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畑作業はじめの一歩

ファミリーシェア農園mino-LLは、畑での経験を通じてお子さんの成長に貢献したいという想いから、利用者をファミリー限定としています。

子どもと一緒に家庭菜園を楽しむ場・機会はあまり多くないため、ほとんどの利用者は農業初心者です。
何をすればいいかわからないといった方に対しては、作業内容を随時レクチャーしていますので、初心者でも安心してご利用いただけます。

今回は、農業について何も知らないという超初心者向けに、畑での作業や栽培知識など、最低限知っておくべきことを厳選してお届けします。

なるべく簡潔にお伝えするために、詳しく説明したい部分や細かい部分はぐっとこらえて別記事にしますので、すべてを網羅できませんが、とりあえず手を動かすことはできるようにはなるはず。。

利用者さん以外にも参考になれば幸いです。




野菜づくりの基礎知識

元気な野菜を育てるためには、水や肥料を与えるだけでは不十分です。以下の基本を理解しましょう。


土づくり

植物は根から栄養や水分を吸収します。根が張りやすいか、生長に使える栄養は十分あるかなど、栽培する作物に適した『土』であるかは、農業をするうえで非常に重要です。

残念ながら、最初から農業に適した土壌環境が整っていることは稀で、通常は『土づくり』をして徐々に環境を整えていく必要があります。


土壌微生物

土の中には、膨大な数の微生物が住んでいます。微生物は数μm程度の大きさのため目で見ることはできませんが、1gの土に10億程度の微生物が存在すると言われています。

この微生物が、作物を育てる上でとても重要な役割を担っているため、微生物が住みやすい環境を整えていくことが、土づくりの基本となります。

微生物の大きな役割は分解です。動物の排泄物や死骸、植物などの有機物を分解し、植物が吸収できる無機物へと変えてくれます。

微生物はゆっくりと時間をかけて有機物を分解するため、微生物を増やすことが、作物の生長に必要な栄養が継続的に供給される環境をつくることへと繋がります。

微生物が住みやすい土は『団粒構造』と呼ばれる状態で、水や空気があり、土が柔らかく根も張りやすいため、作物の生育に適しています。

長くなるので今回は説明は割愛しますが、土づくりとは『物理性』、『化学性』、『生物性』の3つの土壌の性質を改善することを言います。上述した団粒構造をつくることは、物理性を改善することを意味します。

ちなみに、農薬を使用すると有用な微生物も大半が死滅してしまいます。


堆肥

団粒構造をつくるには、畑に堆肥(=土壌改良剤となる有機物)を撒く方法が有効です。

堆肥にはいくつか種類があって、牛糞や馬糞などの動物性の堆肥と、腐葉土やもみ殻などの植物性の堆肥があります。

堆肥の種類によって分解しやすさが違うため一概には言えませんが、1年間でだいたい50%ほどが分解されてしまうため、堆肥は毎年、もしくは作物の切り替わり毎に与える必要があります。

注意点として、未熟な(完熟していない)堆肥を使用する場合は作付けまでに時間を空けるようにしましょう。

未熟な堆肥は発酵が進行している途中であり、発酵過程で有害ガスを発生し、作物に障害を与えてしまう場合があります。
また、有機物の分解のための窒素が不足すると、土壌中の窒素を使うことになり、作物が吸収できる窒素が減少して生育不良を招く可能性があります。



畑での作業

ここからは、実際に畑でする作業について解説します。


土づくり(堆肥を入れる)

作付け前に、まずは土づくりをしましょう。

成果が出るまでに時間はかかるかもしれませんが、継続すればカチカチの土もフワフワの土に変わっていきます。


畝立て

作物を植える場所には『畝』をつくりましょう。細長く直線状に土を盛り上げるのが一般的です。

畝を立てると、雨水が溜まり根が腐ってしまうのを防ぐことができます。

水はけが良い畑では必ずしも必要ありませんが、当農園は粘土質な赤土の土壌のため、基本的にはつくった方がいいと思います。

また、畝を立てることで、作物の栽培場所と通路を明確に区別することができ、栽培管理がしやすくなるなど、他にもメリットがあります。


マルチ

畝を立てたら、マルチ(マルチング材)というビニールシートを畝にかぶせましょう。

マルチは、地面の温度を調節したり、土の乾燥を防いでくれたりと、様々な効果があります。特に、雑草の繁殖を防いでくれるという恩恵は大きいです。

マルチを張るのと片付けるのは少し手間ですが、定植後の管理作業が楽になるため、マルチの使用をおすすめします。


播種・定植

下準備ができたらいよいよ野菜を畑に植えます。時期に合ったお好きな野菜を選んでください。

種か苗どちらを植えても構いませんが、種は上手く発芽しない可能性もあるため、最初は苗から育てることをおすすめします。

土づくりが十分できてない場合は、不足する栄養分を補うために化成肥料を与えるのがいいかもしれません。但し、化成肥料は微生物の増加には繋がらず、一定期間しか効果が持続できない点は注意しましょう。

また、播種・定植後はたっぷりと水を与えてください。
畑は土が地下に保水しているため、活着(作物が根づくこと)後はあまり水やりの手間がかかりません。


管理作業

播種・定植後は、作物の生長に合わせて、間引き、仕立て、潅水(水やり)、追肥、収穫など様々な管理作業があります。草取りや虫取りも大事な作業のひとつです。

育てる作物によって必要な作業も異なるのでここでは詳しく触れませんが、害虫・害獣被害がなければ意外としっかり育ってくれるので、難しいことは考えずまずはトライしてみましょう!


最後に

畑に来てまず何からやったらいいかわからない超初心者の方が、とりあえず見様見真似で手を動かせる状態になることを目指してマニュアル的なものを作成しましたが、いかがでしたでしょうか。

利用者の方の反応を見ながら、不足があれば適宜更新していきますね。



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