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瞑想で精神のバランスが崩れた事例を紹介

瞑想の危険を知らない

大阪マインドフルネス研究所では、マインドフルネスや瞑想を書籍やネット、YouTubeなどの情報を元にして、独学で取り組むことをお勧めしない立場を取っています。

理由は、瞑想には危険性があるからです!!

瞑想の危険性について警鐘をならしている人が少ないため、瞑想のリスクや誤った方法で続けるとどうなるか?を知っている人がほぼいません。

私が知る限り、教えてくれる所もありません。

瞑想の危険性について、ネットで検索しても極めて少数の記事しかヒットしません。


瞑想は可能性を広げてくれるが

マインドフルネスや瞑想は、私たちの悩みや問題を解決し、能力を高め、人生の可能性を広げてくれる素晴らしい実践です。

しかしそこには「正しく実践すれば」という前提があります。

当たり前の話ですが、瞑想に限らず何事も間違った実践をいくら続けようが、自身が望むような変化は訪れません。

間違った実践を続けることで、実践する前より状態が悪くなることもあります。

瞑想の場合、間違った実践を続けると、精神のバランスが崩れたり、不安定になったり、人間関係に問題が生じることがあります。

抑うつが酷くなったり、抱えている精神疾患が酷くなることもあります。

間違った実践を続けて効果がないのはまだマシです。

ここからは瞑想に自己流で取り組んだ結果、心身の状態が悪化した事例を2つ紹介しようと思います。

これは私が当人やその家族から直接、相談を受けた内容です。もちろん人物を特定できないよう、内容をぼかしています。


①精神科に強制入院

ある20代前半の男性が、YouTubeで配信されていたマインドフルネス瞑想の取り組み方を参考に、実践を始めました。

実践して3週間たった頃、言動や行動が大きく変化します。それまで口にするようなことがなかった暴力的な言動やそれに伴う行動が増えてきたのです。

彼の家族や友人もその変わり様に恐怖や不安を覚えます。

それから数週間後、彼は幻覚が見えるようになり、同時に幻聴も聞こえるようになりました。幻覚や幻聴のせいなのか言動や行動はさらに過激になります。

日に日に独り言が増え、目は焦点が定まらないようになり、家族や友人とまともにコミュニケーションを取ることが難しくなっていきました。

それから数日後、商業施設で暴れている所を警察に保護され、そのまま精神科に強制入院となったのです。精神科では重度の統合失調症と診断されました。

YouTubeで配信されているマインドフルネス瞑想の動画を見て、瞑想を実践する前は、どこにでもいる普通の若者でした。それがわずか2か月ほどで精神状態が大きく変わったのです。

②うつ病が悪化した

うつ病を抱えている30代の女性は数年間、投薬治療を受けていました。

何年も毎日、薬を飲んでいるにも関わらず症状の改善が見られないことから、投薬治療に疑問を持ちます。

うつ病の改善に良いと言われる方法をネットや本屋で探していたところ、あるマインドフルネスの本に出会います。

「うつ病の改善に良い」「薬よりも効果的」「エビデンスもある」という情報を見てマインドフルネスに興味を持ったのです。

その本で紹介されている方法を元に、自宅で取り組み始めました。同時にネットやYouTubeで配信されている瞑想の動画も参考にしたそうです。

取り組んでから数日は、睡眠が深くなったり心が落ち着いたりという効果がありました。

しかし次第にその効果も薄れていき、逆にネガティブな思考や感情が浮かびやすくなったのです。

浮かんでくるネガティブな思考や感情を追い払おうと、さらに瞑想に取り組みましたが、ネガティブな思考や感情は強くなるばかりです。

その状態が慢性化し、うつ病の症状は瞑想に取り組む前よりも酷くなっていきました。そしてついには家から出ることが出来なくなったのです。


昔から瞑想の危険性は指摘されていた

この他にも同じような相談をいくつか受けています。

瞑想ブームのおかげで、瞑想の実践法などの情報がネットに溢れるようになりました。無責任で間違った情報もたくさん。

それらを元に独学で実践し、心身の状態が悪くなった人はたくさんいるのではないでしょうか?

こんなことはニュースにもなりません。統計もありません。

ある精神科医によると、瞑想ブームが始まってから精神のバランスを崩す人が明らかに増えているそうです。

その患者の多くが瞑想に取り組んでいたと言います。

精神科医が言うには、知識もない瞑想指導者が無責任に瞑想を教えていることが大きな原因だと。

たしかにロクでもない瞑想指導者が増えているのは事実です。

禅の世界にも「禅病」という瞑想の危険性を指摘した言葉があります。

これは誤った座禅(瞑想)を続けることで、抑うつ状態、統合失調症や自律神経失調症などが現れる症状です。

江戸中期の臨済宗の禅僧、白隠慧鶴(はくいんえかく)も禅病を経験したことは有名です。

昔から瞑想の危険性は指摘されているのです。


正しく実践すれば怖くない

ここまで読まれてきて「マインドフルネスや瞑想は怖い」「そんなに危険ならば取り組みたくない」と不安な気持ちになった人がいるかもしれません。

しかしそのような心配は無用です。

たしかに間違ったマインドフルネスや瞑想の実践には危険性がありますが、正しい段階を経て取り組めば心配無用です。

包丁と同じです。包丁も正しく使えば美味しい料理を作る優秀な道具となりますが、誤って使えばケガや人を傷つける道具にもなります。

何事も使い方次第、取り組み方次第です。正しく取り組めば瞑想に危険はありません。

私は10年以上に渡り、1000人を超える人に瞑想を指導してきましたが、状態が悪くなった人は一人もいません。

正しく取り組めば問題はないのです。



プロフィール
西山 純一 
大阪マインドフルネス研究所
https://www.mindfulness-lab.com/

メンタルトレーナーとして多くのプロアスリートや経営者、アーティスト、医療従事者、教師や心理士、学生やビジネスマンなど幅広い人にマインドフルネスをベースとしたマインドの使い方やメンタルコントロール、食事改善や運動、ダイエットを指導。

指導歴は18年 1000人を優に超える人達に指導してきた。

20代前半でアメリカのパーソナルトレーナー資格を取得して、大手フィットネスクラブや関西のスポーツ強豪大学や高校でスポーツトレーナーとして活動。

同時期に大学で心理学の単位を取り、心理カウンセラーとしての訓練も受ける。専門僧堂や禅寺でも禅や瞑想を学び実践する。

プロアスリートや年商数十億円を超える経営者をクライアントに持ち、うつ病を始めとする精神疾患やガン患者、難病患者のカウンセリングやメンタルケアも行う。




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