みさと

ぼんじりとレモンサワーが好きなひと。 普段はライター。 ここではゆるっとポエムを書く。

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エスカレーターと、おじいさん。

平日朝の銀座駅。 いつものようにエスカレーターに乗ると、普段とは少し様子が違うことに気付く。 エスカレーター右側の、いわゆる「歩行者用レーン」が詰まっているのだ。あれ?と思い視線を上げる。渋滞の先頭にいるのは、70代くらいのおじいさんだった。 右側は急いでいる人のために空けておく、という暗黙のルールが分からなかったんだろうな…。しょうがないしょうがない。 そう思いながら右列をチラリと見ると、明らかに苛つくサラリーマンの顔がある。頭を横にずらして前方を見上げ、睨みつける

    • バンコクでぼったくりに遭った日

      「タイ料理を現地で食べてみたい!」という理由で、バンコクへと旅立った7月。約3週間の旅は、トムヤムクンの出汁くらい濃厚だった。 いやほんと、現地で食べたトムヤムクンが、言葉を失うレベルで美味しかったんですよ。早速だけど、まずは食について語らせてほしい(笑)。 1年かけて煮込んだの?っていうくらいの海老のコク。しかもそれが、個人経営のお店で、不機嫌そうなおばさんによって提供されるんだから、最高なのだ。「私は美味しいものを作る。あんたはそれを食う。以上だ」と言わんばかりに、接

      • 業務委託なのに、「よそ者」じゃなかった。

        お手伝いしているoverflowという会社がありまして。その会社がね、びっくりするほど雇用形態の垣根がない。「複業」を推進している会社で、業務委託の方もいっぱい働いているんですね。私もそのひとり。 業務委託なのに、なのにって言ったら変だけど、1on1もしてもらってて。自分のWILLや悩みもフラットに話せて、すごく大事にしてもらっているなと日々感じていました。業務委託って、時間やスキルの切り売りだと思っていたから、こんなにまっすぐ向き合ってくれるんだと正直驚いちゃった。 で

        • PRと、20年の終止符と、築地の夜。

          【このnoteはマンスリーホテルさんからご依頼を受けたPR記事です】 きっと思ったことでしょう。「PR?インフルエンサーかよ」って。 わたし、ただのフリーランス。有名人でもなんでもない、ただのライター。そんな一般人中の一般人が #PR っちゅーやつにはじめて取り組むことになった今回。Twitterのbioに「ホテル暮らし」って書いてたら、お声をかけてもらったんです。見つけていただき、とっても嬉しかったです。 でさ、最初にすっごく正直に言っちゃうんだけど。いつも思ってたん

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        エスカレーターと、おじいさん。

          元彼と会った日のこと。

          五年前に別れて以降、一度も会っていなかった。 「星野源結婚したけど、お母さん平気?(笑)」 逃げ恥婚が発表された日。元彼のお母さんが星野源ファンだったことを急に思い出して、なんの下心もなくLINEを送った。 「よく覚えてるね(笑)」 数回のレスポンスで静かに終わる会話。私たちの距離感は、居心地のよい遠さだった。 「近いうち飲み行こう」と連絡をくれたのは、彼のほうだった。私にまだ好意があるなんて、そんな勘違いをするピュアさもない。なんとなく、本当になんとなく、飲みたい

          元彼と会った日のこと。

          結婚に興味がない彼【全肯定相談室】

          ライターのみさとです。週末に、こっそり相談室を開くことにしました。この相談室の特徴は、どんなあなたも全肯定すること。ぜひ、安心してお話ししてくださいね。 では、初回のご相談内容を見てみましょう。 4年同棲している彼がいるんですが、結婚に興味がないようです。女性からプッシュするほどプレッシャーになるような気がして、なかなか話題に出せません。 結婚前に同棲したらダメ。ダラダラしてしまって結婚のタイミングを逃す。 結婚前に同棲しなきゃダメ。交際と結婚は全然違うから生活の相性を

          結婚に興味がない彼【全肯定相談室】

          ストロングゼロを飲んだら空を飛べた話。

          二日酔いには五苓散という漢方がオススメです。これを飲んでしばらく横になるとかなり楽になります。なんの話。で、今日はこのツイートの件。 午前10時。痛む頭をいたわりながら、ぼーっと天井を眺めていた。カーテンの隙間から洩れてくる土曜の光が眩しくて、そっと隠して、部屋を暗くして。聞こえてくるのは自分の呼吸音と空気清浄機の稼働音のみ。晴れた休日に、一人でベッドに横たわり、アルコールの分解を待つこのつらさよ。繰り返す悪しき体験。でもこれは、昨晩が楽しかった証拠でもあるからよい。 と

          ストロングゼロを飲んだら空を飛べた話。

          HSPだけど、それでもいっかな。

          「HSP」が広く知られるようになった。私が最初にこの言葉を知ったのは4年前くらいだっただろうか。チェックリストを終えたあと、「完全に自分じゃん」と笑った。 「HSPです」って名乗るのは、自分を型にはめすぎている感じがしてなんとなく避けてきたけど、今日はそんな切り口で書いてみます。 思えば昔から繊細だった。小学校低学年の頃、騒がしい教室の中で「先生困ってるな」と感じ取り、1人静かに前を見る子だった。相手がどう思って、どうしてほしいかが自然と分かった。大人からはいい子に見えた

          HSPだけど、それでもいっかな。

          運動嫌いの大食いが痩せた唯一のダイエット法(後編)

          本作は、プロローグに続く実践編です。ぜひ前編から読んでみてください。 念の為お伝えしておきますが、執筆者はあくまで一般ピーポーでありダイエットに関する専門家ではありません。健康を害すことのないよう、参考程度にご覧くださいませ。 それでは、私がこの2ヶ月で取り組んだことについて紹介していきます! SNSでダイエットアカウントを開設する「早速どゆこと!?」となった方が多いかと思いますが、ぼんれもんダイエット(今命名した)ではまずこれから行います。 新しいことをスタートする

          運動嫌いの大食いが痩せた唯一のダイエット法(後編)

          運動嫌いの大食いが痩せた唯一のダイエット法(前編)

          運動きらーい。ラーメン焼肉甘いもの大好き。とりあえずお酒飲みたい。とりあえず締めのラーメン行こう? 完全なるデブ脳。完全なるデブ習慣。デブ偏差値70超え。 本作では、そんなデブ界の優等生が2ヶ月で7.5キロ痩せた方法について書きます。タイトルがなんだか怪しい情報商材みたいになっていますが、実際の内容も独自性が高くて怪しいです。専門家の意見じゃないのでゆるい気持ちで読んでください。 そこそこイケてたのにデブ優等生になった私最初にこの写真を見ていただけますか。 こちらは2

          運動嫌いの大食いが痩せた唯一のダイエット法(前編)

          モテるより、たった一人から好きと言われたい。

          大学生の頃、「スイーツパラダイス」というデザートビュッフェのお店によく行っていた。チョコケーキ、プリン、ソフトクリーム…甘い物好きの私にはたまらないラインナップだ。ケーキは十個ほどペロリといく。何個でも食べていいという贅沢に酔いしれ、甘ったるい快に溺れるだけ溺れる。 と思ったのもつかの間、美味しかったはずのスイーツは、段々と食欲ではなく義務感から口に運ぶようになる。最終的には後悔の念が渦巻くのだが、それでもなぜか、懲りもせずまたスイーツパラダイスに行く。砂糖に操られた人

          モテるより、たった一人から好きと言われたい。

          置かれた場所で咲きたくなんかない。

          25歳の夏、仙台で大学職員をしていた私はとうとう退職の意を固めた。揺るぎない決断だった。職場の信頼する先輩に打ち明けたところ、それはもう驚くほど反対された。やむを得ない事情もなく自己都合で辞めた人は過去十年で一人もいないという。長期休暇も自由に取れるし、残業はほぼなく、給与制度もいい。たしかに辞める理由など特にないのだろう。でも私にとってそこは重要な要素ではなかった。超保守的な環境を飛び出して、上京し、新しい仕事にチャレンジしたいという思いを、もう隠せなかった。 先輩から届

          置かれた場所で咲きたくなんかない。

          幸せになりたいから、東京を舞台に生きていく。

          ーー幸せってなんだと思う? この質問を投げかけられた場所は、0時過ぎのバーカウンターではない。晴れた土曜の真昼間、移動中のタクシーである。好きなラーメンは何か聞こうと思った矢先に突如投げ込まれた質問に、驚きつつもニヤリとする。こういう会話は大好きだ。からだのどこかにあるスイッチがオンになり、「待ってました」とばかりに目が輝く。 ーー幸せってなんだと思う?というかまず、どんなときに幸せだと感じる? 真っ先に思い浮かんだのは「好きなものを食べているとき」という言葉だったが、

          幸せになりたいから、東京を舞台に生きていく。

          「ラブホ」を契約更新した話。

          友人彼氏を家に招くと驚かれる。6.5畳の私のお城にはカビゴンのようなベッドが鎮座している。そのサイズ、なんとクイーン。部屋の半分、いや、3/5くらいがベッドだ。 「ラブホじゃん」と友人がからかう。「いや、ビジホって言って」と苦笑したが、たしかにどちらかというとラブホだ。ベッド、バリ風だし。大きなベッドで寝たいというワガママを叶えるにはちょっと無理がある広さだったが、なんとかギリギリ収まってくれた。 「ラブホ」のような私の家は、ビジネス街にほど近く、伝統的なお店が数多く並ぶ

          「ラブホ」を契約更新した話。