目指したのは、「泊まれる発酵建築」?
こんばんは!
近所のスーパーのアイスコーナーから消えたと思っていた、和紅茶パルムが密かに復活していて喜びに震えています。中窪です。
前回の記事で、「地域世帯キッチン」という新規事業の準備中です!ということをお話させて頂いたのですが、今回のテーマはそこに至るまでの経緯について。
10月から働いていた3ヶ月間の間に、ゴロンゴロンと話があっちにこっちに転がり展開していった過程をお届けします。
本日も、お付き合いいただければ幸いです。
若い人は漬物食べないですと言った
実はいちばん最初、この漬物のざっくりとした事業内容は「若い人に漬物の定期便を」というものでした。
定期便という点では変わりませんが、「地域世帯キッチン」に一直線に来たわけではないんです。
楢葉町に越してくる少し前から、zoomで女将とやり取りはしていたので「町で教わったステキな漬物をなんとか残していきたい、だからそれに関する事業を始めたい」という様なことは聞いておりました。
しかし、私はもともと「漬物」への熱い想いから働き始めたわけでもなかったので、画面越しに相槌を打ち話に耳を傾けながらも、いまいちピンと来ず。
勿論、漬物は嫌いじゃないです。
幼い頃祖母が持ってきてくれた、キュウリの浅漬やらぬか漬けは一人でバクバク食べてはいたし、大学生になった今も、居酒屋でナスの一本漬けがあれば頼みますし。あれ、好き。
だけど、「若い人に食べてほしいんだけど、正直なところ、若い人達って漬物どのくらい食べる?」と女将に真剣に聞かれれば、
"いや、あんまり…勿論好きな人もいるだろうけど、お金払ってまでめっちゃくちゃ食べたい、って人って多くはないかな…と、思います。"
と正直に答えるしかありませんでした。
自分が若い人の代表のごとく答えて良いのかは甚だ怪しかったですが、実際にその後の20代の人達にリサーチを重ねても、似たような答えばかり。「このままでは駄目だ」ということで、方向転換を迫られるに至ります。
めざすは、「泊まれる発酵建築」!
そのまんまの漬物を若者に売って食べて欲しい、だけじゃ駄目なら。
ということで、若者たちにリサーチして見えてきたのは
■いや、漬物そのまんまは買わんわ
■食べやすくアレンジされたやつなら食べたりもするけど
(例:いぶりがっこチーズ)
■だって、ご飯を食べるおかずにならんもん
ということ。
この話をお店に来ていた50代以上のお客さん達にしたら、「え〜、ご飯と漬物がいいのに」と嘆いていましたが。笑
そんな中、色々と案を出しながら考えていくと、次第に「定期便」ではなく「漬物を自分で漬ける、という体験ごと若者に売る」というのはどうか?という話になっていきました。
ただの漬物づくり体験じゃなくて、「漬物を漬けるのに最適な建築空間をつくって、そこに泊まってもらって、地域の暮らしも体験してもらおう。」というものです。
そしてサービス名を「発酵STAY」と名付け、その方向で進めていくことに。
発酵する建築を求めて
じゃあ漬物を漬けるのに最適な建築空間とはなんぞや、ということになりますが、要は、漬物を漬ける…つまり、微生物が美味しく発酵する建築空間、ということです。
まだまだ科学的根拠は足りていないものの、美味しく漬物を発酵させる条件の一つとして「建築空間」がある、という一説があります。
具体的に言うと、真新しい建物では発酵のための菌が足りない、ということや建築の素材によっても変わってくる、ということだったり。
(韓国でマッコリを醸造されている方のとっても興味深いサイト。コロナが落ち着いたら視察に行ってみたい。。。)
チーズとかお酒とかのつくり方を考えれば、納得しやすいですよね。
そんなわけで、今度は「結のはじまりの店舗を、漬物を漬けるのに最適な建築空間に一部改装しよう、そんでそこに泊まりに来てもらえるようにしよう」という方向に話が進んでいきました。結局その話は一旦見送る、という結論になるのですが、この激しい迷走にも見える経緯を辿った理由についてはまた次回。
本日もここまで読んでくださり、ありがとうございました。明日は晴れです。
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