私に詩は届かないけれど
名古屋駅の中にあるひつまぶしの店で父親に会った。もう随分前のことで、7,8年前まで記憶を遡る必要がある。それが確か最後に会った父親の姿だった。
こう書くと亡くなってしまったようだけれど、おそらくまだ生きている。名古屋で会った数ヶ月ののちに両親が離婚をして、単純に会いにくくなっただけだ。会いにくくなっただけで、別に誰に会うことを禁じられているわけでもないけれど、以来一度も会っていない。もはや連絡先も、互いの住所さえわからない。
だから私がすでに大学院を修了したことや何度か転