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分断

やっと、地元のセミナーで上野千鶴子先生のお話を聴くことができた。その後喫茶店でじっくりとお話を聴けるというおまけつきで感無量だった。

話の内容は、地域の男女平等センター(昔の婦人会館や女性センター)が、
男女参画センターと名前を変え(平等と言う文字を奪われ)、仕分けの対象となって潰されたり、民間委託になって、単なる貸部屋化しているとう実体(女性運動の対するバックラッシュ)を教えてくれた。ダイバーシティやSDGs、LGBTQ+なども女性と言う言葉を隠すために利用されている悲しさも書きとどめておきたい。

自分達の街は、男女平等参画センターと「平等」の文字がはいっており、公設である。年に1回男女平等参画フェスティバルという大きなお祭りが2日間にわたってあり、とっても盛り上がる。これが、わたしたちのセンターが潰されない理由になっているかもしれないということだった。

しかし、女性運動にも高齢化の波が襲ってる。ほとんどが現役を退いた人達で構成され、#MeTooや#KuTooを発信するような第4次フェミニズムを背負ってる人はほとんどいない。このことにメンバーは危機感を抱いている。

しかし定例会を平日日中に開催することにこだわってるうちは、若い人達はこないだろう。

分断を考える

センターのあり方は、お姉さま方がじっくり考えることとして、わたしが話できになったのは、ネオリベ、すなわち小泉ー竹中路線による新自由主義と女性達のあり方だった。

ネオリベには女性を差別する発想はない、単なる労働資源として考えている。そして資本家としてできるだけ安く、好きなときに解雇できる非正規で雇用したいと考えている

そのため最初におこなったのは、派遣労働の緩和だ。その事によって企業は無理に正規雇用をしなくてすんだ。それが今日の非正規問題の発端だ。

そして竹中平蔵は大臣をやめたあと、派遣大手のパソナの会長になり、巨額の富みを蓄えてから引退している。

ネオリベは、中高一貫の女子進学校をでて、有名大学に行き、望めば管理職につくこともできる大手企業に努めてバリキャリ女性になってくれることを否定しない。経済にとって有意義だからだ。

バリキャリ女性は、バリキャリ男性と仲良くなり、そこにヘテロソーシャルという男女が恋愛抜きに仕事をする空気をつくられ、でもそこでであったキャリア男女が結婚し、パワーカップルとなり、タワーマンションに住むという世界が生まれた。

一方、そこまで受験勉強に取り込めなかった。もっとまったりとして生きてたかった人達は、103万円の壁を気にしながら、基本、男性パートナーに寄生し、非正規パート労働者として勤めるようになる。そして、仕事に対するモチベーションを優先すると103万をこえて、非正規管理職や正規雇用への転換があり、そうすると家庭のケア労働がおろそかになりと、板挟みになる。

この層の下部では、パートナーの男性も非正規だったりして、突然の雇い止めで、パートナーが無職になり、その事を女性にあたったりすることから、DVが発生しやすく。旧来型の女性差別が見受けられることがある。

一方、男性側は昔からホモソーシャルによる序列社会で、強者と弱者にわかれている、その末端は、先ほどもいったとおり、非正規だったり、生活保護だったりして、そもそも結婚をすることができず、中高年の未婚率が大幅にあがっているのは、そのせいだ。

弱者はストレスがたまる。その置かれた立場が強者による差別であることにきずき、強者にたいする戦いをすればいいのに、男性はより弱者だとおもう弱者女性に、ミソジニー(女性嫌悪)な発言をSNSでおこない、女性も、男性が全ての原因で悪い(ミサンドリー:男性嫌悪)といった発言をくり返すことになる。ここで不毛な議論が生まれてしまうのはとても悲しい

フェミニズムは男性から権利を取り戻す活動であったのは事実だ。
しかし弱者男性を攻撃するのが目的ではない。もちろん、弱者男性が弱者女性を攻撃することで、自分より下がいるという味方でストレスを発散してることにあらがう気持ちはわかるが、それは弱者の弱さなんだと解釈してかわして行かないとおもう。

そして、男女とも強者、弱者に分かれた構造的な社会をどのようにエンパワーしていくのか、女性を解放するためには、男性も解放していかないといけないという構造的な問題に築き、第4次、そして第5次フェミニズムのロジックを考えて行かないといけない。

そこには、新自由主義にかわる共同体主義的な提案も考えられるだとうとおもう。その話はまた後日。

参考資料


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