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はじめてのせんきあんてん

真ん中が見えない!

高校生のとき弓道部で、的場の近くには矢があたったか外れたかを示す「看的」という場所がありました。

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指宿市指宿弓道場


小屋があって、中から人が的の近くで中り外れを○×で道場側に教えてくれるものです。

ある日、いつも通りに試合形式の練習をしていた時、どんなにまっすぐ見ても看的の表示が右1列しか見えないときがありました。中央の数列がきれいになくなってその部分に黒っぽいモザイク状のものがざわざわっとあるのですが、それは視野の中心からちょっと外れたところにあるのでどんなに視点を動かしても正視することができず、正体が何かは分からない。

変だな~怖いな~と思いながらも練習が終わって、友達に「なんか真ん中が見えないんだけど」と言ってみても「どういうこと?」と言われて「分からん」と答えるしかない。分からん。
まあちょっと不便だけど周辺視野を使って掃除したり着替えたり駐輪場に自転車を取りに行ったりして、帰ってから調べよう~とか思っていたら、

脳みそを金属棒で殴られたような痛みと寒気を伴う吐き気が同時に来て、うぉーこれはやばいかも、何か分からんがやばい、終わった、という感情になった。

幸い同じ方向に帰る友人が何人かいたので「とにかくやばい」ということを顔と態度で伝えて、荷物を持ってもらいつつなんとか帰宅。自転車通学でこんなに助かったことは無かった。

頭痛が本格化するとともに視界は元通りになったけど、痛いのであとはとにかく寝るしかない。落ち着いてから「視界 見えない 頭痛」とかで調べているとどうやらこの症状が「閃輝暗点」というものであることが分かった。

私と閃輝暗点との出会いはこんな感じ。


閃輝暗点=前兆

片頭痛には、予兆や前兆と言われるものがある。

閃輝暗点とは前兆にあたる症状で、30分ほど視界にこれが現れて、消えていくと同時に激しい頭痛が起こるもの。出てくるけど頭痛にならない人もいるみたいだし、頭痛になるときに毎回出てくるものでもない。私は年に1~2回くらいでしょうか。これが現れると痛みが数倍増なのでとっても嫌い。

閃輝暗点

ネット上で、最も自分の見えているものに近いものを拝借させていただきました。模様というよりは歪みと言った方が適切かもしれない。

絵で見るだけでも、自分の黒歴史を思い出すような苦々しさがあるなきみは。

実際にはこの三日月状のものを客観視してみることはできない。私の場合、常に焦点の左側に存在するので焦点をあわせられない。
それとこいつは模様がくるくる動いてとてもうっとおしい。表現としては「ちかちか」と言われることが多いです。出現した時はとても小さく「手の平になんか黒い点がある」という程度、だんだん大きくなって最終的には目の前のガードレールが見えなくなるくらいになる。

閃輝暗点を認知した時の対処として、
・薬を飲む
・早急に家に帰るか、眠れる場所を確保する
・飲めるだけ水を飲む
・水と保冷剤と薬を枕元に用意
・暗く静かな状態にする
・頭痛が来る前に目を閉じて眠りにつく
が私のマニュアルでしょうか。
30分でここまで出来たら翌日には動ける程度まで回復することが多いけど、「眠りにつく」のハードルが高すぎる。

そして個人的に不可欠なのは薬と水と保冷剤。これは閃輝暗点のみならず日常頭痛の対策でもある。
過去研究室でもバイト先でもシェアスペースでも職場でも密かに大きな保冷剤を置いておき長時間冷やせるようにしている。こめかみ、目、首の付け根を冷やすと痛みが鈍く感じられて気持ちが落ち着く。一番痛くない体勢をとって当てやすい場所に当てる。
水は喉が渇く前に飲み、水筒の水を常に切らさないように数時間おきに水道水で補充している。水分不足で頭痛が起こるようなので、喉が渇くと恐怖を覚えるほど水分に依存している。水依存症。

冷やすことについては頭痛のタイプ(緊張型頭痛 or 片頭痛)で対処が違うようなのであくまでご参考までに…

今まで閃輝暗点が起こったときの状況

閃輝暗点が起こる前後の状況を思い出せる場面をいくつか挙げてみました。閃輝暗点では基本的には嘔吐も伴っています。

①通学途中
高校生の時いつものように朝通学しようとしたら、駅前で人にぶつかりそうになって初めて「あ、見えていない!」と気付く。すぐに家に帰って親に学校に電話してもらうよう頼み、寝る。

②激しい運動の後
1年ほど社会人サークルみたいなところで月1でフットサルをしていた。結構暑めの日で、疲れもたまっていた記憶があるけど走り回って気分がすっきりした後帰宅。部屋でのんびりしていたら日差しのまぶしさがトリガーとなり発症。寝る。

③観光しているとき
いつだったか忘れてしまったけど、海沿いの観光地で友達と食べ歩きをしていたら、注文待ちしているときに発症。久々に会う友達だったからなんとかしようとしたのだけど動けなくなりそうだったので解散させてもらった。本当にごめんね…

③卓球中
大学2年次、2限の空コマに友達と卓球。ふと時計を見たら左半分が見えない。友達には頭痛のことを言えていなかったので強がって卓球を続けて悪化。保健室で寝る。学校帰りそのまま地元の友達と北関東に旅行に行く約束をしていたので、今までにない根性を出して旅行に行く。

④電子レンジを使ったとき
大学4年次、実家で夕食を食べているとき何かのおかずがが冷たくレンジで温めることに。あたためボタンを押そうとしたらボタンの文字が見えにくくなっていることに気づく。温めるのをやめて寝る。なぜか史上最悪に悪化。

予兆

予兆は前兆よりもっと曖昧なもので、果たして予兆なのかシンプルに不調なのか判断がいまだに付けられない。片頭痛の文脈なしだとただの不調と捉えられるものが多い。

自分の場合はシンプルに眠かったり疲労していたり感覚過敏だったりするけど、予兆が常態化していつでも片頭痛になれる体勢をとっている、というのが現実的な正解として考えられる。症状ではなく状態になってしまっている。

偏頭痛時間経過
偏頭痛の時間経過と症状


過食については、塩気のあるものをやたら食べたくなる。
学生時代の実験によって、過食の予兆が出た時はハッシュドポテトを食べると片頭痛が来るのが遅くなり、たい焼きを食べると悪化することが分かった。
具体名を挙げたけど、塩気、まだひどくなければ油分をとると少しマシになり、糖質や小麦をとると悪化する傾向があった。理屈を研究する必要があるなあ。


閃輝暗点で良い感じにまとまったから、ここの話はまた今度にします
メモとして、今度書きたい話リスト

・予兆と対応
・頭痛の要因
・飛蚊症と光視症
・生活で気を付けていること
・難治性片頭痛
・薬の話
・遊ぶ約束をする恐怖
・反抗期で通院をやめた中学~高校の話
・今の生活に落ち着いた経緯
・アドラー心理学を読んで頭痛のむしゃくしゃが落ち着いた話



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