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同じ作品を何回も

何の前触れも無かった。
つい数時間前までは予定にも無かった。

普段であれば無意識にスルーする衝動。
しかし何の前触れも無く"再会"はやって来る。
当時の余韻をすっかり忘れ切った頃にまた_____



昨日の夜、僕はふとある映画を思い出した。
それは1年以上前に初めて鑑賞した作品だった。

1年前に関しても別に大したきっかけがあったわけではない。
しかしそれを観終わった後には
言葉では言い表せないくらいの切ない気持ちで心が満たされたことを今でも鮮明に覚えている。

当時は1〜2ヶ月ほどその余韻に浸っていたのではないかと思う。
やはり一度味わってしまった"切なさ"というのは
とうていの間は忘れることなど出来ない。
一度その登場人物に同情し感情移入してしまったら最期、すぐに気持ちを切り替えることは難しい。


何の前触れも無かった。
つい数時間までは予定にも無かった。


しかし約1年間の期間を経て、
ふと僕はその感情移入を再び手にしたくなった。

その作品のタイトルは
『あの頃、君を追いかけた』。

この作品は俳優の山田裕貴さんと乃木坂46の斎藤飛鳥さんが主演を務める、元韓国版のリメイク作品である。
ざっくりとしたあらすじとしては
やんちゃでお調子者の山田裕貴さん演じる男子高校生と
クラスでそのお目付役を任された斎藤飛鳥さん演じる優等生のヒロインとの淡い恋愛を綴ったものである。

やはり一度心からときめいた作品というのは
いくら時間が経っても色褪せることを知らない。

1年前と変わらない切なさを昨日再び味わうことが出来た。

でもこの切ない気持ちは一体どこから来るものなのだろう?
どうしてここまで感情移入しなければならなかったのだろう?

主人公の男子の立場になっただけで
自分も同じものを失った気がしてならなくなる。そしてその切ない気持ちやその時の情景がずっと頭に残り続けるのだ。

約3年前に映画『君の膵臓を食べたい』を
初めて観た時もそうだった。

当時は切ないその気持ちを少しでも紛らわそうと
一人で聖地巡りを行ったぐらいだ。 

一度観た作品を再び一から鑑賞することほど
時間が勿体ないと思ってしまうことはない。

しかしそれでも時には
その衝動なるものを躊躇なく解放してあげてもいいのではないかと思う。

きっと人生の美しさみたいものを
また改めて実感出来るから。





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