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2023年11月読んでよかった本

今回は2023年11月に読んだ本の中から、読んで良かった4冊を紹介する。

先月「減速して生きる ダウンシフターズ」という本を読んだのだが、今月も引き続き『頑張らない』をテーマにした本を読んだ。


  次の時代を、先に生きる。

GDPなど上がらずとも、社会は成り立つし、むしろ経済成長至上主義と違う選択肢を有する方が、人々の健康で文化的な暮らしが実現可能なのだ。価値観を変えるためにも、私はGDPを下げたいのである。GDPを下げたのに、幸せな人が増えることを示したいのである。

次の時代を、先に生きる。

千葉県でお米と大豆の農業を教えながら、東京で小さなBarを営んでいる髙坂勝さんが書いた本。

半農半X (Xには天職や使命、生きがい、大好きなこと、ライフワークなどが入る)という生き方を勧め、具体的な地方移住の方法や、地方でできるライフワークの見つけ方など、実例も交えて説明していて面白い。

農業と言うと、広い土地とかなりの労力が要ると思っていたが、お米の自給であれば小さな面積の田んぼに、年間に20日の作業でできるという。
今まで200組くらいにお米作りを教えてきたが、作れなかった人はいないそうだ。

ちなみにこの本、移住する方自身だけでなく、その子どもの教育に関しても解説されていて良かった

私はこれを読んで、FIREの目標に地方移住を組み合わせれば、もっと楽に生きれるのでは?と思うようになった。

よし、もっと楽に生きる道を模索しよう。

  暇と退屈の倫理学

苦しむことはもちろん苦しい。しかし、自分を行為に駆り立ててくれる動機がないこと、それはもっと苦しいのだ。何をしてよいのか分からないというこの退屈の苦しみ。それから逃れるためであれば、外から与えられる負荷や苦しみなどものの数ではない。

暇と退屈の倫理学

私たちを不意に襲い、いたたまれなくする暇と退屈について、
哲学や倫理学はもちろん、経済学や心理学、生物学など様々な学問分野の知見を織り交ぜて書かれた本。

特に『退屈論といえば』と言われるほどの、ハイデガーの哲学にも反論しているのは「え、そこまで覆しちゃうの⁈」と驚いた。

文章は易しいので、読み進めることはできるのだが、内容をきちんと理解するためには、何回も読み直す必要がある。

そのため、「11月読んでよかった本」にランクインさせたが、読み始めたのは9月だ。

これを読んだからと言って、暇と退屈を消し去れるわけでもなく、
著者も「決して結論から読まないでほしい」と述べている。

「どう暇と退屈に向き合うか」の答えを知るためではなく、暇と退屈について考えること自体の価値を知らせてくれる本だった。

  クスノキの番人

「重要なのは、まさにその点です。あなたには単に管理人の仕事だけをしてもらいたいわけではありません。それは二の次です。あなたに命じたいのは夜中の仕事。それこそがクスノキの番人の本当の役目なのです」

クスノキの番人

サスペンス小説が好きで、東野圭吾さんの作品もよく読む。

この『クスノキの番人』もサスペンスかと思っていたのだが、中身は感動的な人情あふれる小説であった。

主人公の玲斗が、不遇な生い立ちから罪をおかして逮捕され、伯母の千舟の元でクスノキの番人となり、成長していく物語。

初めは言葉遣いも態度も子供のようであった玲斗が、少しづつ大人びていく表現は流石としか言いようがない。

そういえば、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』なんてのも昔読んで感動した。

また読み直そうかな。

  番外編:杜子春

「どうだな。おれの弟子になったところが、とても仙人にはなれはすまい」
 片目眇すがめの老人は微笑を含みながら言いました。
「なれません。なれませんが、しかし私わたしはなれなかったことも、反って嬉しい気がするのです」

杜子春

これは「読んだ」というより「ブラインドタッチの練習に使った」という方が正しい。一日一章ずつ、杜子春を写していったのだ。

初めて読んだのは小学生の時であったが、それからずっと好きな小説の上位に君臨し続ける。そのくらい、杜子春が大好きなのである。

次は、江戸川乱歩の『押絵と旅する男』を写そうかな。




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