見出し画像

おくすり事情

こないだ片頭痛持ちの知人が目の前で「目がちかちかする!」と言い出し、絶対片頭痛じゃん…と恐怖におののいている間にも生あくびと鼻水が出て徐々に頭痛が忍び寄っている様を目の当たりにしました。
ロキソニンを飲んで横になってなんとか山を越えたらしいのですが、恐怖体験でした。

さてさて頭痛が来ると市販の頭痛薬を飲んでやり過ごすことも多々あるかと思いますが、「薬を頻繁に飲んでいると効かなくなるよ!」というのを誰かに言われたことあるでしょうか。

あくまで私の知る頭痛の世界に関しての言及になりますが、結論から言うと市販に限らず頓服薬(症状が出た時に飲む薬)を頻繁に飲むのは長期的には症状の悪化を招きます。決して人体の力を信じ自然治癒せよとかそういう話ではない。

今回は片頭痛とお薬に関して、
・薬剤の使用過多による頭痛
・頓服薬
・予防薬
・私が処方されてきた薬
について記録したいと思います。素人が自分のために調べた知識だから、本当に困っている人はさっさと脳神経外科や頭痛外来のあるお医者さんに行ってくださいね!
今まで処方されてきた薬については長くなるのでまた別の記事にしよう。


薬物乱用頭痛(薬剤の使用過多による頭痛)

脅してくる名前だなあと思っていましたが、脅すくらいがちょうどいいかもしれない。何かと言いますと、

頭痛を止める頓服薬を慢性的に(毎週2~3回以上で3カ月以上)服用することにより起こる頭痛(※1)

こばやし小児科・脳神経外科クリニック


具体的には、起こってしまった頭痛を止めるために薬を頻繁に服用することで、痛みに対して過敏になってしまい頭痛の頻度が増え、痛みに対しての効果も減ってしまうという状態。今まで頭痛と感じていなかった痛みも「痛い」と認識する状態。最悪ですね。

画像1
(※2)

乱用しているうちに常に頭痛がある、という状態になります。そうすると朝起きて仕事に行くのにも頭痛薬を飲まなければ動けない、薬が切れたら痛みはじめるのでまた飲む、という悪循環に陥ってしまいます。

ここまで来ると日常生活がとっくに辛くなっている段階だと思います。薬に頼らなければ生活できないけど頼れば頼るほど頭痛がひどくなる。早めに病院にかかったほうが良い。

ちなみに何の要因で頭痛になっているか分からない場合も多くあると思いますが、片頭痛かも、と思うのなら風邪の時に受診する内科よりも
・頭痛外来
・脳神経外科
・脳神経内科
が専門です。近くの病院を探し、「片頭痛」などのキーワードが含まれているホームページがあれば「ストレスでしょう」で終わる可能性は低いです。

※1出典:こばやし小児科・脳神経外科クリニック
※2出典:日経Goody 片頭痛の人のための正しい頭痛薬の使い方



頓服薬

※以下こばやし小児科・脳神経外科クリニックのホームページを参考

病院に行って片頭痛です、という診断を受けると
①痛くなったときに痛みを鎮める「頓服薬」
②一定期間決まった時間に服用することで頭痛が起こらないようにする「予防薬」
が主な薬になるようです(私の場合はそうでした)。
予防薬は頭痛の発生頻度が高かったり、一回一回の頭痛が重かったり、頓服薬が他の薬と合わなかったり、薬物乱用頭痛だったりする場合は使用を検討されます。予防薬については後述するので、まずは頓服薬。

片頭痛の頓服薬は、大きく分けて以下の3つ。

消炎鎮痛剤
イブ、バファリン、ロキソニン、また処方されるものもある。痛みの根本的な解決というより、発生した炎症を抑える薬(という認識でいいのかしら)。子どもやお年寄りの治療では1番に検討されるお薬だそう。
トリプタン製剤
私がどこへ外出するにも絶対持ち歩かないと不安になるほど頼りにしているお薬。一度起こった頭痛に対して根本的な消火を目指すもので、片頭痛は血管の拡張が原因で起こると考えられていますが、拡張した血管を収縮させて痛みを鎮める作用があります。
エルゴタミン製剤
トリプタン製剤ができる以前は片頭痛治療の中心的存在だったお薬。現在は主役の座を退いたものの、嘔吐を催しやすいことや頭痛が起こってからは効きづらいが作用時間が長く長期間使っても効果が低下しにくいというメリットがあるそうだ。

私は中学生ごろから断続的にトリプタン製剤を処方してもらい、飲み方を掴めてきた大学2年生のころからは欠かせないお薬になっています。

痛くなってきた、と思った頃に飲むと痛みが最大化する前に鎮静してくれる、本当にありがたいお薬。これに慣れて「痛くなるかも」という前段階で飲むと薬物乱用頭痛を引き起こすので、飲むタイミングには慣れが必要です。

具体的なタイミングは下の図の ○ のところ。片頭痛が起こるまでに前兆がある人はタイミングを掴みやすいかもしれません。以前記事に書いた閃輝暗点も前兆の一つ。
今片頭痛でだいぶやられている人がいたら、「痛みに悶えながら痛みを観察してください!」と声を大にして言いたい。前兆を感じ取れるだけで痛むまでにとれる対策がたくさんあります。自分の片頭痛の傾向はこんな感じ。

トリプタン製剤を服用するタイミング(※3)


トリプタン製剤のデメリットを挙げるとすれば、
・合うもの合わないものがある
・薬価が高い
・不快感のある副作用
でしょうか。

実はトリプタン製剤は5種類(スマトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、リザトリプタン、ナラトリプタン)あり、各トリプタンによって効き方や副作用に個人差があります。私は色々飲み比べた結果、今はエレトリプタンを常用しています。

薬価については、1錠800~1000円、保険が適用されても300円弱の自己負担となります。ジェネリックだともう少し安い。
正直なところ、他のお薬と比べると高いかもしれませんが私としては「300円でこの頭痛がなくなるなら何でもいい!」と嬉々として薬局で毎月のように3千円ほど支払っています。仕事やバイトの作業効率が悪くなったり休んだりしたら300円ほどじゃすまないからね。

また副作用については結構個人差があるみたいですが、私は体のあちこちに軽い筋肉痛のような感覚、また首の締め付け感、頭の浮遊感、眠気、倦怠感があります。
最初は不快だったけど今は薬が効いているときに出る症状なので「来た来たー!」という嬉しさがある。眠気はちょっと問題だけど…

※3出典:社会福祉法人恩賜団体 済生会


予防薬

※ここもこばやし小児科・脳神経外科クリニックのホームページを参考

「頓服薬」の項で予防薬について触れましたがもう一度。
予防薬は頭痛の発生頻度が高かったり、一回一回の頭痛が重かったり、頓服薬が他の薬と合わなかったり、薬物乱用頭痛だったりする場合は使用を検討されるものです。

この辺の細かい話は個人的にまだあまり理解が進んでないのだけど、予防薬としては以下の5つが多く使われているようです

①カルシウム拮抗剤
よく使われるものらしい。グレープフルーツジュースと飲み合わせると良くない、妊娠中はダメなものが多いとのこと。
②抗うつ剤
有効性は高いが眠気など副作用もやや多めらしい。今私はこれを予防薬として服用しています。かかりつけの先生は「眠くならないですか」といつも聞いてくださる。
③抗けいれん剤
これは使ったことがない。
④βブロッカー
これも使ったことがない。
⑤その他
漢方製剤など。私は現在頭痛のため、というより冷えなどの体質改善のために漢方も処方してもらっています。毎朝晩食前に飲むのである意味予防薬と同じ扱いとしましょう。

これを最低3カ月継続して服用して効果を見るそうです。

予防薬は大学生時代に1年ほど服用していたけど、効いている感じはせず最終的には常に疲労・倦怠感が抜けなくなってしまったためやめた。それが予防薬が原因だったのかは確かではないですが!

いくつか病院を変えたのち、今の病院で処方されている予防薬を服用するようになってからは頭痛の頻度と程度がぐっと下がった気がします。これも合う合わないあると思います。

個人的に予防薬の難しかったところは片頭痛の前兆と似ている副作用が多く、今起きている症状が予防薬のせいなのか、他の要因のせいなのか分かりづらいところでしょうか。

漢方についてはもう本当に効いているのか分からない。冷えを改善するお薬と言われても、病院に通うたびに季節は冬に移り変わっているところで、確実に前来た時より冷えは増しています。でも体質改善とは一朝一夕にはならないものでしょう、もうしばらく様子を見てみます。


今回はこんなところでしょうか!次回は今まで処方されたお薬を振り返ってみたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?