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【読書記録】しをんのしおり

こちらの記事を拝見して、三浦しをんさんのエッセイを読んでみたくなった。
三浦しをんさん。
「舟を編む」で知って、いくつかチラホラと読んだけれど、エッセイを出してらっしゃるとは露知らず。
自分の無知を恥じるばかり。
先日購入した「ベストエッセイ」の選者もされるぐらいだもの。
そりゃそうかあ。

いやはや、面白かった。
妄想が…共感の嵐でしかない。
日々、妄想を繰り広げている私としては「師匠」と呼びたいぐらい。
私の深見千三郎がここに。
中の「Under Construction」という章にて「理想の高校生活づくり」について語られているところでは、
私もぜひそれやりたい!と心の中で叫ぶ。
数年前、ワイドショーでウェンツ瑛士が「理想の席順」みたいなことの
妄想を披露していて、
(隣に新垣結衣がいて、前に石原さとみ、斜め前は…みたいな)
友達が写メをしてきてくれ、
共に盛り上がったことがあるのだが、
その妄想をさらに極めた「理想の高校生活」。
制服のデザイン。
時間割。
校舎見取り図。
何それ、めちゃくちゃ楽しそう。
私も田舎の地味な高校生活で、自分の高校生活には
不満しかなく、
漫画の中で見るような可愛い制服、かっこいいクラスメイト、
大きくて綺麗な図書室、特別感のある学校行事…
そんなもの一体どこにあるんだ、
私も経験してみたいと憤怒の思いを抱いていた。
「花より男子」とか「花ざかりの君たちへ」とか
そんなイケメン高校生どこにいるんだよ。
寮生活とか羨ましいぜ、と思っていた。
私も妄想生活の中に是非とも「理想の高校生活」を取り入れていきたい。
(いい年して)
いくら妄想したところでもう戻ることのできない
高校生活。
戻ったところで、私には田舎の何もない高校生活なのだが…。
だからこそ、妄想でその思いを昇華していく方がいいのではないか。
今なら理想の席順には韓国の俳優さんが数名入ってしまうだろう。
ソンジュンギは外せない。
ぜひ、頬杖つきながら隣でやんちゃな笑顔で笑ってほしい。で、ちょっかい出してほしい。
それに対して、プンスカ怒りたい。
数学教師にコンユがいたら、毎日質問をしに行って、私は
間違いなく数学が得意になれる。
生徒会長はイミンホかな。颯爽と取り仕切ってほしい。
行事は熱烈に盛り上げていきたい所存であります。
イム•シワンを窓際に配置してぼんやりと外を眺める彼を
ぼんやりと眺めたい。
授業中癒させること間違いなし。

よく妄想を披露していると夫に「暇人やな」とせせら笑われるのだけれど、
しをんさんのエッセイを読んで、
「みんなも、もしかして妄想してるんじゃないか」
「私だけではなかったのでは」と安心できた。
よかった。
このエッセイが世に出て、広く認知されているということは
きっとそうに違いない。
以前、又吉直樹さんの本を読んで、
本を読む理由について語られていた。そこには
「太宰治の小説を読んで、自分が今まで考えてきたことは
自分だけが考えていたわけではなかった。
自分は孤独ではなかった」というようなことを書かれていた。
まさにそんな感じ。
いや、妄想をしていて孤独を感じたことはないけれど。






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