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分からないことの、何が悪いの?

すぐ役に立つことは、すぐ役に立たなくなる。
                 池上彰

昨日、長姉からこの本を借りたので
読んでみようと思います。


それで思い出しましたが、
年度末にいつも、私は学生に
映画を見せます。


通常授業もあるため、
一回15分〜30分くらいずつを
何回かに分けて。


今年はコロナ禍で
授業日数が足りないので
無理そうですが。


一年生にはこちらを見せます。

若いうちに死について考えて欲しい。
考えたら、今をどう生きるのか
そこに繋げて欲しい。


こちらは教材としても
大変優秀です。


真面目な内容なのに
誰でも笑える場面が盛り込まれていて
楽しく見れますし。


見終わった後に
「自分の国ではどうか」
「私の死生観」などの
討論をしやすい。


さすがアカデミー賞外国語映画賞を
受賞しただけのことはあります。



2年生にはこちら。

日本の伝統文化も分かる上に、
学ぶべき点が
卒業学年にぴったりです。


ちょうど就活中の彼らは
「あの人はもう決まったのに
 自分は全然ダメ」など比べて
落ち込みます。


早く決まったから幸せなんて
言い切れないのですが。


若いので
「あの子は結婚して子どもも出来た。
 私は一人」など比べて
また落ち込みます。


結婚したから、子供がいるから
幸せなんて
言い切れないのですが。


若い時は誰でも同じ。
勝手に人と比べて
落ち込むの。


この主人公と、全く同じ。


今、能力があって素敵で
羨ましく見える人にも
苦しくて泣いて叫んで落ち込んだ日が
たくさんあったんだよ。

と教えてくれる映画です。


この映画、もう一つ
私の好きなところがあります。


茶道の話なので
「ここは皆、右足から入るんですよ」
「ひしゃくの持ち方も決まっているんですよ」
など補足説明しながら見せていると
必ず質問されるのが、


「先生、それ意味あるんですか?」


また、茶道の経験を大抵聞かれるので
「私は3年間やりました。
 でも3年間じゃ全然ダメです。
 10年はやらないと」
と答えると


「そんなにやって、いいことあるの⁉︎
と、大抵聞かれます。


若い人は、いつも利益に結びつけたがる。
いつも理屈を探している。


「世の中にはすぐ分かるものと
 すぐ分からないものの二種類がある。
 
 すぐに分からないものは、
 長い時間をかけて
 少しずつ分かってくる」

            (日日是好日より抜粋)

分からないことなんて
たくさんあっていいんだ。


分からないまま
やっていたっていいんだ。


頭で考えない(理由を探さない)で、
身体で覚える。
習うより慣れろ。ですよ。


大体ね、すぐに身につく
知識なんて、技術なんて、
すぐに役に立たなくなるでしょう。

 

だけど、何だか分からないけど
分からないまま闇雲に
ずっと続けていたもの。

これは一生ものですよ。


例えば、長年、美術館に通って
本物を見続けていることで身についた
審美眼。


例えば、長年、剣道をやっていることで
身についた
姿勢や礼儀や精神の強靭さ。


後から結果がついて来るのですよ。


この仕事は何の役に立っているか
分からない?
どんな理由があって必要なのか
分からない?


そんなの入社数年のペーペーに
分かりませんよ。
上司に聞いてみて
明らかに無駄で
改革が必要なものじゃなければ、
分からないまま一生懸命
やって下さいよ。

そのうち分かってきますから。 


分からない。それで良いんですよ。


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