見出し画像

コトバを学ぶ脳

こんにちは、Mireiです。

オーストラリアに来て2か月。日々の生活では常に4か国語が飛び交っています。そんな複数言語が常に頭にある環境下で感じる言葉の習得や特徴についてお話したいてみたいと思います。



周囲に溢れるコトバ

大前提として、私の語学力と現在の環境をお伝えします。

第一言語:日本語
細かくいうと大阪弁がネイティブですが、標準語も結構得意です。大阪出身というのがバレないくらいわりと綺麗に話せます。
第二言語:韓国語
ネイティブではないですが、ネイティブ同様に話せます。日常・ビジネスシーンで非ネイティブだと気づかれたことがあまりない程度です。(韓国にて大学卒業・大学院修了、韓国でのビジネス経験あり)
第三言語:英語
Upper Intermediateレベルだと信じたいですが、4技能の格差が激しいです。L/S/Wは(得意ではなく)好きですがRが完全に苦手です。音で覚えた単語・フレーズが多いのでスペルミスも多いです。また英語をちゃんと始めたのが大学からなのでビジネス英語に偏っていて、TOEICのListeningならほぼ満点なのにTOEFLになると5割くらいしか点数がとれないそんなレベル感。
その他:スペイン語
渡豪すぐという事もあり、慣らしでGeneral Englishコースに10週だけ申し込んだんですが、クラスの8割がスペイン語圏の学生。そのため休み時間や学校の外ではスペイン語が飛び交っていて、興味深々に音を拾っています。


日々の生活で、仕事先は日本の企業様への人事コンサルティングなのでもちろん「日本語」で。日々の生活は「英語」で。学校では「スペイン語」のシャワーも。韓国人とは韓国語で。そんな毎日です。

毎日3か国語(+1か国語)に必ず触れる環境の中で、言語間の切り替えであったり、ネイティブと非ネイティブの言語の捉え方の違いなど、面白いなと感じる点がいくつかあります。


脳内にある言語切替えスイッチ

自然に切り替えられる言語

長らく海外居住者で外国語メインの生活を送っていたら、日本語が出てこない!っていう経験をされた方いらっしゃるんではないでしょうか。
または、海外から久々に帰省した時に日本語のイントネーションがおかしくなってて家族にツッコまれるという経験はないでしょうか。

とかく私も経験者です。これらの経験は韓国で学部留学していた時に、日本語⇔韓国語間で起こっていました。当時は、夢も韓国語で見るくらいドップリと韓国語に浸かっていたので、日本語が出てこなかったり、日本語のイントネーションがおかしくなるなどの「副作用」が出ていました。

しかし今回は、日本語⇔韓国語間において、この「症状」が出ないのと、不思議なことに切替えが思った以上にスムーズに出来る感覚があることに気づきました。

もちろん、韓国に住んでいた時よりも浴びているシャワーの量が違うので「症状」が出てないだけでは?と思われるかもしれませんが、個人的には、切り替えの「副作用」が出る一定の波を超えたような気がしています。

例えばなんですが、仕事上では標準語の私ですが、家族や友人から電話があったら、その場ですぐに大阪弁がでます。自然に切り替えが出来るようになっています。これは標準語も大阪弁も「学習」するレベルを超えたために成り立っているのではないかなと感じます。

同じように、大学を卒業した後も韓国語を忘れまいと、日常のすべての独り言を韓国語で行い、日々メモを取るときも韓国語を使う。韓国語で英語を学び、韓国の大学院に進学。SNSや動画・ストリーミングが盛んになってからは韓国のテレビ番組ばかり見ている生活を送ってきたことで、私の中に韓国語が住み着いたのかなと思います。

もちろん韓国語も新語がどんどんと出てきますし、知らない言葉もまだまだあるとは思いますが、それは日本語も同じこと。私の中で一定の「学習レベル」を超えた感覚が芽生えたのかなと。

この感覚になると、その言語の学習が脳に「刺激」を与えることが少なくなる気がします(科学的根拠なし)。言語学習は、脳の活性化に良いと言われますが、脳を使う労力に負荷がかからなくなったことを意味するのかなと感じるのと、他の言語への興味度合いが高まっているもの起因していると思います。


複数言語が同時にきた時の脳内

先日、道を歩きながら、友人(英語非ネイティブ)と英語で会話していた時のこと。

英語で話すにはまだまだ脳内での翻訳が必要なレベルなので、「考えながら話している」状態でした。日本で起きた時の話を英語で描写していたのですが、ややこしいことに、日本で起きた韓国人との対話や状況での出来事だったので、

私の脳内は「日本での記憶(日本語&韓国語)」→ 「文章に変換(日本語&韓国語)」 → 「日英・韓英で翻訳」→ 「言葉にする(音にする)」なステップを踏んでいました。

英語力の問題から、翻訳時に語彙力の無さはありますが、ある程度その状況を描写することは出来ていました。(たぶん…)

ちょうど信号待ちだったんですが、私の後ろに韓国人2名の韓国語の会話と、日本人2名の日本語の会話が同時に聞こえてきたんです。(もちろんそれ以外の周囲の会話は英語です。)

そこで私の脳は完全に「バッファリング」状態になってしてしまい、あまりにも綺麗にフリーズしてしまったので友人に心配されました。数秒後にフリーズが解け、ひとり笑ってしまいました。

日本語と韓国語は会話として脳が拾っていて、英語はまだまだ雑音扱いになっていたので、私もまだまだだなと笑ってしまったのです。要は日本語と韓国語の会話は、意識せずともすっと耳に入ってきてしまうので、気になるような会話だったのか、話しているのに聞き耳を立ててしまったという状況で、英語の場合はこの状況になったことがないことに気づいたんです。同時に日本語と韓国語の両方の会話がちゃんと入ってきていることも興味深かったです。

付け加えると、私が話していた内容が、日本と韓国に関係する内容だったので(悪い話ではなかったんですが)聞かれていたら恥ずかしいなという思いもあって、脳が止まったのかもしれません。

ただ、この状況でもし私の英語が流暢だったら、話している英語がプライマリーになることで日本語と韓国語は雑音になるのか、はたまた全ての音をキャッチして都度バッファリングが起こるのか、興味深くもありました。 


言語習得のアプローチの違い

よく「赤ちゃんが最初にコトバを覚える要領で、言語を学ぶとよい」という話を聞きます。ネイティブと非ネイティブでは言語習得へのアプローチが違うので、ネイティブが覚える要領でやるのが効果的ではないのか。というもの。

私も「文法」ではなく「音」から入るタイプの人間なので、言わんとすることはわかるのですが、果たして大人になってしまった人間に「赤ちゃん」のように学習が出来るでしょうか。

先日、こんなことがありました。
クラスメイトに20歳になりたての韓国人の子がいて、休み時間に他のクラスメイトに韓国語を教えていました。若い時期に初めて接する言語だと、Bad wordsから学ぶ。これよくある光景だと思います。

そこで出てきたのがこの言葉
「뭘 봐」(何見てんだよ!)

「この2文字でそんな意味になるんだね!」と誰かが言ったことに対して、私が「略語だからね」というと、韓国語ネイティブの彼女が「そうなんですか?」と驚きながら尋ねてきました。
「뭘」は 「무엇을」(何を)の省略形で、「봐」は 「보아/보냐」(見てるの?)の省略形じゃないの?と私がいうと・・・
目を丸くして納得した顔をしながら、「今までそんなこと考えたこともなかった」と。

この言葉を聞いて思ったのは、ネイティブの言語へのアプローチは真似をしようにも出来ないということ。日本語だってそうです。日本語がネイティブの私たちが1つ1つ文法を丁寧に細かく日本語を勉強する外国人に今すぐ説明できるかと言うと難しい。(私は出来ない・・・)

考えもしないほど、自然にその言葉を自然な状況で使える感覚は、非ネイティブがいくら喉から手が出るほど欲しくても、得られない。

だからと言って「はいっ、文法しましょ!」という訳ではなく、非ネイティブだからこそ出来る方法で、自身に見合う習得方法を見つけ、実践することが大事ではないかなと感じます。

特に言語習得は、自身のネイティブ言語と似た言語は習得がしやすいと言われています。英語でなかったとしても、日本語ネイティブ者であれば、韓国語やマレー語は似た部分で多いので、入りやすいかもしれません。私もそのひとり。韓国語は文法の並びも似ていますし、単語も似ています。

スペイン語やフランス語などはラテン語が語源の言語で、英語も同じくラテン語が語源なので単語や構成が似ています。なのでヨーロッパ系話者は英語をより身近に感じたり母語から推測して学習することが出来るようです。

ラテン語という観点はその言語だけでなく、最近は様々な視点で注目されていますね。例えば「教養としてのラテン語の授業」という本は韓国でベストセラーになっています。



コトバの世界

言語と脳の関係は様々に研究されています。何歳でも新しい言語を学習するという行為は脳にプラスの刺激を与えてくれます。

言語というのは単に、その国の言葉で意思疎通をするという道具にとどまらず、その国の文化を知り、新しい視点をくれます。また、言語の習得課程で自身の脳に刺激を与えることによって、年齢に関係なく脳を構造的に強くしてくれることが証明されています。大人になっても始められる効果的な何か、それはまさに「コトバに触れる」ことではないでしょうか。


おまけ

私は冒頭に述べたとおり、英語を大学から始めました。それまでは中高と英語は欠点続きで大の苦手科目でした。今でも中学レベルの英単語のスペルミスをします。中学高校でもっと真面目に勉強すればよかったと思うこともしばしば。
そんな私ですが、コトバってとても魅力的だなと強く思ってます。様々な「音」や「表現方法」があり、コトバを知るだけで世界が広がります。
絶対に海外に出ないといけない訳でもない。コトバを知る、まず、その魅力が少しでも伝われば嬉しいです。参考までに、私が使った書籍4冊をご紹介します。

TOEIC800点台に導いてくれた友👇

渡豪前に中学文法のやり直しで使ったのはコレ👇

韓国語を始めてみようかなと思った方はコレ👇