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公園で 幻を見た 並木道 戦国のこと 秋疲れかな 

「今日は公園でイベントがある。ヒーローショーなどもあるらしい」といいながら、ファミリーが秋深まる公園を道を歩いていく。「商工祭というやつか」時計を見ると時間に余裕があったので、商工祭を見に行こうとファミリーの後をついていく。イチョウが黄色く色づいた晩秋の公園は歩いているだけでも心地よい。だが木の陰から物音がする。

「?」見ると甲冑を着た人間が何人もいる。「な、なに、戦国時代?」ここで、ふと商工祭のショーに登場するコスプレ集団のようなものだと思った。甲冑を着た人物は物陰から出てきたが、自分のことを敵とは思っていないらしいというか、そもそも存在に気づいていない。

誰もいない方向に火縄銃のようなものを構えているが、「撃て!」の合図とともに鉄砲が火を噴いた。「あ、あぶねえ」遊びとは違う火力に驚いたが、その後甲冑を着た者たちがそのまま小さな乗り物に座っていて、鉄砲を撃った方向にゆっくりと進んでいった。誰も運転はせずに自動的に動いているようだ。

「あれ、戦国時代に自動操縦って」と思わず笑いがこみ上げたが、気が付いた時には姿が消えていた。「幻?」首をかしげつつ商工祭の会場に行く。多くの人でにぎわっている会場内に戦国時代の格好をした人を探したが、いないし、プログラムを見てもそのようなショーもなかった。「あれはなんだったんだ」幻を不思議に思いながら短歌をつぶやく。

公園で 幻を見た 並木道 戦国のこと 秋疲れかな
(こうえんで まぼろしをみた なみきみち せんごくのこと あきつかれかな)

今回は趣向を変えて、毎週ショートショートnoteの企画に参加して短編小説を書きました。(お題:戦国時代の自動操縦

今日はこちらの記事「河内長野商工祭」をモチーフにしています。

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