9 ティブロン(サメ)お兄ちゃん
バラコアに到着した翌日。
歩いていける近くの海へ行ってみました。
浜辺を歩いていると、直立不動で変な声で話しかけてきた人がいました。
私たちはその人の顔を見ることもなく、無視。
彼は手には何か魚のようなものを持っていました。
その数時間後。
街の中心地でインターネットを利用していると、ロープに括りつけられた魚が通っていくのが視界に入る…
え⁉ これサメじゃん!
びっくりして顔を上げると、そこに居たのは、ビーチで声を掛けてきたあのお兄さん。
なぜサメ?
彼は一人で楽しそうに何かを話していました。
その後、私たちはほぼ毎日というぐらい、町で彼を見かけました。
いつも一人でいて、遠くから私たちに挨拶をしてきたり、「花!」と言って小さな花をくれようしたりしました。
バラコア最終日のこと。
周辺を散策していると道の角にそのお兄ちゃんの姿が見えました。
すると彼は私たちに気付き、慌てて隠れます。
なんだなんだ!?笑
きっと何かあるだろうと思い、ビデオを回してその角まで歩き続けます。
するとお兄ちゃんは角で私たちを待ち伏せしていて、突然目の前に飛び出してきたのです!
「Flower!!!」
彼はそう言いながら小さな花をくれました。
次に彼は、「Tiburón!(サメ)」と言って頭を見せてきました。
なんの話だ? と思いながら、頭をよく見ると
サイドの髪がサメの絵に刈られている!!
一体どこまでサメが好きなんだ。
すると今度は走ってどこかへ……。
と思ったらすぐ近くの建物の陰に隠れている。
なんだか彼の行動が可愛くて思わずこちらも笑顔に。
これはいい思い出だと思い、一緒に写真を一枚撮りました。
すると彼は私の頬にキス!
一緒にいた友人が「キャ~」と言うと、彼も「ワー!」と叫ぶ(笑)。
その後、彼はスキップしながら、道にある植木の花に触り「Flower~」と言いながら去っていきました……。
その日の午後、お店で水を買っていると、店の外からお兄ちゃんの声が。
お店の人に、「彼、変わってるよね」と言うと、「本当におかしいよ。」というまさかの返事が。
ん〜。もしかすると、何かしらの障害を持っているのかもしれません。
だからこそ、素直で優しくてお茶目な感じが自然に出ていたのかな…。
あの後、大きなハリケーンがバラコアを襲い、街は酷く荒れたけど、、、
今も元気にサメと花と暮らしているだろうか…
つづく
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