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仏都会津の礎・法用寺

美しい三重塔があることで有名な法用寺(ほうようじ)。
新年の伝統行事「へびの御年始」が行われる高田地域 雀林(すずめばやし)地区にあるお寺で、入り口の門には行事で使う藁の蛇がかけられています。
2020年、開基1300年を迎えた仏都会津の象徴です。

天台宗の古刹

法用寺は会津三十三観音の第29番札所で、会津の中では2番目に古い寺院。
720年に創建されまたしたが一度焼失してしまいます。その後、奈良からやって来た法相宗の高僧・徳一(とくいつ)によって現在の場所に再建されました。
敷地内には神社もあり、神道と仏教がひとつのものとして信仰されていた神仏習合の名残りが見られます。
神社へつながる階段はかなり急なので、足元の悪い日はお気をつけて。

春は虎の尾桜(とらのおざくら)が淡い花を咲かせ、秋にはイチョウの葉で境内がきはだ色に染まります。さまざまな種類の菊が集う法用寺奉納菊花展も開かれ、四季の移ろいとともに観音堂の景色を楽しめますよ。

また複数の文化財を保有しており、平安時代につくられた2mを超える木造金剛力士立像(国指定重要文化財)、雪国には珍しい法用寺三重塔(県指定重要文化財)などがあります。

きりりとした立ち姿にうっとり

法用寺三重塔は会津に現存する唯一の塔で、江戸時代中期(1780年)に完成しました。3つの屋根の大きさに差がなく、20m以上のすらりとした風姿です。

細身ながら揺らがない堅牢さが伝わり、寒くて縮こまっていた背がぴんと伸びました。わずかに反った屋根の角が、さらに三重塔を凛と引き締めているようです。
規則正しく組み合わさった、たくさんの木材には感嘆のため息がこぼれます。江戸時代に人の手だけでつくりあげた技術力には、恐ろしさすら感じるほど。

三重塔の前からは、高田地域を見渡すことができます。前を見ても、後ろを見ても絶景に挟まれる贅沢なスポット。
歴史やお寺巡りがお好きな方に、ぜひ足を運んでいただきたい場所です。

アクセス情報 : 法用寺

〒969-6274
福島県大沼郡会津美里町雀林字三番山下3554
駐車場有り

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