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感性はどう育っていくのか

世の中には複数の道を極めている人がいます

「文武両道」なんて言いますが
オリンピック選手であることに加えて楽器演奏者だとか
お医者さんや博士だけど同時にピアニストだとか

2019年に行われたラグビーワールドカップで
代表選手だった福岡選手が医学部生で
お医者さんを目指しているというのも
みなさん記憶に新しいところでしょう

こういった人たちがしていることというのは
基本的には「積み重ね」です

その積み重ねのきっかけになるのは「興味」であり
「興味」を喚起するものこそが「感性」なんですね

すべての人が生まれながらにして感性は持っていますから
その感性をどれだけ引き出せるか、なんです

そのために私たち大人が子どもたちに対してできることは
感性を刺激し、伸ばしていく経験を
たくさん提供してあげることです

じゃあいろんな習い事をさせればいいかというと
そういうわけじゃないんです
子どもの時間を奪いすぎることも良くないですから

そうじゃなくって
子どもの感性って日々のコミュニケーションで
培われていくものでもあるんですよ

例えばお母さんがきれいなお花をみて
「うわぁ、きれいなお花、いい香りだわー」と言う
そのときのお母さんってきっとすごく嬉しそうですよね
そんな姿を子どもに見せるだけでも感性って育つんです

大人がいまどんなことを感じているか
それを示すことで子どもの感性が開花するんですよ

また、危ないものをわからせるときも同じことが言えますね
沸騰したヤカンを触ったら火傷するっていうことを
どうやって子どもは理解していくのかといったら
大人が触って「アチッ!」とか言ってるのを
子どもは一生懸命見て学んでいく

危ないことを教えるよりも
感性を育てるほうが時間がかかるかもしれませんが
でもそうやって大人が見せていくことは必要なことです

なぜなら子どもって親を必死で見ているから
親の顔色を伺っているし
親が興味を示さないものは子どももやらなくなるんです
「やっちゃいけない」と思うようになる

その証拠に
思い出話なんかするとしますよね

おばあちゃんはこれをすごく大切にしてたとか
毎日◯◯を眺めてきれいに磨いてたとか
自分のためにお菓子作ってくれたとか
いつもお弁当には◯◯を入れてくれたとか

そういう話がたくさん出てくるわけです

みなさんにもそんな記憶があるんじゃないでしょうか
つまりそれくらい子どもは大人を見ているし
記憶に残っているということは
しっかり伝わっているということなんですよ

だから親が見せていくことってすごく重要です

また、見せるだけじゃなくて
親が働きかけていくことも大切です

子どもは親から見ればよくわからないことを
していたりしますが
例えばなんだか変な踊りを踊っていたりしたら
「面白い!なにそれ?もっとやってー!」なんて言ってあげると
調子にのってどんどん楽しんでやるわけです

それはお母さんが喜んでいるから
嬉しいことなんだ!と思ってやるんですよね
まるで鏡のようでしょう

親は子どもが何をやってるのかはわからなくてもいいんです
とにかく言葉をかけてあげること

「すごいね!楽しそうだね!」とか
「それ好きなの?」とか

そんな毎日の小さな積み重ねで
感性は磨かれていくんですよ

そういう声掛けってつまり
その子を「肯定すること」に他ならない
子育てはそこに尽きると言ってもいいでしょう

肯定してもらって育った子どもは
感性がきちんと育って
自分でものごとを判断できるようになっていきます

でもそうじゃなかったら
自分で判断ができない大人になってしまいかねない
それってすごく悲しいことですね

子どもが成長して大人になったとき
その親が子どもの人生に必要以上に介入しすぎていないってことが
すごく幸せなことなんです

私の場合はいま子育ては終わって
二人の娘は巣立ちましたが
むしろ今は娘たちのほうが
「お母さん大丈夫かなぁ」って思ってくれてるみたい(笑)
ありがたいなぁって思います

だから私も最期のときまで笑って過ごせていたら最高だし
そんな私を見て娘たちが
「好きなことして幸せなのね」って思ってもらえたら
彼女たちも幸せなんじゃないかなって思うんですよ

2021.6.30
下向峰子


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