灯に惹かれて
夜の灯
人々は吸い寄せられるように灯の下に集う
魅惑の灯
こんなご時世だから人はまばらかと思いきや、そんなことはなかった
人は灯にあらがえない
久々に立ち寄った駅で、飲み屋街を歩いてみたくなった
灯に誘われてブラブラと
「どこかの店に入ってビールを飲んだら美味しいだろうな」
そう思った
でも灯の下をもう少し歩きたかった
もうすぐ夏が終わるというのに実感がない
そりゃそうだ
家に閉じこもってばかりで
夏がいつ始まったかもわからないのに、終わりに気づくはずもない
それでもこうやって街を歩くと
生ぬるい空気と湿気に肌がべとつき、夏の夜を実感する
外で飲むビールが美味しい夏の夜
もうすぐやってくる秋を前に
変わりゆく季節を前に
やっぱり1杯飲むことにした