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BOOK#32「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ

●今回読んだ本

「「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ」―玉樹 真一郎著(出版社:ダイヤモンド社 |2019年8月8日発行)

●内容メモ #ネタバレ

1.直感のデザイン:仮説→思考→歓喜
・プレイヤーが自身の力で直感的に理解すると言う体験そのもの。つまり、シンプルで簡単な体験により「直感」させる。
・自発的に学んだ事は、一生否定できないほど深く信じるものである。また、直感的に分かるものはもはや面白いと感じるのである。
・アフォーダンス…何かを見たときに思い浮かぶ「〇〇するのかな」と言う気持ちのこと。
・シグニファイア…アフォーダンスを伝えるために特化した情報のこと。アフォーダンスとセットとなる考え方。具体的には、人々の共通点(脳や心の性質/記憶)を利用する。


2.驚きのデザイン:誤解→試行→驚愕
・予想が外れる「驚き」で、疲れや飽きを払拭する
・人々の思い込み(前提/日常)を利用し、驚きを取り入れる

▽驚きとなる「タブー」モチーフ
・性
・食
・損得
・承認
・射幸心と偶然
・プライベート
・けがれ
・暴力
・混乱
・死


3.物語のデザイン:翻弄→成長→意志
直感のデザインを連続させつつ、疲れや飽きに応じて驚きのデザインを挿入していくことで、体験を通してユーザ自身の物語を生み出させる。

※物語論における物語の定義…物語はナラティブと呼ばれる。そして「物語」は2つの要素、物語内容(ストーリー)と物語言説(ディスコース)からなる。
物語内容とは、「主人公がAに行ってBが起きてCになって」のような1連の出来事を指す。シンプルに言えば「何があったか」が物語内容である。といっても、物語内容はあくまで出来事そのもの。その出来事を「どう伝えるか」と言う手段があって、はじめて物語内容を伝えられる。文章・映像・音声といった表現形式も重要であり、言葉のチョイスや伝える順番も物語の面白さを左右する。そんな「どう伝えるか」が物語言説となる。要は「何があったか」+「どう伝えるか」。物語内容と物語言説を合わせたものこそが物語=ナラティブとなる。

※環境ストーリーテリング…無数の情報の断片から「何があったか」を理解させる物語の伝え方。


●その他

▽なぜ読みたいと思ったのか
ヒトの心を動かすデザインについて学びたいと思ったから

▽興味を持ったきっかけ
コワーキングスペースの本棚に並んでいるのを見てタイトルと表紙に惹かれた

▽この本を読むことの意義
人の心を動かすデザインのヒントを学ぶ

▽どんな本の内容だと思って手に取ったのか
任天堂の事例体験を元に語られる本だと思って

▽実際読んでみてどんな本だったのか
直感デザインと驚きデザインという2つに区分し、それを組み立てて物語デザインをつくっていくという、想像以上に論理的な語りで進む本だった

▽どのように始まり、どのように終わったのか
デザインの2要素(直感、驚き)を説明し、それを組み立てる方法と小技を伝授。そのうえで、後半はそれらを使用した実践編事例。

▽タイトルをつけ直す(要約)とすると?
「デザイン」はシナリオ作りである

▽知らなかった単語(用語)について
・射幸心…人間の心理として「幸運を得たい」と願う感情のことで、その心理的な欲求を抱く状態を意味する。 しばしば「幸運によって他人よりも幸せに恵まれたい」という心理状態をも含む。

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