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大企業の大失敗、それは世間離れした非常識が原因かも?!

大企業は「優秀な人間が集まって素晴らしい商品をつくる」ことができます。しかし大企業は大企業ゆえに、どれだけ世間のニーズから乖離してないかの確認とチェックを見逃しがちになってしまうことも多々あります。

その典型的な企業の一つがシャープです。

シャープは、液晶テレビの先駆者として日本を代表する企業でした。そのシャープの経営はどんどん傾き、最終的には台湾企業の参加に入らざるを得なくなるまで経営悪化が続きました。

シャープの2002年度の液晶テレビの売上高は2兆円、2007年度には約1.5倍の3兆4177億円へと急拡大しました。液晶テレビといえば、だれもが「亀山モデル」というブランドを知るほどに成長しました。

シャープは、亀山モデルの技術力をさらに追求し、他社をリードしました。しかしユーザーから見ると、その技術力は必要ないレベルまでに達していました。それでもシャープは技術開発を止めることはありませんでした。

液晶テレビの解像度は目が認識できる範囲をはるかに超えるほどの高性能化しましたが、消費者側からすると、どのテレビを買っても同じに見えたのです。

結果として、シャープの液晶テレビは、競合製品との差別化されることもなく、消費者の購買意欲は価格によって決定されるようになりました。液晶テレビの国内シェア80%を占めていたシャープですが、最終的には赤字に転落し台湾企業に救済されるまで堕ちてしまい、ブランド崩壊しました。

このシャープの大失敗から学ぶことは、「商品開発はユーザーが求めているレベルまで、それ以上は不要」ということです。特に技術者をたくさん抱えている大企業が陥りやすいところです。

商品開発が「企業(技術者)がユーザーに何を提供したいのか?」ではなく、「ユーザーが商品にどこまで求めているか」をしっかりと掌握しておくことが大切です。商品は、ユーザーから見ればその他大勢の商品と同じです。だからこそ、大事なのは、「ユーザーは何を求めているのか」を忘れないことです。この当たり前のことが、大企業にいると失念してしまうのでしょう。




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