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昭和の結婚標語とナイトウェア選び

「家つき、カーつき、ババ抜き」。「亭主元気で留守がいい」。昭和に大流行した結婚標語です。

前提は「永久就職」。終身雇用時代の女性の結婚を言い表す言葉でした。

「就職」というぐらいですから、「いいお給料をもらえて、雇用主(夫)は不在」が理想だったというわけ。当時は男性と同等条件で働ける職場は皆無に等しく、経済的には結婚がダントツにおトクでした。

ところが今や、男性より職場の地位が高かったり、給与が多い女性はいくらでもいます。多くの女性にとって、結婚はおトクではなくなりました。

私もそうです。夫の無理解のため、出産で好きな仕事を辞める羽目になった上に、夫の借金を私の貯金で穴埋めしたり。経済的には大損でした。

今の時代、「家つき、カーつき、ババ抜き」はめっきり聞きません。家は女性でも買えるし、カーは最近都会で不人気だから?

あるいは格差社会の今、「家つき、カーつき」は一部の男性にしか可能ではなく、大声で言うと差別になるから? 最近は夫婦二人で住宅ローンを組むケースをよく見かけますね。

今や多くの男性が「家つき」でないのに、たいていの男性は長男。当面はババ抜き(夫の親とは別居)でも、いずれは介護の問題が持ち上がります。いや〜、昭和の価値観だと「家なしババつき」は問題外?!

男性の側も、結婚にメリットがないのは同じでしょう。昔に比べて家事は便利になりました。手軽なグルメ惣菜やオシャレ系の調味ソースも充実していて、夫とおうちごはんの時に「お母さんは要らないね!」が決まり文句になっているほど。

特に、私がニューヨークに来てからの10年の変化がすごいです。日本に帰った時にスーパーに行くと、「アメリカのスーパーみたい!」と感動。

日本では30年間、近所の同じスーパーを利用しています。娘が小さい頃には、食材と調味料・香辛料しか売っていませんでした。すぐ作れるものといったら、レトルトカレーと麻婆豆腐の素ぐらい?……。

それが今では、食材を熱して混ぜるだけで、美味しそうな何かが出来上がるものだらけ! あらゆる種類のソース類が、ずらっと棚を占領しています。

これなら料理のスキルがなくても、誰でも失敗なく手料理にありつけます。好みの合わない妻と暮らすよりも、よほど豊かな食生活かも。

母性本能のようなものはない男性には、子どもを持って出費がかさむことを喜ばない人が多いでしょう。子どもがいれば、今どきは育児に参加しないと肩身がせまそうだし。

男女ともに、結婚にメリットがない世の中ですね。その割に「婚活」という名のウェブ・マーケットが、ファッションと同様に盛況らしいのが興味深いところ。

結婚に求める条件の上位3つは、2021年に国立社会保障・人口問題研究所が実施した大規模調査では、男女でまったく同じになったそう。特に女性が外見を重視するのが、最近の傾向のようです。
(結婚相談所スタッフさんのリアル・レポート↓ 必見!)

ネットショップ・アプリが大好きな私は、最近気づいたのですが……必要に迫られて検索すると、あまり魅力的な品が出ないのです。

私はなぜかナイトウェアのフェチ。急に寒くなったりして、「今すぐ暖かいパジャマが欲しい!」となって探すことも。そんな時にはたいてい間に合わせで買うことになります。

ところがしばらく経ってから検索すると、「えっ?こんな素敵なのがあったの?!」と驚くような品がザクザク……。

放っておいても売れる魅力的な品は、そう簡単には検索に上がってこないのです。「利幅が多く一般受けする品を、焦っている人にまず売ってしまおう」というアルゴリズムのよう。

好きな色、好きな柄、好きな形は、あれこれ比べるうちにはっきりしてきます。私はシックで夢のあるデザインが好み。検索システムは賢くて、私が詳細をクリックする品の条件から、近いものを表示してくれるようになります。

婚活サービスや婚活アプリが同様のポリシーかは知りませんが……。じっくり時間をかけることで、より好みに近い人に会える確率は高いと予想できます。自分の好みって、知っているつもりでも、そうでもないから……。

昔に比べて本当にいい世の中です。私は親にお見合いさせられたり、結婚の圧力をかけられても、自分で探す術はありませんでした。仕方なく、その辺の茶飲み友だちと結婚。

「家つき、カーつき、ババ抜き」は一見、男性に失礼なようにも、調子がいいようにも聞こえますが……。検索キーワードという意味では、意外と今の時代にぴったりではないでしょうか。

要は、自分が何なら喜ぶかを知って、それを検索条件にすればいいんですから。

例えば、世間基準の「イケメン」の代わりに、好みの肌質・顔型に絞ってみるとか。私のナイトウェアの場合、秋口には「暖かい」の一点にこだわって検索したために、「可愛い」品を見逃していました。

検索の幅を広げれば、人気の品でもサイズ違いが売れ残って、セール価格だったりもします。

以前「自分の中の女が壊れたために、誰とでも結婚できた」と書きました。ところがなんと、壊れてない方にもストライクゾーンを広げるエクササイズ↓があるそう。

このクリエイターさんは、これで婚活に成功なさったそうです。ストライクゾーンが広ければ、ネットショップも婚活アプリもパラダイスですね。

女性はよく「普通の人でいい」と言うそうですが、それだと検索条件になりません。「普通」のネグリジェって? 「家つき、カーつき、ババ抜き」的なキーワードで、ちゃっかり昭和チックに探すのもいいのでは?

男性は……もちろん女性と同じ標語で!?

「亭主元気で留守がいい」については、「モラハラ夫は留守のほうがいい」という意見もあるでしょうが……。そんな方には、ぜひ今すぐの対策をおすすめします。(例えばこちらのカウンセラーさんなど)「モラハラ」っていう言葉ができただけでも、時代は良くなっていますから。

以上、婚活中やパートナー取り替えをご検討中の方のご参考になれば……。男女ともに、留守にしてほしくない伴侶がみつかって、ナイトウェア選びも楽しめますよう!