていくと思う。

しかしながら、その裏には、その事業をしている若手だけでなく、この地域の先輩方や行政が、やろうとしている若手に実に寛容であり協力的である、ということを忘れてはならない。

かつて、私の学びの中心は、家族や会社の上席である父親、仕事上の付き合いの同業者であり、そこでいろいろなことを教わったが、今は、この地域で出会った先輩や仲間によって、新たな学びの機会を得た。刺激的で、向上心のある人々が、常に周りにいること。そのことによって人生観も変化し、より豊かな生活スタイルを手に入れることもできた。

そして、こうした土壌があったため、2020年コロナの影響下の中でも、思考が停止せず、アグレッシブな考えができ、自身も自身の企業もより成長できたと感じる。

私自身がこのまちによってつくられたといっても過言ではない。

まさに、「まちづくりは人づくりだ」

まちづくりによって作られた自分や、成長させてもらえた自分が、それを会社に持ち帰り、自分の企業に成長を生み出し、雇用を生み出し、この地域の人のためになる企業に成長させる。それこそが、まちづくりであり、人づくりだと私は思う。

2021年も、それぞれの団体の活動指針である「地域の未来をつくる人をつくる」「行動こそ時代を先駆けるべき青年の責務」との言葉のもと、楽しい仲間たちと、このまちをつくり、このまちで豊かに住み続けていきたい。そして、その結果、このまちと一緒に自身の会社を発展させたい。


令和2年12月1日
杉崎亮慈


***


この記事が参加している募集

この街がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?