社内プレゼン

【1,500円以上の投資価値は確実にある】社内プレゼンの資料作成術/前田鎌利さん→”役に立ったところ”と”そうでないところ”

「社内プレゼンの資料作成術/前田鎌利さん著」を読んだので、その書評を書きたいと思います。

ただこの記事を読んでいただいた方が

この本を読むor読まないのジャッジ(つまり1,500円位を払う払わない)

ができないと、読んでいただく意味がないのと思うので、自分の職場環境に触れながら、リアリティのある書評を書きたいなと思います。

●結論(この本に投資以上の価値はあるか?)

1,500円以上の投資価値は確実にある。
(kindle版:1,426円/単行本版:1,760円)

(と述べたのですが、上記に嘘はないのですが、このnoteを書くにあたり、色々検索していたら、結構Webに無料で公開されているのを発見しました。その意味ではわざわざ買わなくてもいいかもしれない・・・・ということで、URL貼っておきます。。。)

さて、本題に戻し、以下でその理由(投資価値ありの理由)を述べていきます。

●「この本に価値アリ」と思った自分の職場環境(以下に共感してもらえるのであれば、投資対効果あり)

・創業期の4名の時にジョイン
・経営者とMTGすることが多い
・創業から年数もたち、事業規模拡大
・SaaS事業ということもあり、各機能組織(マーケ、セールス、CS・・・)の決裁はある程度経営者に集中する(複合事業体ではないので、バリューチェーン毎の足並みを揃える/バランスをとる必要性が高い)
・そうすると、経営者の時間がほんとに取れなくなる(マジでMTGが入れられない)
・カレンダーは5分刻みでいれるのが全社ルール
・経営者は様々な領域の事案が上がってくるのを打ち返しながら決裁しないといけない
・ちょっとプレゼンにノイズがあると「出直してきて」になる
・そうすると自分で計画していたPJTのスケジュールが想定通りに進まなくなる(企画~承認フェーズが延びる)
・PJTが遅延した時に「なんでこんな時間かかっているの?」と怒られる

●そんな自分が読んだ、この本の概要

・経営者など時間の限られたビジネスパーソンに対して、稟議を通すための”資料作成”について書かれた本
・なので、「企画の通し方」において「企画を通そうとするときの資料」にフォーカスして書かれた本
・プレゼンについて書かれているわけではない(資料が完璧であれば、資料を読むだけで、それが適切なプレゼンになる、という考え方)
・企画の”考え方”について書かれているわけでもない
・で、その粒度が非常に細かく書かれている(稟議資料PPTイメージが沢山出てくる)ので、「明日から使える」系のノウハウ本である

●役に立った点(これは確かにそうだ!とおもった点)

・社内で企画を通す際に立ちはだかる”リアルな壁”にも解を提示
→例を用いて説明します。例えば「プレゼンを小分けにし、”陣地”を徐々に広げる」という主張があります。ターゲットが時間のない経営者なので、本の主張としては「資料は5~9P」「プレゼンは3~5分」という”枠”が掟の最初に来ます。
ここで、企画を上げる側の「一気に承認をとって、一気にPJTを進めたい」という欲求とコンフリクトします。
それでも尚、プレゼンを小分けにし、承認を細かく取りにいくことが推奨されます。
「一気に承認を取りに行って『よく分からない』と言われて、一歩も陣地が広がっていない」状況を最もNGなこととしています。このような”リアルな壁”にもきちんと答えてくれています。

・プレゼンストーリーの作り方を”言語情報”だけでなく”PPTのページネーションレベル”で解説してくれる
→これが非常にありがたいです。そりゃ本が「社内プレゼンの資料作成術」ですから、そのノウハウがこの本にも活かされています。(当たり前と言えば当たり前か)こんな感じ。

社内プレゼン②

・かゆい所に手が届いている
→APPENDIXの使い方は何となくわかっているつもりでしたが、「どこまでもAPPENDIXにいれるのか?」というのは難しいものです。この本では、例を用いて説明してくれています。(一方で、会社によっては文化が違うし、決裁者のタイプも違うので、一概にこうではない、とも言われています)こんな感じ。

社内プレゼン③_APPENDIX

【その他の”かゆい所に手が届いているポイント”】
・「2案出して決裁者に選ばせる」という”オプション効果”なるものを狙いに行く時の注意事項として、「方向性が分かれる2案をだしてはいけない」「方向性は同じで、変数(コストや必要準備期間など)の大小/長短が違う2案を出すべき」などまで言及されている。


・人間が一度に視覚認知できる文字数は「9字~13字」だから、思い切って削る。で、決裁者の方が会社を俯瞰してみているから「文字数を減らしたら、伝わり切らないのでは?」という不安は不要、という言及がされている。

・決裁者の「スライド把握力」を相対的に上げる、という考え方。報告テンプレートを統一しましょう、という話は当たり前と言えば当たり前ですし、自社でも経営者から「フォーマットがバラバラでわかりづらいから統一して」ということは言われていました。それが、他の会社でも同じなんだな、という安心材料を得ることができた。

・「右脳」と「左脳」と「ページ内レイアウト」の関係として、ビジュアルをページ”左”、テキスト情報をページ”右”におく、という人間の構造に基づいた解説。そこに付随して、プレゼン時には決裁者の「左目を見て話す(=自分というビジュアル情報を強く印象に残す)」というテクニックが導かれている。

・プレゼンの根拠となるデータは「画像検索」し、かつ「期間指定」と「画質」で絞る、という細かいテクニック

●もう少しここが欲しかった、という点

この本で言われているメソッドは、著者の前田さんが築く前には何がスタンダードだったのか?それが違うものであれば、どう変化してきたのか?は触れられていると面白かったと思います。(まあ、重要でないので、あとがきとかでいいのですが)

●それは違うんじゃないか?という点

正直、ここはあまりなかったです。(同時に自分の力の無さも感じた・・・)

●最後に

ここまで色々と説明してきたわけですが、冒頭にも記載した通り、ダイヤモンド社のWeb記事にダイジェスト版が無料で公開されています。それを読んでいただくと、上記の話がもっとはやく分かります ww

それをよんでいただくのが一番いいかも。ww


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