猛暑でも楽しい料理!『生姜を効かせた炙りヒラメの中華粥』の作り方と『アジフライ』のお話。
こんにちは、『小山嶺子のはらぺこ散歩。』第58回目の配信です。
このチャンネルは、三度の食事よりも考えごとに没頭し、答え探しのお散歩に出かけてしまうフードアーティストの小山嶺子が、お散歩を経て気づいた料理やアート、人生の学びをお話します。あなたのお散歩のお供にご視聴いただける、“考える人”のための番組です。
ラジオにレター(質問)をいただきました!
7月29日、 土曜日です。なかなかいいペースでラジオ配信ができてます。やったね。本日は、レターをいただいておりますので、返信回です。ちょっと長くなりそうなので、まずはレターを読みます。
『でこぼこ音声レシピ』さんからいただきました。ありがとうございます!
ということで、今日のトークテーマは“猛暑に食べたい魚料理”と、いたしましょう。
食べながら骨を取るのが苦手・・・静岡県沼津市の給食事情。
まず、「いつも魚をどうやって食べますか?」についてなんですけど、頻度としてはお刺身が一番多いです。
実はですね、煮付けのタレの味とかは大好きではあるんですけど、お恥ずかしながらお魚の骨を取るのが面倒くさいという弱点がありまして。握り寿司とかお刺身を丼やちらし寿司にして食べるのが一番楽チンで好きです。
これは多分、育った土地柄かもしれません。わたしは、静岡県沼津市という鯵の干物が名産の地域で生まれ育ったので、小学校の給食でも鯵の干物がよく出てきました。
もう一度言いますが、味は大好きです!
ただ、子供心としては、骨をとって食べるのが面倒で面倒で・・・。しかも、わたしは、食べるのが遅かったので、早く食べなきゃ居残りさせられるという気持ちもあって、給食が干物の日はブルーな気持ちでした。(当時、食べ切るまで教室の端で居残りタイプの学校でした!)
そのせいか、大人になってからも味は好きだけど、そんなに頻繁には食べないです。
つくるのが一番好きな魚料理は、アジフライ!
ただ、捌いたり調理するのは好きなので、つくるのはアジフライが一番好きですね。わたしの場合、食べてくれる人さえいれば、つくる時の手間はそれほど気にならないです。
週二日、料理教室の委任講師をしているのですが、今月の基礎料理のコースでは、ちょうどタイムリーなことに鯵を三枚おろしにしてつくるアジフライのレッスンが大人気です。
連日、盛況で満席になることも多いです。やっぱり、料理を習うからには魚を下ろしてみたいですよね。夏休みということもあって、小学生から大人まで男女比率としても同等くらいに担当しています。
ほとんどの方が初めて魚を下すので、テーブルの周りをぐるぐるぐるぐる回って、てんやわんやしています(笑)他のレッスンと比べても、魚料理はイベントチックな楽しさがありますね。
レッスンが終わった後は、教える方もぐったりしますが、生徒様は皆さん悔しそうな方もいれば、初めて体験する出来事に満足されていたりと、とても表情が豊かなので、満足度の高いものになったのだなぁと実感ができるし、清々しい気持ちにもなります。
わたし自身も、アジフライを家でつくるときには、姉たちも呼んで、イベントチックに料理してます。「今日は、アジフライだよ!」の合図で集合をかけるという具合です。
普段、一人で食事をすることが多いのですが、魚料理は、一人で食べるよりも誰かと食べた方がちゃんと美味しく食べられるなぁと思います。
ハラ・セ・セ・ハラ
ところで…今でこそ、何も難しいことは考えずにささっと一尾を5分もかからないくらいで捌くことができますが、専門学校で初めて魚を捌いたときには、超がつくほどの劣等生でした!
三枚おろしといえば、「ハラ・セ・セ・ハラ」という合言葉が有名です。これは腹側から開き、背中を開いて、中骨から剥がす。そして、背中を開いて、最後に腹を開いて中骨から剥がすという手順のことです。(ちなみに昔は、「セ・ハラ・セ・ハラ」だったそうな。要は、片面ずつ剥がすのだぞ!という意味です。)
今も教えるときには、この言葉をお伝えするんですが、当時のわたしは、全然意味がわかりませんでした。
その理由は、正解を知らなかったからです。
たとえ初心者であっても、一度でも手順を調べて動画や写真を見ていれば、口頭で説明されても「あ〜、あれのことかな。」と腑に落ちたと思います。
でも、全くそうしたことをしないまま、まっさらな状態で、いきなり耳で説明を聞くまま、ぶっつけ本番だったので、大困惑。「難しい」という思い込みが強くなりました。
でも、それから繰り返し自分で練習したりして、もうすっかり身体が覚えたので、今は楽しいです。
なので、生徒様にも、なるべく早いうちにYouTubeなどで三枚おろしの手元動画を確認してから、一気に三尾、おろしてみることをお勧めしています。
一気に三から四尾、繰り返せば、ほとんどの方は手順が覚えられます。料理教室では、そんなお話を交えながらレッスンを進めています。
猛暑でも楽しい料理!!
『生姜を効かせた炙りヒラメの中華粥』
さて、もう一つのご質問です。せっかくなので、メニューを考案してみました。
メニュー名は、『生姜を効かせた炙りヒラメの中華粥』です。
凝った料理に見えますが、実は意外にも放っておけば良いです。
それでは、ざっくりと作り方をご案内しますね!
生姜を効かせた中華粥の作り方
中華粥は、生米の状態から鍋で加熱をします。絶賛夏バテ中の方にとっては、米1合で3人分ほどの量というのが目安です。
米を洗ったら、しっかり水気を切って、大きめの鍋に入れてください。米に対して10倍の水を入れるので、鍋は大きめがいいです!
そこに、ごま油やオリーブオイルなど、作りたい風味の油を回し入れます。量は測るなら小さじ1くらいですかね。
そして、醤油をひとまわし。これも、濃い味つけにしたい方は小さじ1〜2くらいです。
そこに、千切りにした生姜を入れます。今回は、付け合わせに葉生姜を用意したので、生で食べるには繊維が残ってしまう硬い茎の部分を全部入れてしまいました。生姜の成分を米に移したいだけなので、そんな使い方で良いです。ちなみに米が柔らかくなる頃には、食感も柔らかくなりますよ!
そして、先ほども言ったように、お水を米に対して10倍くらい入れます。米一合ならば、1800mlくらい水分を入れるということです。結構多め。
そして、今回、一番大事なのが魚介出汁です!
私のおすすめは、あごだしです。しっかりと魚の風味が感じられるので、味はもちろん香りを楽しむことで多少なりと、夏バテ中にも食欲を誘うことができます。
もし、マイルドな風味が好きな場合は、洋食料理で使われる『フュメ・ド・ポワソン』がおすすめです。洋食の魚介出汁ですが、野菜やハーブも一緒に煮出して顆粒にされたものなので、日本のあごだしよりも甘味のある香りで、子供も食べやすいです。スーパーのコンソメやデミグラスソースが売っているエリアにあると思うので、探してみてください。
さて、パックの出汁はそのままパックごと、顆粒の場合はそれを入れて、一混ぜしたら、あとはあまり混ぜなくていいです。混ぜすぎると粘りが出てきて中華粥のサラッとした感じにならないので、時々混ぜる程度にして、20分ほど加熱します。
この時のポイントは、火加減です。
いわゆる弱火とか中火ではなくて、鍋の中の様子に合わせて火を調整しましょう!米がぴょんぴょんと数粒ずつ楽しそうに跳ねるくらいの火加減です。ぴょんぴょんというのがポイントです。
水がボコボコと大きな泡を出して沸き立ちながら大量の米がビュンビュン動き回る火加減では強すぎるので、鍋のサイズや火力によって調整してくださいね。
一般的には弱めの中火といったところかと思います。
なぜ、火加減が強すぎてはいけないのかというと、粘りが出過ぎてしまうというのがひとつ。それと、米が切れてしまうというのも、ひとつです。
中華粥は、日本のお粥と違って、さらっとした食感が特徴で、暑い時期にも食べやすいです。
出来上がりの目安は、食べてみて芯がなく柔らかくなっていればokです。
花が開いたような米が完成の目安
中華粥ならではの見極めとして、米が花が開いたような見た目になったら・・・というのがあります。
これは、米が、細長くなって、ギザギザに切れ目が入ったような状態のことです。中国の人は、それを「花が開いたような」という表現をします。そうした見た目は、とても縁起がいい料理という意味になるそうです。(食欲がない時は、願掛けも大事!)
なんか、素敵ですよね!ぜひ、ものは試しにチャレンジしてみてくださいね。
ワンランクアップとしてお刺身をプラス
さて、これだけで既に完成なのですが、もしワンランクアップの手間をかけてみるならば、白身魚のお刺身を買ってきてください。切ってあるのでもいいですよ!
わたしは、ヒラメのお刺身を選びました。歯応えがあって、柔らかいお粥との食感が相性が良いです。
そのまま上に乗せるだけでもいいし、生魚に抵抗がある場合には、そのままお粥に入れちゃいましょう。余熱で十分に火が入るので、入れて混ぜるだけでokです!
わくわくするような料理にしたい方は、ガスコンロの火でさっと炙ってください。コンロの上でしゃぶしゃぶみたいに数回ゆらゆらするだけで、香りが引き立ちます。
IHの場合は、よーく熱したフライパンで10秒ほど加熱するでもいいです。
そのお刺身をお粥の上に乗せて、最後にごま油やオリーブオイルをかければ完成です!!!
そうそう、レモンを絞ってかけるのがたまらなく美味しいですよ!
細かく切ったネギや大葉を乗せたり野菜を乗せたりして、冷たい状態で食べても、温かいまま食べても美味しくて楽しいです。めちゃくちゃ美味しいので、ぜひ、やってみて欲しいです。
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それでは、今日はここまでです。明日もいい一日にしましょうね。
Live, Love, Laugh, and Be…HAPPY.
2023/07/29
Mineko Koyama
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