みんなのNPO研究室|#6学生時代のサークル活動が私たちにもたらしたもの
最終回となる今回は、『学生時代のサークル活動が私たちにもたらしたもの』をテーマに、2人のゲスト(予定していたゲストのうちお一人がご都合により当日欠席となりました。)と、ファシリテーターをお招きし、進路選択や将来への不安が軽減されたり、サークル活動の意味を考えることで明日の活動が楽しみになることを目的としたトークセッションを行いました。
地元京都にUターンし、志摩機械株式会社の社内ベンチャー事業で、大好きな自然と地域や次世代と関わる仕事に携わり、ネイチャーガイドや古民家活用、ラジオパーソナリティー、ソーシャルグッドプロデューサーなど様々な業務を担当している、山下恭平さん。
静岡県牧之原市の市役所職員として働きながら、牧之原市消防団女性消防隊隊長も務める、宮崎真菜さん。
そして、今回ファシリテーターを務めていただいたのは、認定NPO法人カタリバでユースワーカーとして働く、山本晃史さんです。
ゲストとファシリテーターの大学時代から今まで
大学時代に見つけた自分のキーワード。-ファシリテーター 山本晃史さん
学生時代は、中高生が学校を超えて何かをチャレンジしていくことをサポートすることに面白さを感じる中で、海外の「ユースワーク」を学びたいと考え留学。その後、いろんな人の価値観に触れ、「対話」というキーワードも見つかりました。そんな山本さんが最初の進路選択ではどんなことを想っていたのでしょうか?
3-4年つづけ、いろんな世代のことを考えていくことが大事だと思ったそうですが、やはりもう一度、中高生のもとに帰っていきたいと思うようになり、現職「認定NPO法人カタリバ」に転職します。今では、ユースセンターの職員として働きながら、学校の校則やルールを題材にした生徒主体のルールメイキングを行う事業を立ち上げ、責任者も務めています。
好奇心で動いた大学時代と旅をする中で気づいた価値観。「何とかなる」って思えるように。-山下恭平さん
学生時代は、何か面白いことをやりたい!という想いで友達と一緒にテーマを決めて語り合うサークルを立ち上げたと同時に、好奇心でいろんなサークルへの所属と立ち上げを行いました。有機的に行って来たサークル活動と、たくさんの本を読めた(読まなきゃいけない環境にいた)ことが現在に繋がっていると感じ、本を読むことも大学生にお勧めしていました。また、社会貢献サークル以外に、大学入学以前より取り組んでいた音楽活動にも力を入れていました。卒業後はバンド活動に力を入れるべく上京します。関東4県の大会で準グランプリをとり、有名なプロデューサーとの出会いもありましたが売れず、夢と挫折の東京生活のなかで27歳で自己破産をし、国内ヒッチハイクの旅、そしてユーラシア大陸をギター1本で渡る旅へと出かけます。
帰ってきてからは、得意なことで役に立てればいいとぼんやり思いながら、7つくらいアルバイトをかけ持ちしていましたが、たまたま知人から声をかけられ、NTT西日本で働き始めます。面白い子だと可愛がられていましたが、コロナ禍をきっかけに自分のやりたいこと、自分が働いてもらうお金のことを考えるようになり転職を決意します。
現職では、里山のサイクリングガイドや、昆虫採取のイベント企画、コミュニティカフェの運営、ラジオパーソナリティ、子供たち向けのネイチャーガイドなど多くのことに携わっているそうです。自分を振り返るきっかけとなったコロナ禍では、どんな変化があったのでしょうか?
そして、本当は、自分には複数のナリワイを持つことは出来ないと思っていたという山下さん。田舎に帰り、自分にできないことを安請け合いすることはなく、出来ることや好きなことをやるようにしていたら、お仕事の声がかかるようになり、今のようないくつものナリワイを持つスタイルになりました。また、本当に夢中になれたことを思い出す機会があったのも大きかったとおっしゃっていたのが印象的でした。
大学入学当初からは一転。サークル活動を経て得た価値観。-宮崎真菜さん
卒業後は海外に行くぞ!都会で働くぞ!と思って入学し、そのためには行動力をつけなきゃと思い、いくつかの社会貢献サークルに所属しました。しかし、サークル漬けで授業にはあまり行けず、留年と休学をします。同時期に東日本大震災があったことが転機となり、地元にも目を向けるようになりました。この時期に勢いとノリで愛媛県愛南町と秋田県横手市のNPOでインターンを経験し、田舎の人たちが楽しそうに暮らしている姿を見て、もう少し自分の地元を知ろうという思いをもって復学します。
就職時も地元といえば市役所でしょ!と勢いで就職した宮崎さんが、仕事の楽しさややりがいにつながる学生時代の経験も語ってくださいました。
また、宮崎さんは仕事以外に消防団の団長としても活躍されており、大学時代の反省を生かした組織運営を行い、「これなら♬book」というハンドブックをみんなで作成したそうです。女性ならではの目線で、防災という言葉はあえて使わず、女性特有の被災リスクを軽減するための本で、みんなのやりたいを一番に考えて、団員みんなで作り上げました。
サークル活動は、自分にとってどうして大切?今の自分に影響していることは?
このトークテーマでは、参加している方々にも現在のサークル活動の振り返りをしてもらい、zoomのチャットで参加してもらいました。『頼る頼られる関係。人とのつながり。自分にとって何が大切か気づかせてくれる。尊敬できる人に出会える。物事を多面的にみられるようになった。』…などなどたくさんご意見をいただきました。
サークル活動で経験したことや読んだ本を、今でも思い出してみたり、考え直してみたりしているというお二人。改めて、学生時代のサークル活動がお二人にもたらしたものとは?
みなさんのお話を聞いて
サークル活動そのものももちろんですが、活動の中でできた仲間や尊敬できる方との出会いも、今に大きな影響を与えているということがとても印象的でした。
大学生時代の数年間の活動ですが、真剣に考え行動し、仲間と語り合った日々は、社会人になっても思い出としてだけではなく、身体にしみついた癖となり、日々成長を続ける糧になっているんだと気付かされた会でした。現在、サークル活動に励んでいる大学生にとっても、先輩方の声を聞くことで、今の活動を振り返ったり、今後のことを考える良い機会となっていたら嬉しいです。
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