さびしすぎて『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(永田カビ)を読む。
本屋さんの女性向けエッセイコミックの本棚で、平積みにしてあった本書。
心と体とセクシュアリティについて興味津々のわたしにとって、ずっと気になっていたけど、買う勇気?レジまでもっていく勇気?、、、とにかく、買うまでの一歩が起こらなかった。
BLの本を書店で買うのも、最近、なくなった私。いや、恥ずかしくないはず、と思いながらも、買うまでの一歩が・・・(笑)。
数日前、感情の暴発により、彼氏にいや~な感じの重苦しいLINEを送り、自己嫌悪に陥り、自分はたださびしいだけだと気づき、こんな時のマイ応急処置の方法、⇒「ネットコミックで、気になる漫画を読む」を実行。
ふと、この本を思い出して、検索。興味本位でポチる。
週刊誌にのってる三文ポルノ小説なみの興味に近かったけど、内容は、いやはや、ぜんぜん、まともというか。
これは、心の問題ですな。完全にテーマは、心のこと。それが体にいかに影響を深くおよぼしているか、という、話。
あと、自己愛、自己受容、自己肯定観の話。
レズ風俗に行くのも、たださびしい感情を募らせた結果であり、異性に興味はもてず、恋人いない歴=年齢の、引きこもり&ニートで、だれとも繋がれない孤独な女の子の物語なのです。
性的行為が、ただ欲求や欲望を満たすことよりも、
実は精神的な充足、幸せ感、愛されている感覚、自己受容、ぬくもりや安心感を交換し合う行為であるという、そんなシンプルなことを直球で考えさせられる。
結局、肌の触れ合いを通して、人と人との愛されてる感の交流なんだな~と思った。それが一番大事なことだったりするのだと。女性は特に、その感覚が欲しくて、求めるのが大きいのかもしれない。
そうとわかったら、簡単なんだけど、どんな相手ならば心が開けるのか。またどんな相手だったら、そういうことがしたいのか、可能なのか。そんな現実問題もあり、そして、理想の相手と思ってしても、タイミングだったり、自分の心や体の状態によって、毎度毎度、感じ方も千差万別という、繊細なコンディション問題もあり。
そう簡単にいかないのが、この心と体のテーマの面白いところ。
わたしはよく、知り合いやちょっとした友達と話してて、夫婦のセックスレスやなんかの悩みを打ち明けられたりするのだけど、いつも思うのは、セックスしなくてはだめですか?ということ。
その人たちの痛みやつらさも共感しつつ、だからこそ、まず、もっと手前のことからでは?と思う。
手をつないだり、マッサージだったり、イチャイチャだったり、高校生みたいに一緒にテレビゲームに没頭したり、ちょっと手間なご飯作ったり、お風呂に入ったり、散歩に行ったり、たまのプチデートだったり、そんなでもいいのでは?と。
その先の「営み」ではないのかなと思ったりする。
話を聞いてると、どうもそういうのもなくて、本番がないことを深刻に悩んでる感じが多い。
とはいえ、自分がセックスレスになったとき、どんな風に感じるかは、ちょっとわからない。悩んだり、へこんだりするかも。そして、ゲスな不〇?に走る?。割合、行動派なわたしは、よくわからない。
あんまり辛そうだと、「心の中で浮気してみれば?雰囲気が変わって、旦那も気づくかもよ。そして、へたすれば、その先も・・・」と極論のことをサクッとアドバイス。だって、それくらいに、夫もひどい場合もあるから。
どんなに年を重ねても、女性は女性だし、もういいわ~って人もいれば、まだまださびしい~って人もいる。どちらもオッケーな気がする、その人らしく潤っていれば。
『風俗行ったら人生変わった』なんて本もあったけど、あれの女性版なのだろうか。あっちの本は未読なので、比較できないのだけど。
閑話休題。
永田カビさんの実体験エッセイコミック、面白かったので、これからも見守りたいな~と思った。正直に赤裸々に描くことによって、色んなテーマが盛り込まれている、良質な私小説コミックと思う。