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本末転倒のアセスメント

以前、お客様からご相談を受けた「部長昇進昇格のためのアセスメント」についてです。

これまで昇進昇格アセスメントを実施されていなかった階層を対象にしたものであり、かなりの人数規模ということで、お客様内部の目線もあちこちに散らばり、ご相談の段階で「難しい案件になるかも・・・」との予感がありました。

私たちは早い段階から「難しいです」とお伝えさせていただいたこともあり、煮詰まるところまでいかなくて結果的に助かりましたが、最後、どのような形で落ち着いたのかを、何気なく曖昧に教えていただきました………。

✅予算的な制約が厳しいからとインバスケット案件処理だけ…。

✅評価するコンピテンシーは「戦略立案力」「革新性」「リーダーシップ」「部下統率力」も含まれる…。

部長昇進クラスを対象とするので「戦略立案力」「革新性」「リーダーシップ」「部下統率力」がコンピテンシーとなる点についてはもっともだと思います。

一方、予算的な制約は案件毎にそれぞれなので、良し悪しを論じても仕方がありませんが、インバスケット案件処理で「戦略立案力」「革新性」「リーダーシップ」「部下統率力」を評価することは不可能と断言します。

逆に「問題なく評価できます」「評価できる可能性があります」として案件を受託したベンダー様に対して、心底、教えを乞いたい気持ちとなっております。

このように昇進昇格アセスメントは、「目的」「受講対象」「制約(実施時期や予算)」などの大項目、「コンピテンシー」「演習」「カリキュラム(講義やフィードバックの有無)」などの中項目によって大きなスペックを決定しますが、順序を間違えてしまうと無駄遣いどころか「やらないほうがマシ」という惨憺たる結末になってしまうことでしょう。

モノには順序がある

昇進昇格アセスメントの場合、「目的」=「受講対象」>「コンピテンシー」>「演習」=「カリキュラム」が絶対的です。

この話を企業さんにさせていただくと「実施時期や予算は?」と鋭い指摘が入りますが、私たちのスタンスが揺らぐことはありません!

「実施時期は柔軟に対応させていただきますのでご安心ください」

「予算については…。あのー、あまり言われてしまうと…。そこは穏便に…」

何だかヘタレのように映りますが、「予算が厳しいのであれば演習を減らしましょう」「けど、コンピテンシーはご希望通りにいたします」なんて本末転倒よりは…と考えています。

このように、どの業界・どのサービスでも「モノには順序がある」と思われますが、今回のケースのように御社内部での関係者が増えれば増える(ご担当者以外の方が大勢出てくる)ほど、本末転倒に陥りやすくなります。

つまり「目的」「制約」の大項目を中心にベンダーからの提案を検討するケースが多いような…。

一方、ベンダーは1階層下の構成要素を上下左右前後で組み合わせて自社サービス(いわゆるスペック)を開発・提供しています。

そんな中、「目的」が外れているものは問題外ですが、「制約」を金科玉条にしてしまうと、ついスペックを安易に曲げてしまうベンダーも出てくるのかなと思います。

スペックを安易に曲げることを否定はしませんが、曲げたことの説明責任を果たすことが結果的に互いにプラスになることは間違いありません。

また、「制約」を金科玉条にしてスペックを曲げる、すると「目的」から外れる場合もある、当たり前のことですが、意外と気が付かないものなのねを発見した次第です。

今回の記事、漠然とした問題意識をベースに上げさせていただきました。思わせぶりな記事に最後までお付き合いいただきありがとうございました。また、上記の私たちのサイトでも、情報発信を進めております。合わせてこちらもよろしくお願い申し上げます。

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