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会津の郷土料理「こづゆ」つくってみました。【レシピ付】

こづゆは福島県会津地方の郷土料理です。発祥は武家料理だといわれています。
帆立の貝柱やしいたけ、きくらげ、にんじん、里いもなどたくさんの具材が入った豪華な汁物。
お正月や冠婚葬祭など、人が集まる場にはかかせません。

「こづゆ碗(手塩皿)」という、こづゆ専用の会津塗の器もあるほど地域の人に親しまれています。

乾物が多いのは、会津が海から遠く、雪深い地域だからだそう。
スーパーでも鮮魚より干物や冷凍の魚介類コーナーが豊富です。
具材に根菜や山菜が多いのも、山の幸がふんだんにある会津ならではのように感じます。

こづゆを求めて

「会津の郷土料理だったら、どこでも食べられるんじゃない?」
つくるのが大変なら食べに行けばいい。
最初はそう思っていました。

しかし、意外にもこづゆを提供しているお店が少なかったのです。
観光客向けの割烹でしか見たことがなく、高価な具材を使っているから仕方がないのですがそこそこ値段もはります。
あまりにも見かけないので、もしかしてすごく手間暇がかかるのでは……と自分でつくるのを尻込みしていました。

でも、もう会津の冬も3度目。
時間のありあまったお正月、食べる時期もぴったりです。
ちょうど年末年始を友人宅で過ごすことにもなり、せっかくだしつくってみようと腰を上げました。

年の瀬に料理から学ぶ

いざ、材料やつくり方を調べてみるとやっぱり大変そう……。
とりあえずスーパーに向かうと、なんとこづゆをつくるためのセットが売られていました。
必要な具材もわかりやすく場所にあって、買い物はすいすい。

つくってみると、個人的にカレーやシチューより楽なのではと感じるほどでした。
貝柱や干ししいたけ、乾燥きくらげを一晩水に漬けるため、思い立ってすぐにはつくれませんが、一番時間がかかるのはその作業。

つくる当日は具材を切ったり、下茹でしたりするだけで、40〜50分もあれば完成すると思います。

あれこれ考えるより、やってみたらわかることがたくさんあります。
ネットや本で調べて知識を得ても、実践しないと本当にそうなのか、自分の考えはあっているのか判断できません。

こづゆづくりから、学びの深まった年末年始でした。
レシピはこづゆをつくるときの参考にしていただけたら幸いです!

◎こづゆのレシピ(4〜5人)

材料
干し貝柱 30g 
干ししいたけ スライス10枚
乾燥きくらげ 8g
しらたき 150g
にんじん 1本(小)
里芋 4個
ぎんなん(パウチ) お好みの量
白玉麩 お好みの量
醤油 大さじ2
酒 大さじ2
みりん 大さじ1
塩 少々
※具材を奇数にすると縁起がよいといわれます。三つ葉やわらび、たけのこ(地竹)を入れるレシピもありました

下準備
前日、貝柱としいたけ、きくらげを水に一晩漬ける
貝柱としいたけの戻し汁は捨てずにとっておく

一晩水につけたもの。貝柱の香ばしい匂いが強い

つくり方
① 里いもを一口サイズ、にんじんを銀杏切りにする
② 鍋にお湯を沸かし、沸騰したら里いも、にんじんを入れて10分煮る(下茹で)

里いものぬめりやアクが取れます

③ しらたきを3cmほどに短く切り、沸騰したお湯にくぐらせて、ざるに上げる
④ 白玉麩を水に漬けて戻しておく
  ※直接、鍋に入れるより麩がしっとりふわふわに仕上がります
⑤ 貝柱をほぐし、きくらげを手でちぎる
  貝柱としいたけの戻し汁に水を加えて1ℓの量にする
⑥ 鍋に戻し汁と貝柱、しいたけ、きくらげ、しらたきを入れて、中火で煮る
  沸騰したらアクを取りながら弱火で10分煮る

吹きこぼれないように注意

⑦ 醤油、酒、みりんを加え、里いもとにんじんを入れたら中火で5分煮る
⑧ 塩で味を整え、水気を絞った白玉麩、ぎんなんを入れてさっと煮たら完成

できあがり!

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