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枯れ前に 花を咲かせた 夏の空 最後に見せた 動物のノリ 

河内長野のある住宅地に老いた植物と若い植物が並んでいた。「ワシももうそろそろ寿命が来たようじゃ、この花が枯れたら死ぬ、ワシの後は頼んだぞ」「頑張ってもう少し咲かせてよ」若い植物は老いた植物を案じている。だが老いた植物の寿命が近いことは若い植物も理解していた。
「そうじゃ、今のうちに、ここから見える向いの丘にある学校では昨年鳥獣戯画の授業をしていたなあ」

「へえ、僕の生まれる前の話だね」若い植物の相槌を聞きながら老いた植物は語る。「鳥獣戯画は蛙や兎などいろんな動物が出てくるそうじゃが、植物が動く様子などは無いようじゃ」残念そうにつぶやく老いた植物。

「それは、仕方ないよ。人から見たら僕たち植物は動いていないようにしか見えないし、昔の人はなおさらだよ」若いのに知識豊富な植物が諭すように返事をする。「じゃが、ワシが最後に大きな茎を伸ばして花を咲かせたのは、鳥獣戯画のノリでやったんじゃ。解るかなあ」老いた植物の言葉に若い植物は短歌で返した。

枯れ前に 花を咲かせた 夏の空 最後に見せた 動物のノリ
(かれまえに はなをさかせた なつのそら さいごにみせた どうぶつののり)

今回は趣向を変えて、毎週ショートショートnoteの企画に参加して短編小説を書きました。(お題:鳥獣戯画ノリ)

そしてテーマは本日投稿した記事「リユウゼツランのその後」をモチーフにしています。花を咲かせ間もなく枯れるであろう親とその手前に子のような若いのが共存していたので、双方がもしコンタクトを取っていたらという想像で書いてみました。

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