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無力感・絶望感を解消するために

無力感・絶望感を感じてるとき、自分の心の弱さや努力不足を責めてしまうことがあると思います。しかし、必ずしも自分のマインドに原因があるのではなくて、そもそも目標設定のハードルが高すぎるか、達成不可能な目標を掲げているから、無力感・絶望感を感じてしまっていることも多いのではないかと思っています。

参考となったのは、辻一郎『病気になりやすい「性格」』という本です。こちらの
本では、さまざまな統計手法を用いて、病気と性格との関連を紐解いています。癌に関する項目では、以下のように記述されています。

つまり、無力感・絶望感(あるいは神経症傾向・うつ傾向)の強いがん患者で死亡リスクが高かったのは、そのような方がたで進行がんが多く、症状も強かったからであって、無力感・絶望感そのものが死亡リスクを上げたわけではない。

〜それに対して、気の持ちようが治療に影響をおよぼすという考えを強調しすぎると、「病気が治らないのは、気持ちが負けているからだ」などという批判につながりかねず、がん患者は二重三重に(しかも不必要な)責めを負ってしまう。

これはあくまで癌に関する記述ですが、ここから何が読み取れるかというと、その人に課される負担が大きければ大きいほど、比例して無力感・絶望感が大きくなるのは当たり前であって、「気の持ちよう」といった精神的な部分は、結果には影響しないということです。

そのため、もし無力感・絶望感を解消したいのであれば、「気の持ちよう」の部分ではなく、むしろ、その人に課される「負担」の部分にテコ入れをする必要があるのではないかと思っています。具体的には、負担を軽くするとか、負担を見直すといったことです。この考え方は、癌医療だけではなく、何かの負担に対する態度や考え方にも応用できるのではないかと思います。

例えば、「大きな岩石を運べ」と言われても、途方に暮れるでしょう。問題が大きすぎるからです。もし「気合が足りない!」と叱責されたとしても、岩石は1ミリも動きません。自分の力の無さに絶望してしまうのは仕方ないと思います。

しかし、その岩石を少しずつ砕いて、毎日バケツ一杯ずつ運ぶことを考えたらどうでしょう。少しは達成できそうな気がしませんか。時間がかかりますが、逆算して考えれば日数を割り出せますし、そのスケジュールに沿ってタスクをクリアして行けば、難なく目標はクリアできるでしょう。

この例のように、少しでも目標を細分化したり、一日のタスクを細かく管理した方が、負担が少なく感じるのではないかと思います。そして、それこそが、無力感・絶望感を消す方法なのではないでしょうか。

漫画ONE PIECEの主人公ルフィも「海賊王になる」ことを目標に掲げていますが、「今日は何マイル進む」「1ヶ月以内に仲間を一人増やす」など、意外と細かなタスク管理をしているかもしれませんし、だから心が折れないのではないでしょうか。(ナミやロビンが管理している気もしますが…)

なお、注意すべき点としては、そもそも達成することが不可能な目標を掲げてしまうと、目標を変更すること以外に、無力感・絶望感を解消する方法はないと思います。

例えば、「他人を思い通りにコントロールする」とか、「失敗をしない人生を送る」とか、「みんなに好かれる」とか、そういった不可能なことを目標にしている限り、いつまでも無力感・絶望感に囚われてしまうのではないかと思います。

したがって、目標設定が大きな負担とならないように、少しでも可能性があることを目標にして、なおかつ、目標を細分化して、一日のタスクを細かく管理することで、無力感・絶望感を解消することができるのではないかと思っています。

そして、一番言いたかったことは、何かに無力感・絶望感を感じていたとしても、決して自分が弱いからといったように、気持ちの問題として片付けてはいけないということです。

気持ちの問題ではなくて、負担の大きさや内容に原因があることもあるため、その負担となっている物事を整理して、本当に達成可能なのかを吟味したり、細分化して一日にすべきことを軽くしてあげれば、自然と無力感・絶望感を感じることは減るのではないでしょうか。

最後までご覧いただきありがとうございました。








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