医療・健康の未来｜進展するテクノロジーの導入と個人の予防意識の向上

コロナウイルスによって、医療体制が確立された先進国であっても、新たな感染症に対しての脆弱性が明らかになりました。医療崩壊により、通常であれば助かるはずの症状の人間が次々と亡くなっていく現状は、世界中に衝撃と恐怖を与えています。ウイルスによる感染症は、またいつ同じような事態が起きるかわからないため、アフターコロナの世界では医療のあり方が大きく見直される事になるでしょう。例えば、オンライン診療は、今回のような感染症のパンデミック時には非常に有効な手段となりました。
私達の意識も、病気になったら医者に行くというものから、個々がいかに普段の健康状態を保ち、病気にならない努力をするべきかという方向に変わっていく事が予想されます。最新の医療テクノロジーとサービスの事例から、アフターコロナの医療体制の未来を予報します。

予報01：衣服で患者の健康状態をモニターする

nanowear　 https://www.nanowearinc.com/
ナノテクノロジーを利用したセンサー類が仕込まれた衣服により、患者の状態をリモートでモニターできるテクノロジー。遠隔で診療ができるようになれば医師や看護師の感染リスクを防ぐ事ができます。感染症対策として医療現場への導入が急がれる技術です。

予報02：診断や研究を効率的に進める人工知能

Sempulse 　http://www.sempulse.com/
トリアージ（優先して対処すべき患者の選定）が必要な際に、センサーを通じた患者のデータから自動的に選定を行うシステム。限られた医療資源でより多くの命を救うために、医師は命の選択を迫られます。データに基づいた選定により、医師が正確な判断ができるようサポートし、精神的な負担も軽減する事ができます。

HealthTensor　 https://www.healthtensor.com/
医師が病気の診断をする際の助けとなるAIベースのデータ分析システム。膨大な患者データとアルゴリズムから裏付けされたアドバイスにより、診断ミスを防ぎ、診察時間の短縮と医師の負担軽減にも貢献します。

Cambridge Cancer Genomic　https://www.ccg.ai/
FastTrack AI 　https://www.metavilabs.com/
AIが細胞の動きを追跡、分析することで、ガンが疑われる細胞を自動的に見つけ出すシステム。ガンの早期発見と診療する医師の負担軽減に貢献します。

予報03：ウイルスも発見・対策から、データで予知する時代へ

Bioverse　http://www.bioverselabs.com/
自然界の生物をモニタリングしたデータから、害虫の大量発生、未知の伝染病の発見、環境の変化を予想し、いち早く対応できるようにする仕組みを開発。実用化され未知のウイルスをいち早く発見できれば、今回のような大規模なパンデミックを事前に防ぐことができるかもしれません。

予報04：遺伝子情報を健康管理に利用する

23andMe　https://www.23andme.com/
今は日本でも始まっている遺伝子解析・診断サービスの原点のサービスです。唾液サンプルを郵送する事で誰でも安価で簡単に遺伝子解析が受けられます。自分の遺伝子情報を知ることで、過去の症例データから自分のかかりやすい病気の傾向を知ることができ、予防につなげる事ができます。また、自身の遺伝子データから、加入すべき保険を診断するサービスも出てくるかもしれません。

ウイルスが進化するのと同様に、医療も最新のテクノロジーにより日々進化を遂げています。コロナウイルスの経験から、人類はさらに強力な医療体制を構築する事になるでしょう。

しかし、今回判明した脆弱性により、私たちは与えられる医療に頼るだけでなく、日々の生活の中でいかに免疫力を高め、病気を予防できるかの重要性を思い知りました。これからは個人個人の健康管理にも進化が必要ですね。

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