卒業制作。手を動かして創ること。
朝の4時頃まで美大で黙々と手を動かしてなんとか作品を制作して、「終わった...!!一旦お風呂とご飯食べるために帰ろ〜〜」と友達と明朝に帰宅していた1,2年頃の生活。
それも今では学校も19時までしか残れなかったりオンラインでの授業が増えたりして、懐かしい思い出になりつつある。
特に去年なんかは、ほとんど学校にも行かず、ずっと自宅で図面を書いたり3Dのパースを制作していて。
その生活は、たしかに睡魔と戦うことはなくなって体力的にツラいなと思うことも減ったし、一人での作業も好きな自分としてはありがたい限りだけれど、何か色々と大切なものが抜け落ちたままデザインをしているような気がして、「PCの前で図面を書いたり空間をデザインするだけで本当に意味あるのかな?」と悶々としたりしていた。
そんなスッキリしない思いを抱えたまま始まった卒業制作。
12月には卒業制作も終わりを迎えるけど、改めて手を動かしてものを作ることの大切さや魅力を感じたので綴ってみた。
卒業制作
美大での4年生の大きな制作といえば、卒業制作。
いわゆる今まで大学で学んだことの集大成としての創作物をつくることになる。
去年はずっとPCに張り付いて制作していたようなスタイルばかりで、全然身体を動かしてデザインをしたりモノを作る機会がないから、卒業制作はがっつりリアルな空間を実寸設計して、手を動かして何かものを作りたいと思っていた。
多分、他のクラスメイトもそう思った人が多かったのだろう、多くの人が模型作りや3Dパースでの成果物を提出する形ではなくて、実物を作ろうとしている人が多かった。(プロダクトや展示空間など)
それで私はというと、リアルに空間をデザインしてワークショップや展示を数回行う形式のものを作っているのだけれど、これがやってみると中々思い通りにいかないことばかりで。
(最近更新が滞ってしまっていたのも卒業制作にずっと時間をとられてしまっていたのもあります、ごめんなさい)
思い通りにいかないのは、本当にキツいし大変だけれど、それも想定して研究テーマを選んだのだから受け入れるしかない。
今までと同じように…というか、大体の段取りやゴールがイメージできるようなものを半年ほどの長い時間をかけてデザインするのはなんだかつまらない気がして、いつもとは少し違う、挑戦気味の研究テーマで取り組んでみている。
だから毎日ちゃんと着地できるのかハラハラドキドキしながら、制作している。でもそのちょっと恐い感じがいい感じの刺激になってくれていて。キツい時もたくさんあるけれど、同時に作る喜びも感じられていて楽しい。
あとやっぱり学校でクラスメイトと作業する時間が好きだな、と再確認。
雑談しながら制作して、夕方になるとご飯買いに行って一緒に食べてまた制作して、時には悩み相談や愚痴を聞いたりしてなんとか納得いく形に作っていく時間。
これも今年で最後なのか〜とちょっぴり感慨深くなってしまった。
手を動かしてつくるということ
「手を動かしなさい」
美大に入ってから、散々言われてきた言葉。
今ではこの言葉の意味が実感を伴って理解できる。
手を動かす大切さって、頭では理解していても、実際にやってみないと本当の意味では、その大切さはわからないものだと思う。
まず手を動かすということにもそもそものハードルが存在する。
絵を描いたり文章を書く時に、ずっと書き続けていないと腕が鈍るように、
書いたことのない人に突然「書いて」と言っても書けないように、
モノを作るのもどう手を動かすかだったり、段取りの部分なんかが慣れていないから本当に自分の思い通りに進まない。(だから私はたくさんのできる人に助けてもらって。ありがたい限りでしかない....)
自分の思い通りにならないということは、自分の頭の中での想像を裏切る部分があるという訳で。
それは悪い面もあれば、良い面もある。
良い面で言うと、
作っていて自分のイメージと違う方向にできてしまったものが意外にも空間にマッチしていたり、
別の素材を使ってみたら上手くいったり、
偶発的にできたものが面白かったり。
そういう偶然の余白から生まれるものは、手を動かしてみることでしか発見できないもの。
体験を伴うからこそ、実感できるものってたくさんある。
それを改めて今回の卒業制作でとてもとても実感している。
オンラインなどで情報や色んなものに気軽にアクセスできるようになったからこそ、改めて画面上では完結しない、実際の身体感覚を伴った体験というのがとても貴重なものだと思わせられる。
そしてやっぱり、自分は身体感覚を伴うような、手を動かして作ることが好きなんだな〜と思った。
自分の"好き"はこれからも大切にしていきたい、
卒業制作もあとひと踏ん張り。最後まで頑張ろう〜〜
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