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49.クロスオーバーイレブン ~虚構と現実が出会う時~

チームつくばタイトル

2019年7月11日。
いい気分なコンビニの日。

筑波大学箱根駅伝復活プロジェクトのサイトに、新体制発表の記事が掲載された。

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◆ 新駅伝主将・駅伝副主将
<新・駅伝主将>
大土手 嵩(おおどて しゅう)体育専門学群3年
宮崎県立小林高等学校 出身
<新・駅伝副主将>
尾原 健太(おはら けんた)生命環境学群3年
富山県立富山高等学校 出身

(画像・紹介文とも上記記事より引用)

新主将・大土手くんの出身校小林高校は、言わずと知れた駅伝伝統校である。さかのぼれば、世界陸上金メダリストの谷口浩美さんはじめ、多くの名ランナーを輩出している。
最近では、第96回箱根駅伝で6区を2位で激走、「人間じゃねぇ」発言でも駅伝ファンにおなじみの今西駿介さん(東洋大卒、現・トヨタ自動車)らがいる。今西さんは大土手くんの一つ上の先輩である。
佐久長聖出身の相馬くんと同様、親しい先輩や同級生たちが箱根駅伝を走っている大土手くんにとって、箱根は遠い存在ではない。
門前の小僧習わぬ経を読むではないが、本気で上を目指すとはどういうことかを、言葉だけでなく肌感覚で知っているだろう。

陸上競技部の部員紹介によると、大土手くんは1年次から学年リーダーを務めていて、上級生にもはっきりモノを言うタイプとのこと。
筑波大学のこの代のメンバー構成的に、大土手くんが次のリーダーとなることは、陸上ファンや駅伝ファンにとって、想定内であっただろう。

新体制発表の2週間後、クラウドファンディングのサイトに掲載された彼の決意表明文。そこには、等身大の自分を、てらいのない言葉でまっすぐに表現する、潔いリーダーの姿があった。

僕は「競技力と説得力のある言動でチームを引っ張っていく」主将が理想だと考えています。これは今でも変わっていません。この理想が根本にあるので「トラック競技の1万mで29分台すらマークしていない」「箱根駅伝予選会に一度も出走したことがない」「そんな自分ではチームを引っ張っていくことはできない」という“駄目な自分”を僕自身が作り上げていました。
(上記手記より引用)

主将(リーダー)の資質とは。
競技力(能力)や説得力(言動)ももちろんだけれど、何よりも重要なのは「覚悟」の強さではないか。
やりたいことのために、それに付随するメンドクサイことも、理想にほど遠い現実も、ダメな自分(と本人が思い込んでいる部分)も、受け入れる覚悟だ。現実を正しく把握できなければ、その先の段階に進むことはできない。お医者さんが病気の原因を正しく把握することで、適切な処方ができるのと同じだ。

また、自分のことだけでなく、仲間のことを想い、自分たちが目指す夢を想い、その夢の先にある「新しい景色」を想い、仲間と共有すること。それがリーダーの役目であると私は思う。
大土手くんの主将就任は、プロジェクトの新たな船出を期待させるものだった。

一方、副主将については、陸上界的に全くノーマークだったという確信がある。筑波大関係者と、私以外は。

私は新体制チームを率いることになった2人の挨拶記事を、くらくらするような感覚で眺めていた。
脳内に、津嘉山正種(つかやま・まさね)さんの深みのある声が、厳かに響いた。

"虚構と現実が出会う時、クロスオーバーイレブン…"

筑波大学箱根駅伝復活プロジェクトの存在を知り、プロジェクトに関わる部員さんの名前を覚え始めた頃から、個人的にもっとも思い入れのあった学生さん。それが尾原健太くんだった。上迫くんとともに、彼の存在に私は注目していた。
陸上競技部の部員紹介記事では、彼をこう評していた。

『筑波の二宮金次郎』

私が、このハチャメチャで壮大な妄想回顧録を書き散らかしている理由。
それは、筑波大学が26年振りに箱根駅伝予選会を突破した後の狂騒にも、ほとんど表に出てこなかった、尾原くんのこと(うっしー脳内妄想による)を語りたかったから、といっても過言ではない。


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【お知らせ】
妄想連載もついに次回で50回!これを記念して、タイトル予告しちゃいます♪
次回は「筑波の二宮金次郎」…ではなく

「炎の蜃気楼(ミラージュ)」(←なんでだよ!!!しかもまんまパクリじゃん!!!!!)

乞うご期待!
(予習しても、筑波大学箱根駅伝復活プロジェクトの理解に、1ミリも役に立たない、ご本家作品の紹介記事置いときます(笑))


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