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ドラマで勉強「虎に翼(第24週)」

政治が司法に介入してきました。
少年法も標的になっています。

実のところ、少年法の歴史は全くしらず。
少し調べてみました。
こちらを参考にさせて頂きました。

https://noguchi-lo.jp/youngpeople/201111.pdf

大正11年に、最初の少年法が制定公布されました。
当時から「愛の法律」と呼ばれていたそうです。

○少年には成人の刑罰とは異なる教育的措置を講じようとするもの。
○適用は17歳以下の少年に限られ、刑事処分ではなく保護処分が認められる。
○ただし、決定するのは少年審判所という行政機関。
○対象の少年であっても処分は検察官が決定し、少年審判所は検察官が送致した時のみ審判が出来た。

昭和24年1月1日、新しい少年法が施行される。
そうタッキーや寅子が関わったあれです。
本当に「少年に愛を、家庭に光を」 というスローガンだったそうです。

特徴はは以下の通り。

〇家庭裁判所という裁判所に少年の保護処分を担当させる。少年の人権を守りつつ、健全育成のた めの処分を決定するのには、行政機関ではなく裁判所の方が適切であるとした。

〇 少年が刑事処分を受けるのは16歳以上の者に限り、家裁が刑事処分を相当との審判をなした場合に限られる(家裁先議)。

〇 警察や検察は、少年事件の全てを家裁に送致せねばならず(全件送致主義)、保護処分か刑事処分かの選択は家裁のみがなし得る。

〇 少年法の適用を17歳以下ではなく、19歳以下まで引き上げた。

〇 家庭裁判所に、心理学、教育学、社会学の専門家たる調査官を置く。調査官が非行の原因やそれに対応する処遇、教育の指針を科学 的に裁判官に提案したり、自ら少年を指導して立ち直らせることができるようにした(科学主義)。

〇 調査官による試験観察の実施など、家裁自体が健全育成を目指して少年を教育する(ケースワーク)機能、プロベーション機能を有する。

本当に更生を目指した愛ある裁判所、少年法だったんですね。

昭和41年、法務省は「少年法改正に関する構想」を発表。
この時、法務省の掲げた構想は実現することはありませんでした。

昭和45年「少年法改正要綱」を発表。
寅子が目を通し「ありえない」と怒りを露わにしたやつ。

○18歳以上20歳未満を青年とする(青年層設置)。
○青年の事件については保護事件手続きを廃止し、すべて刑事事件手続きとする。
○全件送致主義を改め、検察官に起訴・不起訴、送致・不送致の選択権を与える。
○司法警察員に不送致権限を与える。
○少年および青年の刑事裁判権を家裁に与える。
○年長少年に対する保護優先主義を改め、検察官のイニシアチブを実現する。
○少年の審判にも検察官の関与および抗告権を認める。

ライアンは「刑罰を強化すれば非行少年は生まれない。全くもってナンセンスだと思わない?」

ナンセンスだけど、確かに年々と少年と呼ばれる年齢の凶悪事件が増えてきました。

自分が少年法に守られていることを知っての犯行も増えた。知恵が回る様になり、犯罪の内容も変わってきています。どの年齢に設定しても、その区切りの年齢を逆手にとって利用する者がいる。

寅子達が作った愛の裁判所。
これは性善説が前提なんだろうな。日本人は概ねそうだし、今も多くがそうだろうけど。

昭和の個人的な印象ですが、校則が緩い学校ほど偏差値が高く、厳しいほど低い。

素行が悪いから厳しくなったのか、厳しいから悪くなったのか。また偏差値の高低で人格を決めてはいけないけど、締め上げれば人は反発します。

力をもって制するは大人というか権力者の発想ですね。
政治という大きな話ではなくても、今週の「子供に決めさせる」という信頼。

親心であっても、子供が自分で決めることを最優先させる。選択には責任が伴いますが、それを教えるのが親なのかもしれません。信頼は愛。

優未ものどかも「自分で選んだ人生」を始めました。

寅子が「あなたが進む道は地獄になるかもしれない。それでも覚悟があるのね」と確認しました。第1週ではるさんが寅子に法律の道を許したシーンと重なりますね。

まさか朝ドラで「地獄」というワードを聞くとは!
それが新鮮で一層「虎に翼」が面白くなった気がします。

原爆裁判で被爆者である吉田さんが裁判に出ることについて、轟は「リスクが高すぎる」と心配します。

よねさんは「どの地獄で何と戦いたいのか。決めるのは彼女だ」と言った。戦争、原爆裁判、尊属殺で裁判中の美位子。これこそが地獄。

寅子も今まで「地獄」を何度も使っていたけど、どうも軽い感じがしてしまう。
「どの状況を地獄と感じるのか」は個人個人ですから決めつけてはいけませんね。

少年法にイチャモンをつけてきた時期は第三次佐藤内閣。
「原爆裁判」の国側の弁護士・反町はその後政民党・寒河江(さかえ)幹事長の秘書になっていました。

「この人も大変な役回りで辛かっただろうな」とちょっと同情したのに、そっちにいったのかい、と突っ込みたくなりました。

さかえ=栄=田中角栄説が出ています。
実際、この頃、田中角栄が幹事長でした。

寒河江って地名は山形にありますよね。
なんで違う「さかえ」にしなかったんだろう?

この頃の山形の政治家を探していたら、佐藤内閣に木村武雄氏がいました。
佐藤内閣の中で田中角栄推しだった人なんですね。

寅子が赴任した三条は田中角栄のお膝元・新潟3区。
母の地元も新潟3区で、田舎に帰れば田中角栄の今でいうところのムック本が何冊もありました。個人的に新潟関係にはちょっとだけ敏感。

第119話で使われた新聞に「越乃寒梅」をもじった「越乃暖桜」を発見して、薄ら新潟臭を漂わせている。
「越乃寒梅」は幻の銘酒と呼ばれた日本酒(現在は杜氏さんが変わってしまったので別物らしい)

来週の予告には美佐江が!
セーラー服なので、イマジナリー系だと思いますが。
寅子は何か新潟に置き忘れたものがあるのでしょう。
とすると涼子様と玉ちゃんも再登場?

関係ないけど、優未が気持ち良さそうに歌っていたのはピンキー&キラーズの「恋の季節」ですね。
私も大好きで歌っていました(多分、リアルタイムではないと思うけど)

占い業界的にはこの3ヶ月くらい、昔ながらの権力・権威が崩壊すると言われています。

時代は変わって昭和な考え方は通用しない。ちょうど総裁選が始まっていますが、この先も自民党の時代が続いていていいのだろうか?

今、ドラマで自分が過ごしてきた「昭和」を見ているのも不思議な感じ。


「8番・調整」

このカードは元々は「正義」と呼ばれ、ギリシャ神話の「正義」の女神・アストレイアが裁判官として描かれています。

トート版「調整」に描かれているのはエジプト神話の「法・真理・正義」の女神・マアト。

天秤座に対応するカードです。
天秤座は愛と美と調和。

天秤は「あなたと私」と2人(2極)があってバランスが取れます。
そして自分のなかの「あの部分とこの部分」

多岐川の言葉がこのカードのキーワードに悉くマッチしていました。
非行に走る子供は心身のバランスが悪いということ。

でも一人ではバランスが取れないので、家裁の人たちの手を借り、自分の中の断絶と向き合い、調和を取っていく。

少年法の基本的構想を変えることに我々は反対する。
刑罰を課して執行猶予を付けてお終いではなく、保護処分により、家裁の人間とおのれと向き合い、心身の調和を図るほうが適切。再犯を防げる場合が極めて多い。
非行少年の更生のため、愛をもって実務に携わる我々は強く望む。

タッキーは逝ってしまった。最後まで「アイアイ」言っていたけどタッキーが呟く「愛だな」は本当に愛があった。

最後にハーシーと稲垣とハグするシーンは泣けました。ハーシーが「失礼します」とタッキーの背中に手を回し、体の細さに驚いたような顔をしていました。

数日前からうっかり「坂の上の雲」を見始めています。
正岡子規も登場し、34歳の若さで亡くなりました。
「大奥」の平賀源内もそうだったけど。

志ある人、やりたいことが明確にある人の夭逝は本当に悔しい。
もっともっと、やりたいことを沢山やらせてあげたかった。

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