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建築におけるミニマルとノイズ(前編)

「猫は気持ちいい場所を知っている。」

それは人間も同じ。私達は本能的に気持ちのいい場所を知っています。
完璧に(例えばミニマルを極めたような)つくられた空間よりも、ノイズ(それも気持ちのいいノイズであるべき)が多少含まれた空間である方が本能的にくつろげると思います。

さて、【建築の専門用語をわかりやすく】シリーズ。
第二回は『ミニマルとノイズ』です。
それは建築用語なのか??というツッコミは華麗にスルーするとして(すみません)建築におけるミニマルとノイズについて書いてみます。

ミニマルにつくるということは建築家にとっては、ほぼスキル(とある程度のセンス)の成す技です。
ミニマルにつくるということにおいて、建築家の中でほぼ共通認識となっているのは『できる限り線を消す』ということです。
これは建築の仕上がりで目に見える線を消すということを指します。

わかりやすい例でいうと『ドアや引き戸の枠を付けない』『巾木を付けない』等です。(巾木というのは床と壁の間についてる部材のことです。)

なんだ、ただ付けなければいいだけじゃないか。

と思われるかもしれませんが、枠や巾木については相応の理由があるからついているのであって、それを無くすからにはディテールの工夫などによってその理由を補わなければなりません。

例えばドアの枠。
これはドアを閉じるときの戸当りになることだったり、隙間ができて空気や光がもれることが無いようにする、等といった機能があります。
(これらを解決するために施主の知らぬ存ぜぬところで私たちは頭をひねらせているわけです)

それって本当に必要なの?

普段無意識に存在しているノイズを必要なのか自問自答しながら設計していくこと。
これが建築家の意識している『ミニマル』です。

ただしノイズの中には『心地よいノイズ』というものもあります。
『悪いノイズ』と『心地よいノイズ』。その違いとは何か。
そこには『余白』というキーワードも関わってきます。
長くなりましたのでこの話は後編に書きます。

それでは皆さん良いお盆休みをお過ごしください。

私は久米岬建築設計事務所(個人の設計事務所)とジーマーミーアーキという3人組の建築家ユニットの2つを拠点として活動しています。個人の方は現在ホームページを作成中です。ジーマーミーアーキはプロフィールにリンクがありますのでよければ覗いてみてください。

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