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Week 6-6 医療、教育、ビジネスへの導入

マインドフルネスの効果が期待出来る分野として、
Health Care(医療)
Education(教育)
Work(労働)
の3つの分野がよく取り上げられます。

今日は、この中で、マインドフルネスのWork(労働)への導入を話し合うカンファレンスがUC Berkeleyでおこなわれましたので、紹介します。

会場は200人を超す参加者でほぼ満席、最初にどのような背景の参加者であるか質問があり、参加者が挙手。

企業関係者(CEOやHR担当者など)、医療関係者、大学などの研究者、NPO関係者、マインドフルネ関連のビジネス関係者などが参加していることが分かりました。

キーノートスピーチでは、“The Emotional Life of Your Brain”の作者でもある Richard J. Davidson氏が口演し、マインドフルネスの脳への効用を分かりやすく説明してくれました。(The Emotional Life of Your Brainは、茂木健一郎氏の訳で“脳には、自分を変える「6つの力」がある。―前向き、共感、集中力、直感…etc.”という題名で日本でも出版されています。)

マインドフルネストレーニングをおこなうことで、Change brain circuit脳の回路が変化する、Plasticity神経細胞の可塑性があがる、Modulate脳のバランスを調整するなど、脳への直接の効果があるということでした。

また、Mind wanderingマインドワンダリング(さまよう脳)の状態は、仕事の生産性が上がらないだけでなく、not happy幸せにならないことを実験などのエビデンスを用いて説明してくれました。

HappinessをNeuroscience脳科学とPsychology心理学の側面から研究しているDavidson氏ですが、
最後に、ダライラマと日本の科学者(利根川進氏)とのやり取りエピソードを紹介していました。

日本の科学者がダライラマに
「これまで一番幸せだった時はいつですか?」
と質問したんだ。

ダライラマは、すぐにこう答えたよ
「Right Now!(今、この時だ)」と。

このエピソードは以前、CNNに出演した際にも紹介しているようです。
その時のTranscriptはこちらhttp://edition.cnn.com/TRANSCRIPTS/0611/26/se.01.html


マインドフルネスは、ストレス軽減とともに、生産性の向上に繋がることも分かってきています。

「生産性」は定義が難しいところですが、労働損失(プレゼンティーイズム、アブセンティーイズム)を軽減する効果が示されています。

このようなポジティブなエビデンスから、マインドフルネスの労働現場への導入はかなりの効果が期待できるため、健康経営の一環として取り入れる企業が増えてきています。

しかし、その導入にあたっては、慎重に、丁寧に現場の理解を得る必要があります。

マインドフルネス≠瞑想

よくあるマインドフルネスに対する誤解は、「マインドフルネス=瞑想」と考えられていることです。

目を閉じて呼吸に集中することがマインドフルネスプラクティスの中心であるのは確かなので、「マインドフルネス=瞑想」というイメージがあるのは仕方のないことかもしれません。

しかし、「瞑想」と言ってしまうと、スピリチュアルなイメージも加わり、何かいかがわしいものであるかのように思って敬遠する人もいるようです。

正確には、マインドフルネスプラクティスの一部が瞑想であると言えます。

また、瞑想にも色々な瞑想の種類がありますので、簡単ではありません。

マインドフルネスを実践する皆さんは、既に分かっていることかもしれませんが、もし、人から「マインドフルネスって、瞑想のことでしょ。」と言われた場合には、それだけではないことを伝えていって欲しいのです。

その他、マインドフルネスに対する誤解をまとめてみました。

×Calm down:落ち着かせる。
→○Wake up:マインドフルネストレーニングにより、脳は覚醒します。ただし、過剰に興奮している脳を落ち着かせる効果もあります。

×Slow:ゆっくり
→○Sharp:感覚を研ぎ澄まし、 Mental Speed upメンタルスピードは上がります。

×Long time:時間がかかる
→○Short:もちろん長いプラクティスが出来れば理想ですが、1日10分のトレーニングでも効果を上げることが出来ます。

×Spiritual:精神的なもの、非科学的なもの
→○Scientific:脳機能の研究などにより科学的なエビデンスも証明されています。

×Individual:個人的なもの
→○Organizational:もちろん個人的なプラクティスも大切ですが、組織全体で取り組むことにより、継続出来る、人との繋がりが強くなるなど、大きな効用をもたらします。

×Only sitting:座って瞑想するだけ
→○Everytime :仕事や日常生活の色々な場面でマインドフルになれる場面はたくさんあります。Mindful EatingやMindful walkingなどもその一つです。

単に、マインドフルネスがこのようなイメージで捉えられていることも現状であり、特に学校や職場にマインドフルネスを導入する際には、これらを丁寧に説明することが必要です。


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